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2011年7月31日 (日)

「華和家」「ドン★キ」「陽はまた昇る」 など

 半ば手当たり次第見始めた、夏クールのドラマの数々。 1回または数回レビューを書いたきり放ったままの作品が続出しております。
 それだけちゃんとした感想を書きたい、という衝動に駆られることがないためでありますが、そのうちの何本かは視聴を中止することなく、見続けております。
 でもいったん書いておいてその後を書かないというのはどうもモヤモヤするので、ちょっと簡単な感想を書いてお茶を濁してみます。



「華和家の四姉妹」

 当初勧善懲悪ものなのかと思ったのですが、原作者の柴門ふみサンってそんなタイプの作り手じゃないので、なんかあると思いながら見ていたら、第2回目では長女の吉瀬美智子サンのアイデンティティが崩壊し、そしていきなり第3回目で華和家のお母さん、宮崎美子サンが死んでしまった。
 観月ありさチャンがかなり引っ張って、このドラマをコメディタッチに持っていこうとしているのですが、笑えない状況を笑い飛ばす、という強さを、果たして視聴者側は、持っているのでしょうか。

 見る側は、最初見た印象で(私が勧善懲悪ものなのか、と思ったように)ドラマの方向性を勝手に決めつけ、ドラマがその方向性を鬱に転換すると 「テーマがぶれている」 とか 「観月ありさが痛々しい」 とか、簡単に考えがちです。
 「見ていてどう感じようか迷ってしまう」 という局面に、陥ってしまうからです。

 特に第3回では、遠藤憲一サンの立場が、ちょっとしゃれにならないくらい悲惨すぎる。
 彼は第1回で、結構浮気男チックに描かれていたはずですが、浮気相手に刺されてしまったことで 「そのうちのひとつ」 がばれてしまう。
 そしたら妻の宮崎美子サンから三下り半。
 宮崎サンは突然、パリ旅行に行ってしまうのですが、その旅先で事故に遭遇。
 傷は思ったより浅くて、すぐに帰国します。
 彼は心から反省し、ふたりの誓いの場所へと刺された傷をおしながら 「太陽にほえろ!」 ばりに疾走し続けるのですが、なんともなかったように思われた旅先での傷が突如悪化した妻の死に、間に合わない。

 ここで不自然に思えるのは、遠藤サンがどうして刺された傷口を広げながら妻のもとに行こうとするのか、という点であります。
 彼が数多く行なってきた不貞行為のうちのたったひとつなのに、彼の罪悪感が比肩出来ないほど大きすぎる。
 まるで彼は宮崎サンの容体が急変することを見越しているかのように見えました。
 つまり、お涙頂戴、というように私には見えた。

 新聞とかの告知で母親の死とか書かれていたみたいですけど、その宣伝文句もおかしい。
 宮崎サンの傷はそんなでもないけど、そのうち死にますよ、と言ってるも同然だからです。
 つまり、エンケンサンが無理な疾走をする理由をドラマのなかで説明しきってないから、あらかじめ妻の死を告知してしまおう、という局側の意図を感じてしまうのです。

 こういうことをされると、「方向性がぶれている」 と感じている私のような受け手は、ちょっと引いてしまいます。 どう感じていいのか、分からなくなる。

 ただ私も、このドラマのレビューに関しては全く本質を見極めていないというお叱りを受けてしまいましたので、正確に見ているわけではないかもしれません。 「そうじゃないでしょ」 というお叱りは、甘んじてお受けいたします。



「全開ガール」

 新垣結衣チャンが錦戸亮クンを嫌いになる要因が積み重なっていることは見ていて分かるのですが、可愛くなさに磨きがかかりすぎて、第3回目ではあんまり感情移入できない感じがしてきた。 彼女が打算で動きまくっていることが、だから余計に鼻についてくる。
 そんな結衣チャン、まあそのうち錦戸クンに心を寄せていくんでしょ、どーせ、というスッゲエかわいくない見方をしている自分が嫌になる(笑)。

 このドラマで私が弱いと感じているのは、錦戸クンがそんな、表面上打算ばかりでATフィールド(他人拒絶の自分の殻)全開で(分かった、「ATフィールド全開ガール」 ってことだ!…違うか)可愛くない女の代表みたいな結衣チャンに心を惹かれていく動機がちゃんと描かれていない点。 そのうちにちゃんと動機付けがなされていくんでしょうけど。

 でもこのドラマが冗漫に見えてしまうのって、「本当は気があるのに、冷たい態度をとってしまう」「私とこの人はなんでもありませんっ!」 という構図に対する興味を、私自身が卒業してしまっているからなのかもしれません。 大人がこのドラマについていく吸引力には欠ける気がします(失礼)。



「ブルドクター」

 スイマセン、第3回以降未見です(録画はそのうち見るかも)。



「陽はまた昇る」

 佐藤浩市サン主演ということが最大の売りですが、第2回では早くも話が無理やりだなあ、と感じています。 三浦春馬クンが何度も寮から脱走をするのですが、動機がどうあれレンジャーばりに(笑)こーゆー無理なことをするかな?という感じ。 彼を騙して夜中に呼びつけるカノジョもドン引きですし。 「ためにする」 安易な人格設定って感じがする。
 真矢みきサンが 「だである調」 なのも、宝塚の男役そのままで面白いですけど、スンゴク不自然に見えるし(笑)。 射撃を佐藤サンがわざと外して彼女に花を持たせているのにも気づかないし(笑)。

 ただ個人的にいちばん見る気が削がれたのは、大勢の男どもが風呂場で素っ裸でケツをさらしまくっているところ(爆)。
 男のケツなんか、見たくないです(笑)。



 なんか文句ばかりになってきました。 書いててヤんなってきますね。



「ドン★キホーテ」

 鯖島(外見城田、松田翔太クン)が児童福祉司の仕事をしようとする動機付けに毎回苦慮している印象がありますが、「何も考えずに笑える」 という点ではとてもよくできていると感じます。
 ただ、「何も考えず」 ということに単純にはならない部分もちゃんとある。 第3回ではバーチャルな友人関係に没頭する少年、第4回では扶養能力がないのに娘に固執する父親、簡単に解決できそうもない問題ですが、それを発想の転換で鮮やかに片付けていく、ドラマというもののあり得なさを逆手に取った爽快感が、いつも見終わったときにある。
 よく昔、高倉健サンの映画を観終わった男どもが、映画館から出るとみんな肩で風を切って健サンのマネをしていた、という逸話がありますが、このドラマを見終わったときの自分も、ちょっと松田翔太クンのマネをしているような感じになったりします(爆)。

 このドラマで笑えるのが、松重豊サン。 尺八の音色とともにコワモテを強調する場面では、いつも爆笑してしまいます。
 そして小林聡美サンも、いい味出してます。 なんか鯖島と城田の性格転換に、それとなく気付いているようですよね。



「テンペスト」

 第2回では聞得大王(高岡早紀サン)の術中にはまって完全な傀儡となってしまっている仲間由紀恵サン。 高岡サンのその憎たらしい演技がドラマを完全に引っ張っています。
 ただ第2回の感想は、それだけ。 面白いんですが、ちゃんとしたレビューが書きにくい一例です。 第3回以降はどうなるでしょうか。



 こうして一瞥して見ると、今年の夏ドラマって結構よくできているものが多い気がします。
 ただ記事にしたい!という気のあまり起こらないものも多い。
 ドラマに対する愛が薄れてしまったのかな?と思うこともあるのですが、まあ 「JIN」 で生気を抜かれてしまった面もございますので…(笑)。
 こんないい加減な筆者ですが、今後ともよろしくお願い申し上げる次第でございます(丁寧すぎる…)。

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テレビ」カテゴリの記事

コメント

リウ様

失礼ないい方ですみません。
「など」、いいです。この「など」っていう投げやりさ、ぐっと来ました。ダイジェスト感満載。

今回、私もTV自体をすっかり見る気がなくなっており、
「など」の中では「ドンキ」しか見てません。
そういう時期があってもいいではないですか。
ただ、ぼ〜と見ている夏。

おつかれさまです
私のほうはやっとバイト、終了です。
もうぜーーーんぶ忘れてやる(笑)
今後は夜ドラマをリアルタイムに見られます♪

上記の中では「陽はまた昇る」と「ドンキ」を見てますが
期待してたわりに警察学校は2話目から面白くないですね。
連ドラ前の2時間ドラマはなかなか良かったのですが。(佐藤氏がまだ刑事だった)

「華和家」がそんな展開だとは全く知りませんでした。
たしかに原作が柴門ふみさんですから、単なるコメディではないのでしょうねえ

今クールは「それでも〜」と「胡桃」、
次点で「IS」「勇者ヨシヒコ」というかんじですね。
ダラダラ「ながら見」をしてるのが「ブルドクター」と「ドンキ」。

みり様
コメント下さり、ありがとうございます。

「など」 という言葉にかように反応してくださっては、うれしくて調子に乗ってしまいます(エサを与えないでください、クセになります…笑)。

こういうダイジェストタッチって、書いてて楽しかったです。 そもそもリキ入れて書きすぎるんだよなあ…(笑)。 ブログを書き始めた当初はこんなにしつこく長くなかったのになあ…(笑)。 でもまあ、たまにこういうのもいいですよね。

ドラマの面白さのロジックをわきまえているなあと思うのは、やはり 「ドン★キ」 だと思います。 性格転換なんてベタなんだけど、きちんと面白い。 高橋克実サンの人徳かな?(笑)

マイティ様
コメント下さり、ありがとうございます。

祝!バイト終了!お疲れさまでした。 ぜぇーんぶ忘れてやるなんて、かなりヤなことあった?ですか?

「陽はまた昇る」 の第1回目は佐藤浩市サンの 「警察官なんて仕事、誰が好き好んでやる?」 からの一連の論理が目からウロコ、だったんですが、第2回目は大幅失速した気がしました。 前置きがあったんですね、このドラマ。 どうも 「アマルフィ」 とかこの手のことをされると、見てないことが多くて置いてかれたような感覚になることが多いです。

「ヨシヒコ」、見ましたよ!「タモリ倶楽部」 がゴルフかなんかでお休みだったので!
いや~、面白かったんですけど、なんか途中から、前のめりになりながら無理やり面白がろうとしている自分に気付きました(爆)。 これを同じテンションで見続けるのって、結構大変かな、とか。 100パーギャグと思わなきゃいけないですね。 佐藤二朗サンが、「全開ガール」 と同じようなキャラのホトケ様で笑いました。 「タモリ倶楽部」 がなけりゃ、最後まで見届けたいんですけどね…。

いつもリウ様の感想を楽しみに拝見しております。ドラマが終わると早速リウ様の感想が聞きたくて覗いて見るのですがリウ様も忙しいとみえて、なかなか感想が書き込まれませんが気長に待ってますので、お願いします。リウ様の事は流れ星の頃から知りました。それからずっと前から私の見ていたドラマの感想を見させていただきましたが、同感したり、いやそれは違うんじゃないかと思ったり本当に楽しませていただきました。私が今はまっているのは「それでも生きている」とか「ブルドクター」とか「ドンキホーテ」とか色々です。「仁Jin」にもはまっていました。ずいぶん前には「ロンバケ」にはまって抜け出すのに10年かかりました。娘にはあきれられていますが、気に入るとトコトンはまってしまって、なかなか抜け出せない性格です。これからも宜しくお願いいたします。

笹団子様
はじめまして、ですよね? コメント下さり、ありがとうございます。

このところドラマ放送後からレビューのレスポンスが大変悪く、とても申し訳なく感じております。 「それでも、生きてゆく」 の感想も、今書き終えたばかりです。 内容が濃すぎて、きちんと100パーセント書き切れていないのが、自分なりにちょっと不満ですが。

「流れ星」 のレビューは、こういう恋愛モードにひたすらハマってやろう、と考えて、思い切り題名に至るまでロマンチックに書きまくっていました(笑)。 スッゴク反応が良かったのですが、こういうことってあまりやらないんですよね、当ブログ(笑)。 またこんな、甘ったるくない、奥の深い恋愛ものを、どこかでやってくれないかな~。

気長に待って下さると伺って、安心してどんどん遅くならないように気をつけます、ハイcoldsweats01

お久しぶりです!
覚えてらっしゃいますでしょうかぁ…?
ママさん まさか死んじゃうなんて~☆
最初の頃に比べると少し重い感じですね!
パパさんも大丈夫!?って感じやし なんか笑えないですね☆
関西弁の人 あんな事をするような人に見えなかったのに『え~!』って感じでした☆
加藤クンには相変わらずキュンキュンさせてもらってますが やっぱり竹美チャンを好きになるみたいですね♪
私も『ヨシヒコ』好きですよ!
隣で親が寝てるのに声を出して笑いそうになります☆
小池栄子の天女サマ観ましたぁ?
あのシーンめっちゃ面白かった♪
小池栄子も上手かったし!
仏サマもイイキャラですね☆
あの方『JIN』にも出てたし 大忙しですね♪
この間 観に行った映画にも出演されていました!
また お返事待ってますね☆

ゆかっち様
覚えておりますですよ~happy01。 コメント下さり、ありがとうございます。

「華和家」 の今週分はまだ見ていないのですが、まあ観月サンも 「斉藤さん」 と同じことをしてても面白くない気もします(笑)、が、やはり重苦しいかな~。

関西弁の人って、真中瞳チャンのことかな~?(違ってたらゴメンナサイ)
や、名前が変わっていたみたいでしたけど、真中瞳のほうが断然いい名前だと思います。 個人的には水川あさみチャンとかぶっちゃって損をしている気も無きにしも非ず、です。

加藤クンは男臭くなりましたよねー。 今後は結構いろんな役を期待できそうかも、です。

小池栄子サンの天女、エライギャル言葉レディースチックで笑いまくりましたhappy02
どこかの野っぱらでロケしてる感じだし(爆)、こういうおふざけの極致みたいなことをマジメにやるドラマ、というのは貴重な気がします。 クドカンのドラマより羽目が外れている気がします。

なかなか記事を更新できない現状で申し訳ないのですが、お気軽にお立ち寄りくださいませ。

お返事ありがと~ございます!
まだ観てなかったんですねぇ…
関西弁の男の子です☆
もう『真中瞳』って名前じゃないんですかぁ…
知らなかった…
最近 出てないですもんね☆
『斉藤さん』観てないんですけど『斉藤さん』も あんな感じなんですね☆
あっ!『陽はまた昇る』の真矢サンの口調 私も めっちゃ違和感あります☆
あんな男口調にしなくても…って感じですよね!
『ヨシヒコ』のDVD欲しくなります♪
NGシーンとか観たいです☆

ゆかっち様
再コメント下さり、ありがとうございます。

「華和家」 に関しては、なんかアクセス数が多いので、ちゃんとレビューせにゃいけないかな?などと考えております。 もしかすると皆さん、このドラマに関してどう感じたらいいのか戸惑っていらっしゃるのかもしれませんね。

真矢サンの宝塚口調は、ヅカファンにとってはキモなんでしょうけど、私は宝塚って、あんまり興味がございませんので、これが延々と続くと多少ゲンナリする、と申しますか…。

「ヨシヒコ」 はあえて誤解を恐れず申し上げれば、全部が全部NGシーンのような気も…(ほめことばでありますhappy02)。

はじめまして。ooyamaと申します。今クールのドラマでは、

「勇者ヨシヒコと魔王の城」
「ジウ 警視庁特殊犯捜査係」
「陽はまた昇る」
「それでも、生きてゆく」

が好きです。よろしくです。

ooyama様
こちらこそはじめまして。 コメント下さり、ありがとうございます。

ooyama様のご覧になっているドラマでは、「それでも、生きてゆく」 だけを今のところレビューしております。 「勇者ヨシヒコ」 は見たいんですが、「タモリ倶楽部」 と重なってスルーになってます。 そんな感じです。 よろしければお付き合いくださいませ。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

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    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

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    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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