« 「それでも、生きてゆく」 第7回 高揚していく殺意 | トップページ | 「全開ガール」 第6回 小さな決意 »

2011年8月20日 (土)

「テンペスト」 第5回 GACKTサンの演技が見られることの喜び?

 お盆休みでやっとリアルタイムで見た、「テンペスト」。
 なんか話が飛び飛びなような感じがして、前番組の 「江」 より内容が散漫なように思えました。
 で、今日の再放送をあらためて見たのですが、いったん咀嚼してから見たせいか、とても優れた内容だったんだ、と思い直し。

 この第5回の内容でどこが飛び飛びだと感じたのか、というと、まず徐丁垓(GACKTサン)がいきなり琉球の国相になってしまった点。 今回その部分に注目して見ていたのですが、やはりきちんとした説明がドラマのなかでなされていない、と感じました。

 徐丁垓が琉球の政治に関わらせよ、と申し出たのは、ドラマを見ている限り孫寧温(仲間由紀恵サン)に対してのみ。 自らが宦官であったことから、寧温が本当は女で、宦官を騙っていたことを最初から見抜いていたのです。
 そのことをネタに寧温に、琉球王朝に取り入るよう恫喝をするのですが、次のシーンで寧温はそのことを悲観して、たぶん世話になっているおばァ(平良とみサン)の家で自刃しようとする。
 それを止めに入ったのが義理の兄の孫嗣勇(金子昇サン)。
 「首里天加那志(琉球の国王、高橋和也サン)が亡くなったからって後追いするな」 と言いながら、「首里天加那志が突然みまかられた」 と次の瞬間に話す自語相違で、ここも気になったのですが、とにかくここで徐丁垓は 「まさか国王が死ぬとはな」 と高笑い。 「これで清は自分を頼らざるを得なくなった」 と聞得大君改め真牛(もうし、高岡早紀サン)に喜々としてべらべらしゃべる。
 そしたらすぐあとのシーンで、あらたな国王の前に徐丁垓がすっくと立って、「自分は琉球の国相になった」 と宣言するのです。
 う~ん、これは徐丁垓が清国に働きかけて、自分を琉球の要職につかせるよう根回しをした、としか考えられない。
 「まさか国王が死ぬとは」 と言っていたから、別に国王に徐丁垓が毒を盛った、とも考えにくいし。

 あとトートツなように思えたのが、徐丁垓が孫嗣勇と寧温によって殺されてしまうところ。
 なんでいきなり?と思ったのですが、ドラマをちゃんと見返すと、孫嗣勇が寧温を手篭めにしてしまった、と気付いてしまうシーンがあったのがまずきっかけで、そのことから孫嗣勇が徐丁垓を呼び出して彼を殺そうと画策。 その際に徐丁垓は、寧温もおびき出そうと、寧温に対して文を送っていたんですな。 だからその場にいきなり寧温が現れた。
 どうも食事をとりながら見ていたので、見落としていたようであります。 これらのシーンはちょっと目を離したすきに終わってしまう類のもので、やはりドラマというものは片時たりとも目を離すのは禁物だ、と思えてなりません。
 まあもっとも、このドラマ自体がヤタラメッタラ急ぎ足であることも事実なんですが。

 その、ヤタラメッタラ急ぎ足のドラマのなかで、徐丁垓も国相になったはいいけど、この回に早くも暗殺されてしまいます。
 いや、もったいないです。
 GACKTサンの演技は、数年前の 「風林火山」 の上杉謙信役とは打って変わって、今回はピカレスクを地で行くほどの悪役。 舌がチョロチョロ蛇のように出てくるのは、あれはCGだったようですが、ともかく蛇のようなしつこさとちょっとイっちゃってるような異常さを完全に表現している。
 その演技は異端、とは呼べるものの、こういう特殊な役者サンは、その演技を見ること自体が貴重なのではないか?と思えるほどであります。

 それにしてもアソコがない(下品な表現で失礼)宦官が、その舌のテクニックで寧温を手篭めにしてしまうとは、どんなだ?つー気もしますが(笑)、孫嗣勇と対峙したときも、なんちゃって酔拳みたいな(笑)ポーズをとって、しかも寧温まで呼び出すとは、この男(じゃないか)どこまで自分の腕に自信があるのか?という感じであります。
 ところがこの徐丁垓、孫寧温のブレーンパスターを食らって(笑)あえなく断崖絶壁に孫寧温とともに宙づり。
 寧温の命綱となったのは、初代の聞得大君が持っていたという馬天ノロの勾玉。 それをつなぐ糸がまるで芥川龍之介の 「蜘蛛の糸」 さながら、曇天から細長く繋がるのです。
 寧温は水からのかんざしでもって自分にすがりつく徐丁垓をひと突き。 徐丁垓は波打ち際の岩場に、落下していくのです。

 もっとGACKTサンの演技を見ていたかったなー。

 しかしこの徐丁垓、自分が殺された時のことも、ちゃんと考えていたようです。 喜舎場朝薫(塚本高史サン)に寧温が薩摩の朝倉雅博(谷原章介サン)と通じていることをほのめかし、たぶん寧温が女であることも、バラしたように思われます。
 それを知った朝薫、おそらくその私憤も手伝ってか、徐丁垓を殺害した寧温を、裁判にかけるのです。

 番組HPなどによると、寧温はこのあと女として生きていくことにもなるようですし、話は二転三転していくものと思われますが、もしかすると朝薫は、私憤ではなく他の目的で寧温を裁判にかけたのかもしれません。

 いずれにしても一瞬も目が離せない、高度なドラマであることは確かなようです。 デカルトの方法論序説をめぐっての徐丁垓と寧温との対話も、深い思索が必要な場面のように思えました。 ただその結論は、寧温が偽である、という、ただ単に寧温が女であることの暴露ではあったのですが(笑)。

 しかしアヘン情報のリークと言い禁書であるデカルトの本で寧温を釣る方法と言い、かなり狡猾な方法で琉球の国相にまでなった徐丁垓、ホントにあっけなかったです。


「テンペスト」 に関する当ブログ記事

第1回 「琉球ドラマ」 というカテゴリー 
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2011/07/1-18f9.html
第3-4回 孫寧温の方法論 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2011/08/3-4-c00d.html
第5回 GACKTサンの演技が見られることの喜び? http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2011/08/5-gackt-707d.html
最終回まで見て 感想さぁ~ http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2011/10/post-ebca.html

|

« 「それでも、生きてゆく」 第7回 高揚していく殺意 | トップページ | 「全開ガール」 第6回 小さな決意 »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521783/52524334

この記事へのトラックバック一覧です: 「テンペスト」 第5回 GACKTサンの演技が見られることの喜び?:

« 「それでも、生きてゆく」 第7回 高揚していく殺意 | トップページ | 「全開ガール」 第6回 小さな決意 »