« 「テンペスト」 最終回まで見て 感想さぁ~ | トップページ | 「カーネーション」 第1-2回 NHKのセット力 »

2011年10月 4日 (火)

「江~姫たちの戦国~」 第38回 淀と江との分かれ道

 冒頭、江の何度目かの出産シーン。 離れの部屋でおおばの局は 「おのこおのこ」 と一心不乱に祈り、脇で秀忠は寝転がって戯画を鑑賞中。
 ここで私のあまりよろしくない記憶でも気付くのですが、おおばの局は前回だったか、いや違う、その前だったか、江の出産のときにまた姫が生まれたとき、ずいぶん遅いご登場で 「またこたびも姫であったか…」 とか話していたはず。
 統一感なし、というのはこのドラマの常なんですが。

 しかも秀忠は寝転がって見ているマンガが 「世界の珍獣・想像上の動物大百科」(笑)。
 「ほら、ここ、突っ込んで突っ込んで」 と脚本家のかたが言ってるのでツッコミますが(爆)、もうじき人間の子供が生まれるとゆーのに、縁起の悪いことで…(面白いなあ)。

 そして赤子の泣き声。

 江の乳母がやってきて、厳しい表情。
 「またダメか…」 と落胆する秀忠とおおばサン。
 しかしそのあとに乳母が放った言葉が、大河ドラマの威厳を根底から覆す名ゼリフでした(スゲー皮肉)。

 「つくべきものが、つくべきところに、ついておいででございましたあぁっ…!」

 これを見て笑えない自分の精神年齢の高さを恨みたい(爆)。 つくづくオコチャマにできてるんですねぇ、脚本家様(羨ましい…)。

 あと今回クサすところはですねえ(この揚げ足取りがまた悪趣味ですが面白い)、二代将軍を断った秀忠が、熱海の温泉旅館に江と共に行くんですよ。 意味不明(いや、意味はちゃんとある…爆)。
 湯あたりするほど向井理クンを湯につからせるし(笑)。
 田渕サン、どんだけ向井クンのハダカを見ていたいんだよ!って感じで(いや~ツッコミどころがあるって、快感だなぁ…笑)。

 ところが今回の 「江」 は、それ以外では結構(ヨレヨレながらも)「見せる」 場面があった気がします。

 その筆頭は、「徳川の一員」 としての自覚を促されながら、自分の持っている薄っぺらい反戦思想とその自覚とを融合させていく、江の変心。

 江は生まれたばかりの竹千代を福(のちの春日局)に奪われ、その不平と福の乳母解任を要求する文書を家康にしたためるのですが(まあいつもの文句ブチブチバージョンですが)、久々に江戸に戻った家康にそのことを問い詰めようとすると、家康は別方面から江をねじ伏せにかかるのです。

 「そなたは、竹千代がかわいいか」

 「無論です」

 「わしもじゃ。 …よって、竹千代に悪いようにはせん」

 ここ、ト書きを眺めているだけではまったく何も伝わってまいらないのですが(すごいなソレ)、このときの家康の様子は、にこやかに笑いながらも、ドスの利いた有無を言わさぬ音声を崩すことがない。 江は、二の句が継げません。
 北大路サンの本領発揮、というところですが、この北大路サンの演技によって、このドラマはだいぶ救われている。 今回はそれが前面に出ていた気がするのです。

 そしてその場で、家康は息子秀忠に、征夷大将軍を継げ、と命じる。
 秀忠もその場にいた江も、それはすなわち豊臣を追い詰め、その天下を否定する所業であることが簡単に分かるのですが、家康はあくまで、豊臣秀頼が大人になるまでの暫定的なものだ、という建前を曲げることがない。

 江はこの場で 「家康さまは天下を取るおつもりなのですか」 とまた言いにくいことを言ってはいるのですが、その言が重要性を帯びることはことこのドラマの上ではありえない。 江の言動は、いつまでたっても 「ものの道理が分からないオンナがエラソーに口出ししている」 という域を出ないのです。

 それはいいとして、その思慮の浅い息子の嫁の言い分に、家康は 「いい加減に徳川の嫁になってはくれぬか」 と凄みを利かせながら頼むのです。

 「そなたは秀忠に嫁いだと共に、徳川という家に嫁いだのじゃ。
 いま、徳川の主はこの家康。
 わしの考えに従うことじゃ」

 これも字面だけ眺めていると大したことのないセリフのように見えますが、この論理に抗うだけの重みのある人生を、このドラマでの江は送っていない。
 この家康の命令を、秀忠は敢然と断るのですが、家康はそんな秀忠の翻意を促す人物として、江を想定している。
 つまり江の薄っぺらい反戦思想を、逆に利用しようとしている、ということなのです。

 この、江のこのドラマにおける甘ちょろい性格設定の弱点を逆手にとった家康の思惑には、ちょっとうなりましたね。

 江は熱海の温泉旅行の際(ハハ…)、「天下太平の道を築くにはもう有名無実化している豊臣の平定を待つのではなく、わが夫秀忠が二代将軍の座に就くことが近道なのだ」 という結論に達します。 そしてそれを秀忠に進言する。 秀忠は湯あたりしながら、江のその進言にぼーっとした頭のままうなづくのです(なんじゃソリャ)。

 秀忠はいったん断った二代将軍の話を受け入れます。
 しかし家康の思惑は、またその若造の先を行っている。
 二代将軍としての地位すら、秀忠を人間的に鍛えるステージとして、用意しているにすぎないのです。

 そしてドラマ的なダイナミズムを堪能したのは、その、「江の変心」 による淀の反応。

 「江は何をしておったのじゃ!

 秀忠殿も、なぜ将軍となることを断らぬ!

 わたくしが甘かった…。

 これから徳川殿を…いや、家康を信じることは断じてない…!

 合戦になろうと、天下人の座を取り戻すのじゃ!」

 この淀の怒りは、まあ私くらいの歳になると何度も映画やドラマで見てきた類のものなのですが、やはりこうなってもらわないと、面白くない、と言いますか(笑)。

 そして蛇足になってしまいますが、今回登場の福(春日局)役、富田靖子サン。

 光秀の家臣とか秀吉の恨みとか、まあいろいろ出てきてややこしかったですけど、そのパラノイアチックな演技は、ドラマをピリッとさせる気はいたしました。

 ただそのことで、江がますます(ドラマにおける)自分の居場所をなくしてしまうような気は、いたしました。

 なぜなら家康に面と向かって言い返すこともできず、福の恨みストーリーにもただ呆気にとられているだけ。
 江ってもっと、火を吐くような女じゃなかったのかな?という気はいたします。
 「自分は信長の姪である」 という、このドラマの中だけの最強の自負が、江には備わっていたんじゃないだろうか、って。

 それにしてもその竹千代も、次回はもう5歳児くらいになってる感じでした、予告編では。

 飛ばすよなあ、こっちも。 茶々と秀吉の恋愛に、時間裂きすぎだっつーの(耳タコ…)。

« 「テンペスト」 最終回まで見て 感想さぁ~ | トップページ | 「カーネーション」 第1-2回 NHKのセット力 »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

 レビュー、お疲れ様です。また出産でしたね。あの乳母様のセリフ、演じている女優さんに同情してしまいました。待望の男の子という喜びの表現でしょうが、お下品だったと、先生に苦言を申し上げたいです。全国の視聴者に電波に乗せてあんなセリフ言わされちゃあ、難儀でしょう。仕事とはいえど。

 春日局はホラーでしたね。でも、豊臣憎しを江ちゃんまでぶつけるのは、逆恨みの八つ当たりでしょう。信長を光秀が討ったのが発端なのですから。富田さんの危ない演技は存在感がありましたが、風邪を何度も若君にひかせてる乳母って、乳母の資格ないのじゃないかしら。江ちゃんに、「家光は小さい頃から身体が弱いから将軍は無理」って主張させる気かしらなどと、うがった事を考えました。春日局とバトルさせるにも回が少ないと思います。

 江ちゃんってやっぱり秀忠の正室というのがこのドラマでは第一なのでしょう。太平の世の為、秀頼より秀忠という江ちゃんと秀忠の選択は、甘い考えだけど、姫とぼんぼんの着地点でしょうね。将軍を受けない、嫡男をやめるとか言い出した時は、溜息がでました。ぐだぐだに。秀忠の裸じゃなくて。熱海で向井くんの裸身を見る為のぐだぐだなんだもの。先生は向井くんがすっごくお好きなのでしょうね。先生の為の入浴サービスシーンでした。(笑)

 竹千代が5歳なら、来週は出産シーンはないのかしら。今回、淀の怒りはなかなか迫力がありました。淀の夢をぶち壊す家康、姉よりも、平和な世の中の実現を望んだ江、江と秀忠を責める淀、江ちゃんが嫁ぐ時に「これからは豊臣より徳川の為になるようにする。」と言ったら、淀は「それでいい。」って言って送り出したのですが。淀も妹の幸せより、豊臣をとったのですよね。ぐだぐだもあったけど(毎回の事です。)楽しんだ回でした。

ささ様
毎回 「江」 の記事をフォローしてくださり、感謝申し上げます。。

どうにもいちいち下品なのも、このドラマの特徴ではありますね。 下品なのを好きなのは、ガキンチョだけですからね(笑)。 演じているご本人がまともな神経をお持ちなのであれば、もうヤケクソでこの乳母を演じ続けるしかないんだと思います。

斉藤利三がどうとか、明智がどうとか、細かいことをいろいろ福はおっしゃっておいででしたが、このトンデモドラマの中ではいちいちすべてが史実通りにいってませんから、それが逆恨みに見えてしまう。

だって江は明智光秀が死ぬ寸前に彼に会って親交を深めてるし(すごい話だな思い返せばソレ)、ガラシャとも昵懇の仲だったんですから、福の誤解を解くカギは、ことこのドラマの中ではそこらじゅうに転がっている感覚であります。 バトルは簡単に解決するんじゃないでしょうかね?

私は 「風邪をひいてる」 のは、福が江から竹千代を遠ざけるための虚構、と受け取りましたけど(2度目の時点で)。
いずれにしても富田靖子サンはささ様のおっしゃる通りかなりのホラー(笑)。 富田サンは役者のカンで、このダメドラマにおける福の見せかたでいちばん効果的な方法考え出した結果、あのような演技をしているように私には思えました。 作品の咀嚼能力において、江を演じあぐねている樹里チャンより上、とお見受けいたしました。

このドラマでは、秀忠も江も、ただの世間知らずとして描いているけれども、世間知らずなりの葛藤と、彼らなりに現実を受け止める 「ヘタレのビルドゥングスストーリー」 を描いている点が、私には結構マシなように思えます。

入浴シーンを見ていて、「この時代にこんな、様式が確立した温泉旅館なんてあったのかな?」 なんて思ってましたけどね。
考えればこのセットには、スッゴクお金がかかったに違いない(笑)。 だから向井クンをのぼせさせながらこのシーンに長時間を費やした…うがち過ぎですかね(ハハ…)。

そう言えば江には、もうひとり竹千代の弟が生まれるんでしたっけ? 過去の大河でかすかに記憶がある…。 家光とその弟のどちらを次の将軍にするかで確執があった、という記憶が。

やるのかな?

 竹千代の下に弟が生まれ、江ちゃんが育てるのが今までのドラマの常で、春日局に奪われた竹千代より、弟の方を溺愛して、ついには、次の将軍争いになってしまう大奥のドロドロを、今回やる時間はあるのかしら?竹千代の風邪は乳母が江ちゃんから遠ざけたい思いからの嘘だと私も思いますが、プロとして、預かった子供を病気にしては、嘘でもまずいのじゃないでしょうか。いじわるな私は思ってしまいました。富田さんのホラーは、凄い。この春日局に育てられたら、ひねくれていてもかわいくなくても不思議じゃないです。「オーメン」のダミアンみたいになるのじゃないかしら?ホラーです!加賀さんが普通に見えました。竹千代の頭に666が刻まれてても不思議じゃありません。(笑)

 そういえばお風呂のセット豪華でしたね。この大河はお庭とかにとってもお金をかけているそうです。江と秀忠より家康vs淀の方が面白いので、秀忠の入浴という見せ場?もきっと必要なのでしょう。長湯させられる向井くんがちょっと可哀想ですが、イケメンは辛いよって事ですよね。

ささ様
再コメント下さり、ありがとうございます。

そう言えばそんな話を幾度か大河で見たことがあります、どうも私も記憶力ないですね。 特に秀忠を西田敏行サンが演じた 「葵徳川三代」 では詳細にやっていたと思うのですが…。

それで今、ウィキを見直してみたのですが、「葵徳川三代」 では江が岩下志麻サン。 そう言えばキョーレツだったよなあ、西田サンを下に敷いて。 それに比べれば上野江のわがままぶりは、どうにも内に向かってばかりのようでスケールが小さい気がする。 両方ともベクトルが同じ女性に描かれているのに、脚本力でこれほど違ってくるものなんだなあ。 春日局は樹木希林サン。 どんなだったかなぁ? 樹木サンがやったんだから、怪女だったんだと思うのですが(笑)。

こんなことを書いてたら、「葵徳川三代」 が見たくなってきた…。 当時はジェームズ三木サンの脚本が 「なんか最近この人狙いすぎ」 とか感じながら見ていたんですが、いまのに比べりゃかなり 「正統派大河ドラマ」 だった気がします。

それにしても、あんな貞子みたいな乳母に育てられたら、家光はどんな子供になってしまうのだろうか…。

横から失礼します。

>どんな子供に
ゲイですよ、ゲイ!
女性にまったく興味がなかったのに、尼さんになるはずの女性にだけ興味を示したので、強引に春日局が還俗させ、側室にするんです。
が、京都の公家出身なので、子ども、特に男子が生まれると困るとのことで、定期的に堕胎薬を飲ませていたとか・・・・(もちろん、健康にいいとか、嘘言ってね)。

特に前半部分、先生だったら筆が乗りそうな設定ですが・笑、
今回、そこまでの時間はなさそうですね。

>葵三代
昔の大河は、時代劇チャンネルで放映します。
もっぱら、こっちばかり見ています・苦笑

塚原朴伝、初回見ました。
途中まではよかったんですけどねえ、最後の立ち合いが・・・。
小技使わないで、正統派で見せてほしいです。
特にスローモーションでごまかすのはやめてほしい。
役者が育ちません。

「葵三代」の江ちゃんと春日局、配役だけでも女の戦いが凄そうですね。残念ですがほとんど見ていません。秀忠の遅参は覚えていますが、他はまったくです。子育て期で、子供用のテレビしか見ていませんでした。私が一番教育テレビを見ていた頃の大河ドラマですね。

 家光は、マーシー様のご指摘のように、女性に興味を持てないようになってしまうようですよ。春日局は、家光になかなか世継ぎができないので、いろいろ苦労する事になるのです。でも江ちゃんでは、そこまではやらないでしょう。なにせ豊臣がまだ健在ですから。「江」じゃなくて「茶々」で良かったのじゃないでしょうか。江ちゃんを政治に関わらせたくても、秀忠の側で繰りごとを言うのが精一杯なのですから。家康とは離れているし。

 樹理ちゃんが可哀想。馬鹿なセリフを言わさせられ、転んだりの乳母様の次に、樹理ちゃんに同情します。押しつけられた腹いせに先生は江(樹理ちゃん)を虐めている気がします。

マーシー様
コメント下さり、ありがとうございます。

家光、ゲイ!でしたか!(爆)

「葵三代」 では尾上辰之助サンが演じていたこの役、津川家康と西田秀忠のあまりのインパクトのあとで、あんまり印象に残っておりませんでした(ハハ…)。 ウィキに 「奇行も目立ち」 とか書いていたので、「ああそーだった、かな~」、なんて。

いずれにしてもウィキを眺めながら、「それにしてもちゃんとしてる…」 というのが、登場人物だけでも分かって…。 「江」、はっきり言って登場人物絞りすぎ(予算がどーとか、カンケーない!)(向井クンを裸にするためだけの温泉セットとかやめりゃ、…いや、群像劇を作る能力自体が、脚本家先生にはない…)

「葵三代」、当時は 「大河もオチャラケ路線になってきたものだ」 などと顔をしかめながら見てたんですけどね。 考えてみれば大河にあからさまなギャグを導入した最初がジェームズ三木サンだった気がするのですが、今年の大河のギャグは、もはや 「ためにする」 連続で、そっちが本筋といってもいい気がします(言いすぎか…)。

「卜伝」 はまだ録画したまま見てないのですが、番宣とか見てると、ワイヤーアクションとか使ったりしてましたね。 「マトリックスかよ」「韓国時代劇かよ」 とか感じたんですが(笑)。 うーむ…。

ささ様
再コメント下さり、ありがとうございます。

「葵徳川三代」 は、松村邦洋サンがモノマネするくらい、津川雅彦サンの家康が、強烈でしたね。 そして江を演じた岩下志麻サン、当時としてもかなりお年を召していらっしゃったのに、少女の役からやってたような記憶があります。 最近お見かけいたしませんね。 ささ様は子育て期でございましたか。 それはお大変でございました(男って、こういうのに無頓着だからな~…)。

このドラマは、以前にも幾度か指摘いたしましたが、脚本家先生が 「江を描けったって、なにもないじゃないのよ!」 みたいな開き直りをしているようにしか見えないんですよ。 資料が残ってないのなら、いくらでも創作が出来るポイントなのに、それをハナから出来ないと決めつけて、信長とか秀吉とか秀忠とかにぶら下がって絡めることしかしない。 それじゃ飽き足らず、光秀とかガラシャとか利休とか、とにかく有名どころと絡ませりゃサマになるだろう、みたいな感覚でしかない。

だから結局江には何も残っていない。

こういう役どころに貶められている上野樹里チャン、やっぱりカワイソーです…。

 もう巷では、来年の清盛くんの話題が。松ケンくんとっても日に焼けたメークでした。

 去年の今頃は江ちゃんの話題も出てたのでしょうが、全く気にしませんでした。龍馬の命のカウントダウンのせいかしら。江ちゃんって不憫だわ。樹理ちゃんと言うべきか。有名人と絡んで、かえって邪魔している江ちゃんの存在。江ちゃんに足りないのは信念かしら。思うまま生きるのは、信長の理想だし、太平の世だって、ほとんど大勢の願いだし、実施者の秀忠の方が説得力があるし、彼女だけの信念が篤姫のように無い、作れなかったのが先生の失敗だと思います。樹理ちゃんの魅力をうまく作品に融合させきれなかったのがとても見ていてイタイです。でも清盛には全く心動かされないので、江ちゃんの帰結を見守っていく所存です。

ささ様
またのお運び、ありがとうございます。

来年大河のHPを見ましたが、結構本格的、という気はいたしました。 問題は中身ですけど。 確か松山クンは青森出身。 彼の顔を見てると、いかにも太宰治系統の青森男児、という気はするのですが。 どのような清盛を見せてくれるのか。 最初みすぼらしい風体から始めるのは、大河の伝統的手段とも思えます。

「龍馬伝」 の終わりの部分では、福山龍馬に会えなくなる寂しさ、というものが私の場合はありました。 ああもうすぐ、暗殺されちゃうよ~、みたいな。 いろいろと批判もあった龍馬役でしたが、福山クンなりの人なつっこい龍馬が演じ切れていると感じていたからこそ、彼と会えなくなる寂しさがわき起こったのでしょう。

江の場合は、「ああこれで江を肴にツッコミ大会をすることもなくなるなあ」 という寂しさがあります(爆)。

冒頭のセリフを天下の大河ドラマで言わされた女優さんも可哀想ですが、こんなセリフを聞かされた視聴者も結構可哀想だと思います。
先生および制作陣は江ちゃんのことをどう思っているのでしょうか。父も母も戦で殺されちゃって可哀想。政略結婚を3回もさせられて可哀想、子供を再婚先に連れていけないし、7歳の娘を従兄とはいえ敵方へ嫁がせるなんて可哀想。やっと産んだ長男は乳母に取られて可哀想。
出来事(イベント)だけをつらつらと並べているから、どうしても江ちゃんに魅力が出ない。そういう運命に翻弄されてる(ように見える)主人公は何を思って、それぞれの出来事に何を感じ、何を学び、何を考えてどう生きたか、が描かれていればきっと史実なんてそんなに細部まで一致してなくても許されるだろうと思うのです。
で、先週春日局に取り上げられた竹千代の弟の出産を、今週さっそくやるそうです。そこでまた、2年すっとぶの。残り回数も少ないからダイジェストにも拍車がかかっていますね。
綺麗なお着物が出てくるので(とてもきもの屋さんで通りがかりになど見ることはできないくらい刺繍にしても織物にしても豪華で手が込んでいます)、女性主人公の大河は目に楽しいというか眼福という感じで楽しみのひとつでもあるのですが、今回ばかりはもう、薄汚れてキタナイ着物しか出てこなくてもいいから、早く来年にならないかしら・・・とふと考えてしまいます。

さり様
コメント下さり、ありがとうございます。

田渕女史は大河ドラマの品性など、まるで眼中にありませんね。 そんなことならよそでやってくれ、って感じなんですが。 まあインパクトはあります(爆)。 面白おかしくやるのも結構だが、大の大人が脚本家から製作陣から寄ってたかって大河の常識を覆そうなんて誤った意気込みに没入しているのかと思うと、情けなくなる。

「運命に翻弄された女」 というとらえ方をしてるから、いつまでたってもこのオンナが成長しないんですよ(今夜は結構過激だなぁ…)。

さり様のコメントを読みながら、「ウンウン」 とうなづくだけの私ですが、さり様ほどには怒りを感じてないかな(置き去りにしてスミマセン)。 私は男のせいもあるのか、着物の豪華さにはあまり神経がいかないのですが、そういう楽しみ方もあるんですねぇ。 豪華な着物より向井クンのハダカに目が行ってしまうのもどうかとも思うのですが(お断りいたしますが、私はゲイではありません)。

このドラマ、なんかドキドキ感がないんですよ。
だいたいなにが起こるか、見る側が分かり切っちゃってるから。
でもそれを超える深層心理まで突っ込んだものを、大河ドラマでは堪能したいじゃないですか。
それができてない。
だから視聴者側が、上から目線になっちゃうんですよね。
困ったもんだ…。

 歴代大河の中で一番不憫なダメな子作品になりそうな江ちゃん、田渕先生の今後は大変だろうけど、NHKはそうでもないかもです。先生が起用されたのは御しやすい脚本家だったからじゃないでしょうか。おだてあげて、1年間書かせて、後は梯子はずして放り出せばいいのですから。先生は脚本家の地位向上を願っているそうですが、作品の質からして、そんな大義を振りかざせる立場を失ったので、今後NHKが煩わさせられる心配もなくなったし。悪意的でごめんなさい。でも、大河というブランドの信頼はかなり落ちました。清盛で浮上できるかしら?

 結局、出演者と視聴者がかわいそうなドラマになってますね。たまに役者さんのがんばりが光る時があって成り立っているドラマだなと、振り返って思います。

ささ様
コメント連投下さり、ありがとうございます。

ささ様のNHKの思惑を含めた 「悪意的」 推測には男の私のほうが震えあがります(爆)。 持ち上げてから一気に落とす、という方法ですか…(スゴ…)。

確かにここまでオコチャマ仕様にされちゃうと、「日本を代表する長尺ドラマ」 としての大河は地に落ちた、と言わざるを得ません。 50回近くもやるドラマなんて、朝ドラは除くとして、いまの日本じゃとても稀なんですからね。

直近のコメントにも書きましたが、今晩放送した 「江」 に関しては、日をあらためて書きとう存じます。

さらにキーワードを申せば、「話スッ飛ばしすぎ(爆)」。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「江~姫たちの戦国~」 第38回 淀と江との分かれ道:

« 「テンペスト」 最終回まで見て 感想さぁ~ | トップページ | 「カーネーション」 第1-2回 NHKのセット力 »

2019年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

無料ブログはココログ