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2012年4月21日 (土)

「梅ちゃん先生」 第3週 とりあえずさらにもう1週見た感想です

 「このドラマには野心がない」、ということを先のレビューでのコメントで書いた私ですが、第3週目のこのドラマを見ていて、ますますその思いが強くなりました。

 このドラマには、仕掛けがない。
 「こうやって視聴者を驚かせてやろう」、とか、「視聴者の心を鷲づかみにするような、巨大な感動を導き出そう」 とかいう野心がない。
 このドラマの作り手は、あくまであたりさわりのない、「見ていてほっこりする」 ということを究極の目標として、ドラマを構築しているような気がする。

 だから、語り口としては、とても優しいんですよ。 ナレーションですべてを説明してくれる、という側面もさることながら、このドラマは分かりやすく、見やすく、ただ視聴者の 「それぞれの朝」 に寄り添おうとしている。

 たぶん主人公の梅子はこれから、いろんな試練に立ち向かっていくことでしょう。
 視聴者はそれを応援する立場であって、対等に生きていく立場でいることは難しい。

 頑張れ梅子。 応援しています。

 というわけで、このドラマに関するレビューは、ここで終わらせていただきます…って、まだ早いか(笑)。 「うんにゃ早ぐね」 という幻聴も聞こえる気もいたしますが(爆)。

 で、なんとな~くダラダラと今週分のこのドラマを見ておったのですが(笑)、少々泣けてきてしまう部分がありまして(なにっ?!)。

 「医者になりたい」 ということを家族に告白したはいいのですが、梅子はとても、劣等生なわけなんですよ。 数学の基礎的な部分である 「因数分解」 などもまるで記憶になし。
 それは学徒動員で工場に駆り出されてばかりいたから勉学が疎かになってしまったことが原因だったのですが、まあ勉強してた子は勉強してたみたいだし。
 結局この 「戦争が原因による学力の低下」 は梅子が受ける医専(医療専門学校、かな)の試験の難易度を下げた、という、「劣等性の梅子が合格(?)」 というからくりを下支えすることになってはおりますが。

 いずれにしても今週の 「梅ちゃん先生」 は、その劣等生・梅子がいかにして医専の受験にまでたどり着くかを、すっご~くまったりと(笑)描いていくわけです。 テンポ悪(ハハ…)。

 でも、だからこそ通しで見ると(通しで見ないと分からないのはつらいが)梅子がいかに、周囲から劣等生として見られているかが見る側の胸に迫ってくるのです。
 父親の高橋サンは完全に梅子に期待してないから試験を受けること自体が無駄だと考えます。
 高橋サンは 「医者をなめてる」 とまで言い切る。
 試験まであと3カ月でこの状態では、さすがにそうだったかも知れません。

 けれどもそれまでのいろんなプレッシャーの中で受験勉強にいそしんできた梅子は、父親が思い切り梯子を外すようなその言葉に、とうとうこらえきれず、泣いてしまうのです。

 これは、この週梅子がどのように医専に受かるために頑張ってきたかを、とても丹念に(悪く言や 「まったりと」「ダラダラと」 なんですが…笑)追ってきたからこそ、梅子が慟哭するに至る積み重ねは、きちんとされているわけです。 「ヒロシや先週の死んでしまった女性を治療する父親の姿を見て、自分も医者になりたいと思った」 と告白する糸子…じゃない(笑)梅子の姿に、私は泣けました。

 これは、私が劣等生であったからこそ共感できた部分かもしれません。
 バカがバカなりに自分の持てる力をなんとか振り絞っている。
 なのに、誰も分かってくれない。
 いや、いちばん分かってほしい人に、それを全否定される。

 この悲しみは、優等生のかたには縁遠い感情であるかもしれません。

 いずれにしても冒頭に書いたとおり、このドラマの作りに野心的なところは見当たらないですから(笑)、こちらも見ていて号泣、というわけにはまいりません。

 ただこういう軽い感情でドラマを見ることもいいのではないか。
 気合い入れて見すぎなんですよ、特に私の場合(爆)。

 この場面、倍賞美津子サンが、それまでの役柄に準拠して少々冷たさを残しながらなのですが、高橋サンに楯突いて、梅子を応援すると言い出します。 これには南果歩サンもミムラサンも同調。
 ダメで元々、やってみなはれ、悪あがきでもなんでもいいじゃないか。 自分の持てる力を出し切って頑張る、ということが、その子の人生にはいちばんの宝となって残っていくのだ。

 つまりこの家族は、そりゃなんとなくお行儀が良くてよそよそしい関係かもしれないけど、でもこの家族なりの愛情、というものを持っている。

 家族なんか、みんなそれぞれ違うもんでしょう。 「ギュッギュやで~」 というストレートな表現でなくとも、ぶきっちょでもどこかに愛情が隠されている。
 高橋サンなどは、「これでもし受かってもそれはまぐれだ、受かったとしても、医専の勉強にはついていけないだろう」 などと冷たいことを言いまくっていますが、それも梅子のことを考えていればこそ。 先ほどの 「今年の試験はレベルが低い」 という噂話に内心小躍りする側面を、見せていますもんね。

 「どこかで見た話」、ではありますよ、確かに。 いずれも。
 でもまあ、目くじらを立てるほどのクオリティじゃないし(さりげなくけなしてるぞ)(失礼なヤツだ)。

 ホントこのドラマ、どこまでレビューが続くのか、我が事ながら興味が湧いてまいりました(ハハ…)。

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テレビ」カテゴリの記事

コメント

 リウ様、梅ちゃん先生3週目のレビューお疲れ様です。私はやっと、このドラマに馴染んできました。1週目は聞くと、見る気がなくなった主題歌も、この頃は「脱力系でいいかも」と思えるようになりまして。ほんわか、力を抜いて、主人公の成長を愛でる、そうしてると、穏やかな一日がはじまっていきます。懇切丁寧?なナレーションも、梅ちゃんじゃないけど、時々よそ見している視聴者(私のような)への配慮だと思っています。普通の朝ドラが帰ってきましたね。高橋さんの厳しいお父さんも本当は梅子がかわいいというのが丸わかりだし。梅ちゃん、ファイト!ドラえもんののび太を見ているようで、ちょっといらっとしてしまうこともあるけど、堀北さんのかわいさが補っていると思います。(笑)

投稿: ささ | 2012年4月21日 (土) 18時15分

リウ様、こんばんは。
緩いなと思いつつも「梅ちゃん先生」視聴継続中であります……。

鶴見辰吾氏扮する健造氏、闇市の顔役として家族とは異なるポジションで、梅子の家族をサポートしておりますが、今週ガセ品を掴まされたエピソード。
商売の為とはいえ、裏社会ギリギリの危ない橋を渡っていそうな雰囲気が、健造氏にはありますよね。

足下を見られ「舐められたら」生き馬の目を抜く闇市では恥をさらすので、騙した売人に制裁を加えた暗示が劇中に有れば、お芝居に深みが出そうですが。

あと救急救命の「トリアージ」ネタで、医者としての試練を受ける梅子のドラマが有れば。
蒲田という土地は、鉄道や工場が密集してそうで、昭和20年代の火事や事故をモチーフにした医者としての活躍場面に期待。

終戦後って、アクティブでエネルギッシュな雰囲気があるのに、劇中の蒲田駅前闇市は、何処かノホホンとしてますよね。
リアル梅子、引っ手繰り犯のカモで、幾度も被害に遭遇しそう。其れを写さないのが、朝ドラクオリティーって奴(苦笑)

投稿: M NOM | 2012年4月21日 (土) 19時29分

ささ様
コメント下さり、ありがとうございます。

いや、あまりお疲れではありませんcoldsweats01ゞ。 今週も、2時間くらいで書きあげました。 実に楽なものです。

SMAPの歌も、聞いていくうちにだんだんよくなるホッケの…あ、まあいや、気に入ってきました(笑)。 もう、今年の年末の 「紅白歌合戦」 の演出方法まで、目に浮かぶようです(笑)。

私、高橋克実サンの演技はもっと怖くていい気がします。 なんか人のいいのが垣間見えちゃう。

梅ちゃんにはドラえもんはいませんけど(笑)、娘を見るような感覚で(恋人じゃないのか)脱力しながら見たら、案外おしまいまで完走しちゃいそうな気がしてまいりました。

投稿: リウ | 2012年4月21日 (土) 21時00分

M NOM様
コメント下さり、ありがとうございます。

鶴見サンの演技というのは、このドラマの中ではいちばんスパイスになっている気はいたしますね。

南果歩サンから小出恵介クンをよろしく、と言われ、本人にも隠しきれずにすぐに正直に反応してしまう。 こんな正直で裏社会を渡っていけるのか?と思うのですが、実はこうしたほうが後腐れがないことを、直感的に判断しながらわざとばらしちゃってるのが分かる。

あまり社会的なネタで、このドラマは動いていかない気はいたします。

ドラマの核になるのは、ミムラサンや小出クンを絡めた家族全体の情の話から、患者との心の交流を中心とした、精神的な話が中心になるかと…。

それにしても 「ふたりっ子」 の岩崎ひろみサンとか、すごい無駄に出てくる気がしています(笑)。

投稿: リウ | 2012年4月21日 (土) 21時11分

ちょっと視聴率が落ちたみたいですね。

なんていうのかな、
見ていて朝からイライラするんですね。
他の登場人物はまだしも(小出くんと、鶴見おじさんはいいんだけど)、一番イライラするのが、主人公の梅子なんです・苦笑
ホワンとする感じを演技しているつもりかもしれないけど、つかみどころがなくて、それがイライラしちゃう。
単純に、私の性格が悪いだけかな?


「清盛」も、一番いらないのが主人公・苦笑
マツケンの演技力云々と前に書きましたが、
彼はむしろ、抑えた演技のほうが向いている人で、
わあわあ言い立てる少年マンガ的演技は苦手なんじゃないか、と。
こうなると、マツケンがどうのじゃなくて、キャステイングの問題ですね。

いまのままだったら、アホな理想主義者、ロマンチストで海外貿易に手を出した、って路線かな。
で、最後に「おもしろう生きた」とかで終わる落ち・苦笑

清盛は、日本に最初に貨幣制度を導入したくらいだから、もっと頭のいい人のはずでしょう。
怜悧な現実主義者として描いてほしかった。
だとしたら、マツケンも生きたのではと思います。

と、文句を言いながら、まだ見続ける気は、満々ですが・笑

投稿: マーシー | 2012年4月24日 (火) 09時05分

みてます。
まだ見てます。
と言うか。朝、NHKのニュースを見ているのでそのまま。

でも画面見ているかと言えば、見てたり見てなかったり(爆)

もうラジオドラマみたいなんですよ。派手なBGMとナレーションで、だいたい場面転換がわかるようにできている。

たぶん、それが今回の(あれ?今までの?かな、そうだったかな)朝ドラの構成なんでしょうね。

リウ様に補完していただけて助かります。

投稿: samantha | 2012年4月24日 (火) 10時12分

マーシー様
コメント下さり、ありがとうございます、

性格が悪いから?なのではなく、同性だからかと感じますsmile。 男は、こういうポワンとしたの好きですから(たぶん)。

つまり梅子の性格描写は、脚本家の尾崎サンの好みが多分に入っている可能性がある(笑)。

半年の長丁場を執筆していくわけですから、主人公が好きでなければ結構つらい。 朝ドラのヒロイン像は、男の脚本家の場合、あまりラジカルかつアグレッシヴに展開していかない傾向があると、勝手に感じています。
「ちゅらさん」「おひさま」 のヒロインは岡田惠和サンが作り上げたものですが、どことなく男性にとって都合のいい女性像が入っている気がする。
それに対して 「ちりとてちん」「カーネーション」 などは、同性の立場から、女性の地位に対する一家言を性格設定のなかにとり込んでいる気がするのです。

「ゲゲゲ」 の布美枝は、かなり男にとっても都合のいい女房でしたが、やはり脚本の山本むつみサンはそれを単純に性格展開していかなかったし、「出来た女房」 の先にあるものを見据えていた。 「まぁ、なんとかなーわね」 という楽観主義です。

対して 「平清盛」 の主人公清盛も、脚本家が異性であるがゆえに、ずいぶんご自分の男性への理想像が反映されちゃってる気がします。 どうして成長しないのかな、というと、永遠の少年だった、という結論だったりして(笑)。

投稿: リウ | 2012年4月24日 (火) 13時44分

samantha様
コメント下さり、ありがとうございます。

このドラマ、どうも音楽がオーゲサすぎる傾向にある気がします。
それは本編のギャグがうまく行っていれば相乗効果をもたらすのですが、堀北真希チャンのコメディ演技になんとなく迷いがあるようで、思い切りが感じられないために、BGMのオーゲサさだけが浮いちゃっている。

まあ、私のレビューもかなりはしょって補完と呼ぶには程遠い内容ですが、余計なことを難しく考えないで済むだけ、気楽なドラマと言えるかもしれません。

それにしてもどうしちゃったのかなァ、尾崎サン。 阿部寛サンとのコンビは、やはり相性が良かっただけだったのかな。

投稿: リウ | 2012年4月24日 (火) 13時54分

「どうしちゃったのかなァ、尾崎さん」のリウ様の言葉、私もホントにそう感じます。
そう思いながらもずっと見続けているのは、いつかどこかでハッとさせられるんじゃないか、自分にとって大事なものが出てきたら見逃しちゃいけない…みたいな気持ちがあるんですよね。

私「ちりとてちん」と「JIN」で失敗してるんです~。
今はどちらも私の中では大きな存在になっている大切なドラマですが、ちりとてちんは、第1回目にB子のスカートが車のドアに挟まれて破れ、その後お母さんの和久井映見さんが鼻をクンクンさせて引っ越し荷物の箱の中からスカートを探し当てるという場面が出てきた時に、あらま、こんなドラマなのかいとシラけちゃって早々と見なくなっちゃったんです。
その後再び見始めたのは、三味線の発表会でB子が裏方の照明係でA子たちにスポットライトを当てていた辺りから…。
その後は大ハマりにハマって、DVDも借りて、子ども時代のB子を見なかったことをすーごく後悔しました。。
「JIN」の時は、現代のお医者さんが江戸にタイムスリップだあ~??人気の役者さん使って荒唐無稽な話で話題集めか~??みたいに思ってたヒドイやつで(汗)、それがアダとなり、毎回の感動は相当先送りした後に味わうことになりました(笑)

だから、少しでも何か引っかかるものがあれば、見なければ!…と思って、尾崎さん脚本だし、梅ちゃんも見てるんですけど、、今回は尾崎さんのアタマの中だけで梅ちゃんたちが動いているみたい…。

そうそう、SMAPの主題歌とこぶ平さんのナレーション、結構好きなんです、私♪(笑)
でも、少数派なのかな~(^^;

投稿: ほとりん | 2012年4月27日 (金) 15時33分

ほとりん様
コメント下さり、ありがとうございます。

「ちりとてちん」、確かにしょっぱな、和久井映見サンのそういうシーンがありましたね(笑)。 「JIN」 も、私も 「どーなのよこーゆーの?」 と思いながら見始めたクチでして。

でもだいたい3週間もたてば、どういうドラマなのかは判然としてきますよね。

私はこのドラマ、梅子が医師になってからが勝負なのかな、と感じています。 尾崎サンはこういう、ドジでマヌケなヤツが医者になるとどういう取り返しのつかないことになるか、に焦点を合わせているとか(え~っcoldsweats02)。

というか、いかにもエラソーな医者ばかりのこの世の中で、患者の気持ちに立った梅子のような医者の必要性を説こうとしているのかも。

そのヒントは、SMAPが歌うこのドラマの主題歌の歌詞の中に、隠されていると私は踏んでいます。

この主題歌は、唯のノーテンキな歌とは違う気がします。

投稿: リウ | 2012年4月27日 (金) 16時24分

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