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2012年4月16日 (月)

「ATARU」 変なの…

 おそらく 「SPEC」 とか不思議感覚の刑事ドラマを狙っていると思われる、SMAPの中居クンの新ドラマ、「ATARU」。

 空港を降り立った中居クン、いきなり不審者同様のキャラを全開にしていきますが、これってサヴァン症候群、という、知的障害を持ちながらもある種の能力に異常に長けた人の設定らしい。 右手の指をしきりにキーボードを打つかのように動かし、歩きかたもおしっこを漏らしそうな子供のよう。 謎の男が中居クンのバッグに何かを詰め込み、去っていく。 その中居クン、どこかと英語で交信しているようです。 そしてパソコンの使用言語を交換するかのように、日本語でしゃべることを自らに設定しつつ、夢うつつのような状態で歩いていく。

 その彼がある爆発事件の捜査を独自に開始するのですが、それに絡んでくるのが刑事の栗山千明サンと北村一輝サン。
 すべてが大げさで、全開でスピーディでハイテンションなコメディを演じていくのですが、あまりに違和感ありすぎて、これがちっとも笑えない。
 これって金曜夜10時のノリだろう…。

 とりあえず話全体もリアリティとは対極にあり、こういうドラマが好きな人にはたまらんのでしょうが、ちょっと私は勘弁、という感じで、またまたリモコンの停止ボタンに指がかかったまま(笑)。

 展開もかなり強引で、そもそも中居クンがどうしてこの事件に首を突っ込みたくなるのかも不明、挙動不審としか思えないその中居クンの繰り出す断片的で不可解な単語をいちいち調べてしまう栗山サンのその動機もまったく不明。

 それでもなんとなく見続けてしまったのは、「チョコザイ」 というふざけた名前しか名乗ろうとしない、たぶんもともとの名前は 「アタル」 と思われる中居クンの挙動が気になってしまった、というのが理由です。

 事件現場にケチャップを口から吹いて倒れていたかと思えば、いきなり立ち上がってるし、それに驚いた栗山サンがほかのところと連絡しているすきに、またさっきと同じ格好で倒れてたりする。
 知的障害とは言え、完全に人を食ったような、実に実に 「ヘンな」 中居クンが、気になって仕方なくなってくるのです。

 笑えるのは、彼が 「んー」 と発する音の絶対音感がDであるとか何とか、音痴気味の中居クンを皮肉っているような展開が見られたり、「カレースープ」 を所望する中居クンに栗山サンが 「どん兵衛カレー味」 を持って来ると 「(これじゃない)」 というように拒絶したり(結局彼はそれを口にして日清食品への義理を果たすのですが)という部分。

 その過程で彼の繰り出すヒントが手掛かりとなって動き回る栗山サンたちによって、事件の真相が明かされていく。

 そしてリアリティと対極にあったこのドラマが一気に現実に引き戻されるのは、「事件の真相が分かってしまうと困る」 という被害者家族の事情。

 最初それは、その事件により死亡した男の妻であった板谷由夏サンの犯行なのではないか、と匂わせておいて、実は 「もし夫が自殺だったということになると、労災が降りなくなり、自分たちが生活できなくなる」 という事情が裏に隠されていた、ということをドラマは導いていく。

 この事件に首を突っ込むことで自分も警察を辞めるか辞めないかの自己判断に迫られていた栗山サンにも、それは身につまされる話であった、と感じるのですが。

 結局犯人は別にいたことが判明し、板谷サンはめでたく労災のお世話になるのですが、まるで結果的に、保険金詐欺と同じになっている皮肉が、ここには存在している。 勤め先をクビになるとなかなかに厳しい現実が待っている、という社会問題をあぶり出していたわけです。

 まあ第1回目で中居クンがどのような人物であるかが判明するはずもなく。
 彼の挙動が視聴を引き留める唯一の興味だとは感じます。

 ただ、ドラマ的になんかから騒ぎしているような展開って、必要なのかな~とも感じましたが。

 来週も見るかどうかは微妙ですが(今クールこればっかしや)、日曜劇場にしてはかなりの過激な作風だと感じました。

 あんまりこういうの、ふだん見ないんだけどなぁ、自分。

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テレビ」カテゴリの記事

コメント

瞬間視聴率20%超えだそうですよ。
最近のドラマでは珍しい数字ですね。

いや、見ていないのに、すみません・・・。

今夜の、堺さんの弁護士ものを楽しみにしています。
大好きな小池さんがどんな演技を見せてくれるかしら。

マーシー様
コメント下さり、ありがとうございます。

このドラマもですが、翌日の月9、「鍵のかかった部屋」 も18%だとか。 皆さんお好きなんですね(ひとごと…)。

「リーガル・ハイ」 ですね、ハイ(笑)。 視聴予定ではおります。

どうも 「カーネーション」 後遺症の彷徨が続いております。

一応見ましたよ〜。

「サヴァン症候群」の方を知らないので、適切な表現なのかどうか判別不能。
きっと個人個人多種多様な症状なのでしょうけれど、何とも言いがたいですね。

栗山さんと北村さんのやりとり、相手を押しのけて前に出るという演出が、うるさいというかうざいというか・・・
ここまでやらなくてもいいのにという気がしました。

「リーガルハイ」。
堺さん好きなので、私も見る予定でございます。

今晩は。

昨日から、コメントしようか、やめとこうか迷っていましたが、
やっぱり中居ファンとしましては、黙っているのは、辛いかなと。(笑)

多分、リウ様や、ここにおいでになる方がたの好みとは、違うドラマなので、
リウ様の評は、多分無理だろうと諦めていましたので、びっくりしました。

中居にとって、久しぶりのドラマ、TBSから脚本を提示された数本の中から、
これは面白い,これならぜひやりたいと選んだそうなので、ファンは期待して待っていました。

不安材料は、特殊な役柄と、惚れこんだ脚本が、現場でどんどん変更されると言う情報、(笑)
でも、彼が身を削ってやりたいと言ったドラマ、
どんな出来でも、受け止めて楽しもうと思っていました。

ドキドキの初回放送、私は、かなり満足の1時間20分でした。
テンポ良く、わき役も個性的、何より中居が可愛い。(笑)
難しい役なのに、表情をつけられないのに、可愛い。

普通の刑事ドラマとの違いを出す為に、ちょっとお笑いに走った所も有り、時系列も、あらら?な所も見られますが、一応OKの範囲です。

今、中居ファンは、リピート三昧です。
ATARU、何度でも見たくなる、魅力が有ります。

これから、あのシーンがどんな風に繋がるのか、
一話完結ですが、そこに、ずっと流れているアタルの生い立ちや運命が、気になります。

次回まで、中居ファン以外の、普通の視聴者の評判も、探しては、一喜一憂しています。
リウ様、もし出来ましたら、続けてのご視聴、よろしくお願いいたします。

rabi様
コメント下さり、ありがとうございます。

このドラマをレビューするにあたって私も、このサヴァン症候群という精神障害についてどう取り扱おうか、ちょっと迷いました。
ドラマを見ている時も同様の感覚。 なんか、笑っていいのか悪いのか、という感じですよね。

ただ、逆に腫れ物に触るようにすることで、却ってその病気のかたを差別してしまうのではないか、という考え方って、私のなかにはいつもあって。

だからそれは、あるものはあるがままに、可笑しいところは深く考えずに笑っていこう、と思うのです。

「リーガル・ハイ」…レビューを書きたくなるような内容でしょうか? 楽しみです。

勇者様
コメント下さり、ありがとうございます。

実はこのレビューを書いているとき、勇者様が中居クンの筋金入りのファンだったな~と考えてました(笑)。

そのつもりで書いたレビューですので、タイトルの 「変なの…」 というのは、栗山サンと北村サンの演技が変だ、という意味以外に、中居クンに向けて放った少々ひんまがったほめ言葉と受け取ってくださると、幸いです

中居クン8年ぶりの連続ドラマ、おめでとうございます。

rabi様への返信にも書いたのですが、こういう障害を持った人の役っていうのは、笑っていいのか悪いのか難しく思ってしまうところってありますよね。

でも中居クンの演技は、そんな 「受け取りかたがとても難しい」 人でも、普通の人と同じように接していくのが、本当はその人への礼儀なんだよ、と言っているように私には見えました。

つまり中居クンがその 「アタル」 という障害者を、とても愛をもって受け入れて演技しているように思えるんですよ。

子供のままの心を持ち、自分の興味のあることに並外れた関心を寄せていくって、なんてこのアタルという男は幸せ者なんだ、というような。

このドラマが進行していくに従って、このアタルがこれまでの人生で負ってきた傷が赤裸々になっていくのは必至かと考えます。 そのときのこの 「少年の心を持つ男」 の哀しみは、中居クンにとってとても演技のし甲斐があるところではなかろうか、と。

コメントを勇者様からいただいたおかげで、私もレビュー本文よりちょっと深い考察を書き加えることができました。 あらためて感謝いたします。

リウ様と同じく中居くんに関しては、頑張ってるなぁという感想です。
セリフが少ない分、動きや表情で表さなければいけないので、難役だと思いますが、このドラマに対する彼の思いが伝わってきますね。

>中居クンがその 「アタル」 という障害者を、とても愛をもって受け入れて演技しているように思えるんですよ。
確かにそういう感じでした。
まだ第一回めなので、いろいろな伏線をひきつつということなのでしょうから、今後に期待ですね。

「リーガルハイ」面白かったです。
堺さんと新垣さんのやりとり、堺さんのリアクションや表情の作り方が秀逸。
久々に笑えました。
小池さんも凛とした感じで知的な女性を演じてました。

rabi様
レス下さり、ありがとうございます。

「リーガル・ハイ」、見ました。 レビューを書きたくなる内容だったので、さっそく書こうと思いますが、仕事の時間までに終わらせられるかは今のところ微妙です(やってみなけりゃわからない…笑)。

栗山サンと北村サンのオーバーすぎる演技は、サヴァン症候群のもたらす負のイメージを払拭するためのものなのかもしれないですね。
変なこだわり(その方向が良くも悪くも)を捨ててこの変わった主人公を見ていくのが、もっとも適しているように思われます。

それにしてもどうも苦手な、事件ものばかりです…。 「リーガル・ハイ」 は殺人事件そのものがクローズアップされなくてよかったですが。

リウ様
暖かいレス、ありがとうございました。
中居ファンの気持ちも、考慮していただき、嬉しいです。(笑)

サヴァン症候群については、中居も色々勉強したようですし、障害者じゃなく、一つの個性としてとらえたいと。
最終的に、チョコザイの幸せを描ければ、と言っていました。

役の上の、仕草、動作などについては、
専門の先生や、身近に、そういう方が居る方からも、好意的な意見を聞き、ほっ、です。

中居ファンは、視聴率&録画率100パーセントですが、録画再生率も、3~4回、いやもっと多いかも。(笑)

画面に出てくる、小物など、ちょっとしたお遊びと、後に判る物語の、重要な伏線が、有りそうなので、リピートしては、新しい事がらを探しています。

初回、視聴率が予想より高かったのは、ファンとして、素直に嬉しいです。
中居は、役者だけでなく、広報、宣伝部長だし、裏方だし、プロデューサー、演出補助もやってますから、結果(数字)が良いのは、ドラマスタッフの、励みになると思います。


rabi様
ATARUにコメント、ありがとうございます。
中居の演技に、愛を感じていただき、嬉しいです。
彼の寂しげな後ろ姿も、ぜひ、注目してくださいね。


勇者様
レス下さり、ありがとうございます。

「8年ぶり」 などと書いてしまいましたが、ほとんどウィキ頼みで(笑)、正確には 「TBSでの連続ドラマが8年ぶり」 とするべきところでした。 お詫びして訂正いたしますゞ。

ん~、そう言えばこのドラマ、リピートして見るに耐える作りである気はいたしますね。

いちばん気になったのは、中居クンがどうしてこの爆発事件の独自捜査を始めたのか、ということでしたが、どうも誰かと交信している感じでしたよね。 FBIが絡んでいるのか、それとも村上弘明サンが絡んでいるのか。

中居クン以外の話で恐縮ですが、脇役陣も個人的に気になる人が大勢出ています。

栗山千明サンの父親役をやっていた利重剛サン。
ああ~この人、栗山サンくらいの年の娘を持つ父親の役かぁ~、なんて。 「父母の誤算」 という大~昔の(笑)ドラマでナマイキな高校生役をやってて、なんて嫌味なヤローなんだと思いながら見ていたのが、かれこれ30年かそれ以上前かと…(遠い目)。

カリガリ博士みたいな田中哲司サン。 この人を見ると枝野大臣を思い出してしまう今日この頃…(笑)。

千原せいじサンもいいポジションですよね。 中村靖日サンは 「ゲゲゲ」 での演技が忘れられないし、嶋田久作サンは 「帝都物語」 がいつまでも印象的ですが、この人すごいビートルズファンでして、とてもシンパシーを感じている役者サンです。 「ハゲタカ」 での演技も忘れられません。

かなり考え込まれたドラマなのでは、と思われてまいります。

今日は。
第2回を明日に控えて、ドキドキの今日、また、お邪魔いたします。

ATARUのプロデューサー、植田博樹氏が、このドラマを思いついたいきさつ、なぜ中居と仕事をしたかったか、
その一部が、雑誌などに載っていました。

ドラマ出演に消極的な中居が、数点の企画から、これをやりたいと選んだドラマ、
ファンは、そのことが、嬉しかったのですが、
今回、別のブログで、企画そのものが、初めに中居ありきだったと告白していました。

私は、直接その記事を読めないのですが(有料)
ファンサイトのブログに、詳しく載っています。

gooブログ「さくさく」
中居正広ナシでは一日が始まらない、終わらない・・・

アメーバブログ「あめんぼのブログ」
SMAPと中居くんな日々

どちらも、中居ファンの気持ちが判るブログです。
もし、お時間が有りましたら、ぜひ覗いてみてくださいませ。
痛いファンで、すみません。(笑)


ドラマの出来不出来に、それまでの経緯や、スタッフの意気込みなど、関係ないと言えば、それまでですが、
やっぱり、一生懸命な気持ちは伝わるし、画面に出ると思うので、
リウ様の、お心の広さに甘え、宣伝させていただきました。

勇者様
再コメント下さり、ありがとうございます。

のぞかせていただきましたよ。 みなさん中居クンを包むような感覚で勇者様の語りぶりと共通したところを強く感じました。

それと、あんまり好きになりすぎて、どうにかなっちゃいそうな切ない感情も、同時に感じました。 私も小学校時代に百恵チャンにマジで恋していた時のことが思い出されました

存在を自分と同化してしまうようなところが、私の場合はありました。 百恵チャンの気持ちになって考えちゃう、というような。 ご本人とはただの一度も遭ったことがないのですけどね。

中居クンのファンに共通しているのは、「自分たちはファンではなく、サポーターなのだ」、という感覚なような気がいたします。

だから中居クンが結婚しようがどうしようが、あくまでも彼を信じてついていく気がする。

私なんか百恵チャンが結婚しちゃったらそれでおしまい、みたいな感覚でしたから(一概にそうとも言えないか)、みなさんの彼に対する信頼度というものがものすごい気がいたします。

事件を追うだけの展開でなく、アタル自身のことをどのように見せてくれるのか、このドラマにはそこに期待したいと思います。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

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    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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