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2012年4月22日 (日)

「パパドル!」 アイドルとの夢を見るファンの権利

 雑食系もここに極まれりのレビューとなってしまいますが(笑)、「パパドル!」(TBS)を見て感じたことを書きたいと思います。

 このドラマの元ネタは、1987年の同局のドラマ 「ママはアイドル!」 であります。 見てました(笑)。
 もう四半世紀まえなのか…。 オレも歳食うはずだ…。

 当時はアイドルの中山美穂チャンが実名のまま出てきて、三田村邦彦サンと結婚。 三田村サンの、前の妻との間にいた娘に後藤久美子サン(なんで中山美穂が 「チャン」 でゴクミが 「サン」 なのかと申しますとただなんとなくでありまして…笑)。

 その設定は今回、ミポリンの(…)役に関ジャニ∞の錦戸亮クン、三田村サンの役に優香チャン。 つまり男女逆転しています。
 ゴクミの役は今回、川島海荷チャン、ということになりましょうか。

 それにしても今クール、ジャニーズ系タレントの主役ドラマがとても多い。 なかでもとりわけこのドラマは、主役がそのまんま本人だし(そりゃ名前だけでしょうけど)、しかもメリーサン?と思しき女性(財前直見サン)まで出てきて、事務所名もまんま 「ジャニーズ事務所」(そりゃ名前だけでしょうけど)。

 年の功で25年前に見たきりの元ネタドラマと比較してまいりますが、まずふたりの愛の巣となるべき優香チャンの実家はまるで大家族のゴミ屋敷風。 夫と離婚して昼夜働かなければ生活していけないの、ということを優香チャンが打ち明けていましたから、家事の手が行き届いてない、といったところなんでしょうか。
 対して25年前、三田村サンとミポリンの住んでいたところは、確か三田村サンの家だかマンションだったかと思うのですが、とても豪奢な現代風作りだった気がします。 当時はバブル期、いまは長引く不況の果ての日本。 この家庭環境の違いに感慨を禁じ得ません。 日本の国力の低下を如実に感じさせる。
 もしこれを25年前と同じ豪奢な住まいにしたとしたら、限りなくドラマのリアリティが欠如するのは必至です。

 もっと考察すれば、当時アイドル産業、と言えば金満のテレビ・メディア界のなかでも花形の職種だったと思う。 いまはスポンサーもつかない斜陽産業ですよ、エンタメを取り巻くすべての業界が。
 ただしそこんところは今回伏せられている気がする。 「自分たちはジリ貧です」 などと、テレビが自ら打ち明けるわけにもいかないのでしょう。 関ジャニと言えばアイドルでもトップクラスですから、彼らを取り巻く環境はまだまだ華やかなわけです。

 いや、やはりアイドルは華やかでなくてはならない、基本。

 でなければ、今回のようなドラマを作ること自体が無意味なわけですよ。
 アイドルは華やかなもので、みんなに憧れられる 「擬似的恋人」「プリンス、プリンセス」 でなくてはならない。
 だからこそこのようなドラマを見ることで、ファンの人たちは、自分たちももしかしてこんなことが起こるかもしれない、という夢を見させてもらうことができるわけです。

 ただそれが現実に起こってしまったらどうなるのか。

 25年前のそれは、アイドルが恋してしまうことの障害とか悲しみとか、そしてそれを受け入れる家族の葛藤が中心だった気がするのですが、今回同じことを取り扱いながらも、その内容はリアリティの度を深めている気がする。

 具体的にどこがどう、と考察出来ないのはもどかしいですが、たとえば今どきのアイドルは、ケータイとかネットとかツイッターで、かなり瞬時に裸にされてしまう危険に晒されているわけです。
 当時はそれは、写真週刊誌くらいの脅威でしかなかった。
 でも今どきの有名人は、常に行動を監視されているようなもの。
 監視なんて、ツイッターをする側は全く意識してないと思いますよ。 「ねえねえ今芸能人見かけたよ」 程度の軽い感じ。 でもそれが監視なんですよ。 これって今後是正すべきネットモラルのひとつだと感じますね。

 で、今回の場合、話が日本の現状とかアイドルの現状とかを前よりもさらに表現を深めている、ということになりますが、それでもそれをリアリティ深く見せてくれることで、ドラマを見ているアイドルファンは、さらに深く、「自分もこうなったらどうなるのか」 という疑似体験ができる仕組みになっている。 優香チャンって、そんなに自分自分って感じの演技をしないから、このドラマを見る女の子たちが彼女を自分に置き換えやすいメリットがある気がする。

 ただそのことを深く考えると、どうにも夢のない現実ばかりがつきつけられてくる気も、いっぽうではいたします。

 つまり、アイドルはアイドルを離れてしまうと、結局ただのひとりの人間なんですよ。
 今回のドラマではまるで赤西クンみたいなケースのなれの果てみたいな(ハハ…)元アイドルとして、城島茂クンが出てきます。
 彼も人気絶頂時に結婚をしてしまって、芸能界を追われる羽目になった。
 でもそこからが、ふたりの愛の形をどう結実させるか、という話になってくるわけですよね。
 アイドルとしてのカレが好きなのか、虚飾を取ったカレが好きなのか。
 城島クンの場合はこのドラマの中で、その後の人生を有意義に生きている。

 でもそこまでのケースを見せてくれることで、リアリティはますます深まってく気もする。
 アイドルファンは、アイドルとのこういう妄想を、夢として見る場を、このドラマで与えてもらっている気がするのです。

 ただのチャラチャラしたドラマかと思ったのですが、結構見ていて楽しめます。

 蛇足ですが。

 えなりかずきクン、夜中にサングラスかけて運転(しかもカーチェイス)っていうのは、ちょっとヤバいっスよ…。

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