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2012年7月28日 (土)

2012ロンドン・オリンピック開会式 ワタシ的にはなんと言ってもポール・マッカートニー様でしょう!

 いや~、オーラスのオーラスに来るとは。
 私の永遠のアイドル、ポール・マッカートニーの歌う、「ヘイ・ジュード」 が。
 ついひと月前ほどに、70歳になったばかりのポール。
 そりゃ相応に歳食ってますが、最近のポールの髪形のなかでは、いちばん好きですね、あの髪形(完全にミーハーチックな感想ですがお許しください)。
 ああいう、ミドルロング風なのがいいんですよ。
 ダークブラウンだった髪の毛の色は、うす茶色へと変化していましたが、これって染めてるのかなぁ?
 いずれにしてもファイナル・ファンタジーのキャラに出てきそ~な髪の毛の色で(笑)、すっごくいい感じです、ワタシ的には。

 なんの話って、そりゃアータ(笑)、ロンドン・オリンピックの開会式の話に決まってますよ!

 オーラスに登場した我がポール様が最初に歌ったのは、ビートルズの事実上最後のアルバム 「アビイ・ロード」 から、もっとも最後(から2番目)の曲、「ジ・エンド」 の最終コード。

 「そして最後には、君の受け取る愛は、君の作り出す愛と等価になる」。

 どーです? 深いでしょう。
 まさしく、「情けは人のためならず」、「人のために火をともせば、我が前明らかになるがごとし」、ですよ。

 ビートルズがこの言葉を、自分たちの活動のいちばん最後に据え置いたことって、とてつもない意味を持っている、と感じます。
 ビートルズは、大衆に 「愛」 を与え続けた。
 だからこそその愛を、こうして解散後40年以上たっても、彼らはファンから与え返されているのです。 ビートルズファンが途切れることなく連綿と生まれ続けているもっとも大きな要因が、ここにあると私は考えています。

 で、そしてこの歴史的名文句の曲が終わって16秒あとに、オマケのようにポールの弾き語りの曲 「ハー・マジェスティ」 で、「アビイ・ロード」 というアルバムは幕を閉じるのですが、「女王陛下」 を 「プリティ・ナイス・ガール」 と歌ったこの曲。 今回この開会式の場で歌っていれば、イギリス式ユーモアの最たるものになったでしょうが(笑)それはせず、ポールは自分でも明言はしていなかったけれどもこの曲を歌う、と匂わせていて、おそらくこの曲が歌われるだろう、と衆目の一致したところであった、「ヘイ・ジュード」 を続けて歌い出したのです。

 この曲は元々、ジョン・レノンがオノ・ヨーコと一緒になってしまったことで悲しい思いをしていた、ジョンの元妻シンシアとの間の息子であったジュリアンを慰めるために、ポールが作った曲(ビーファンの間では常識中の常識ですが)。
 こういう曲を浮気の当事者であるジョンを交えて、ポールがジョンの前で歌ってしまうところが、実はビートルズの固く固く結ばれた友情を何よりも証明しているのです。

 歌詞の内容も、「悲しい歌もよくしていくことができるんだ」、という、これまたポールの、ポジティヴシンキングの先駆とも呼べる思想がこの曲には詰まっています。 まあちょっと、歌詞間違えてましたけどね(笑)。 ご愛嬌ご愛嬌。 また、最初のほうではちょっと音声がダブっていたような感じ。 こういうミスも、そつなくこなされるよりよほど味があっていいし、語り草になる。

 ここで重要だと思われるのは、この曲がここで今歌われたことで、現在経済的に危機的状況にあるユーロ圏を励ますニュアンスを、「ヘイ・ジュード」 という曲は新たに獲得したと読み取ることができる点です。

 ビーファン的には、このロンドンオリンピックの開会式で重要な役割を果たした鐘の音も、ジョン・レノンの 「マザー」 という曲のイントロを強烈に連想させます。

 その象徴的な鐘が、ポールが歌う 「ヘイ・ジュード」 の合間に、大映しにされる。

 まさにビーファンのイメージ的には、亡くなったジョンが、ポールと一緒にその場にいるような、ものすごい感慨を生み出すわけです。

 そしてこの、「自分の母国で行なわれるオリンピックの舞台」 という、そんじょそこらの運では獲得することのできない舞台に、ポールが存命中に立つことができた、というこの奇跡。

 オリンピックの開会式で行なわれたさまざまなパフォーマンスも、ポールの舞台のお膳立て。 いな、ポール(そしてビートルズ)が、イギリスという国に対して成し遂げた業績に対する最大級の賛辞が、このオーラスの舞台には込められている。

 そういう感動。

 生きててよかったなぁ~。 ポールが。

 今度は、私が生まれる前の年に開かれた東京オリンピックを、私が生きているあいだに実際にこの目で、再び東京で開催されるのを見る番ですねっ!(ど~だろう…)。

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ビートルズ」カテゴリの記事

コメント

熱帯夜で眠れぬ夜を送った中、初回よりオリンピック開会式を堪能致しました。
その後、腰を捻ってしまい、猛暑には辛い状態となり、即、整体治療に直行。

自分が惹き付けられた場面は……
・英国国歌を手話コーラスする聴障の子ども達。

・「Mr.ビーン」ローワン・アトキンソン氏のパフォーマンス。

東京オリンピック。
「愚兄賢弟」の兄貴知事が国威高揚の発露として、大会招致に熱心な様子ですが、空威張りのマッチョな政治姿勢からでは、自分が挙げたロンドン五輪開会式、前者のパフォーマンスは望むべくも無いかもしれません。

ポールの「ヘイジュード」流石。
ビートルズで存命のジョージ・ハリスン? も同じステージに立っていれば、世界はもっと拍手喝采を送った事でしょうね。

M NOM様
コメント下さり、ありがとうございます。
この暑いなか、大変でございましたね。 暑中お見舞いかたがた、お見舞い申し上げます。

私は夜勤から帰って来てから見たので、選手入場の途中から、でした。
夜中も暑い、というのはまさに異常です。
人間の住むとこじゃなくなってきた気がする。
暑さで人が死ぬ、などということ自体が、あってはならない、と感じます。

などと、こちらも熱帯気候に負けぬ熱さで語ってしまいましたが、M NOM様も石原都知事には結構辛辣ですね(笑)。

私はかの都知事に対して、なよってばかりで外交的にマイナスポイントを重ねている政治家よりは、頼りになる、と感じています。 政治家には、ある程度の 「押し」 が必要なのではないでしょうか。 石原サンは政治家じゃなくて都知事ですけど。

まああまりに極端すぎる部分も多々ありますから、それは私も受け付けませんけどね。

でもどこかで、東京のオリンピック誘致は、東京の都市としてのあり方を、未来的に転換していく一つの契機となっていくような気がしています。

暑さ対策もそうですが、この国はもう、抜本的な部分で都市計画を見直さなければならない時期に来ている、と感じます。

つまり、風通しを悪くする高層マンションをこれ以上建てない(もしくは低層に転換していく)、熱をこもらせるアスファルトで地表を覆うことを無くす、緑地化を革命的に進めていく。

東京オリンピックは、そんな都市計画の大転換を考える、大きな機会になるような気がするのです。

まあ、ただ誘致して国威発揚で終わり、というのでは、意味がありませんけどね。

リウさま
こんにちは

いやあ、開会式、楽しませてもらいました。
女王陛下に、映像の中とは言え小芝居させる。本物のロンドン・フィルの中にMr.ビーンを紛れ込ませる。オープニング映像のバックに、王室を侮辱すると放送禁止になったSex Pistolsの「God Save The Queen」のイントロが。しかも「God Save The Queen!」の歌い出しのところでぶった切ってたのが密かにウケました。

イギリスの歴史紹介のコーナーも、産業革命のところは、ピンク・フロイドあたりがPVで作りそうな、めちゃ手間暇と金をかけた欝ワールドが全開でした。さすが、国営放送で「モンティ・パイソン」などという番組をやる国です。

でも、こういうことをオリンピックの開会式という国家の一大イベントでやってしまえるとうのは、それだけ、自国の文化や歴史に対する信頼が揺るぎない、ということでもあるわけで、ある意味、大変「イギリス」らしい開会式だったのではないかと思います。

ポールの「ヘイ・ジュード」と鐘の音についての考察、流石に、年季の入ったビートルズファンでいらっしゃるリウさまならではだと思います。確かに、今、この時期に、「ロング&ワインディングロード」でもなく「レット・イット・ビー」でもなく「ヘイ・ジュード」というのが、感慨深いですよね。

オノ・ヨーコさんがジョン・レノンの伝道師となっているが如く、最近のポールは、ビートルズの音楽やメッセージを、自分が歌える間に、できるだけ多くの人に伝えていくことを自らのミッションにしているのではないか。そんな気がします。

しかしですね、もし、東京に再びオリンピックが来たとして、開会式、どうなるんでしょ?最近は、オープニングアクトはどこの国も一番力を入れますからね~
○K○とか○○○イ○とか出るんでしょうか?個人的には余り観たくないけど、それが現在のこの日本の国柄なら、それはそれで仕方ないんかいなぁ・・・

Zai-Chen様
コメント下さり、ありがとうございます。

Mr.ビーンとサー・サイモン・ラトルの共演は、私もダイジェストでチラッと見ましたが、ラトルも結構役者やのう~という感じでした(笑)。 あとはイギリスと言えばダブルオーセブンですが、そちらはどうだったでしょうか?

サーと言えば福原愛チャン…じゃなくってポールも、サーの称号を受けてるんですよね。

それにしてもセックス・ピストルズが駆り出されるとは(イントロだけ…笑)。 私はパンクには興味がなかったので、結構疎いんですが、ジョン・ライドンが本当はビートルズ好きだった、というこぼれ話は知ってます(笑)。

Zai-Chen様はパンクやプログレもお聴きになるみたいですね。 私ゃ~結構その点保守的でしょうか(笑)。 雑食系か(笑)。
まあビートルズもストーンズなどよりずっと不良だったと思うんですが(中産か労働かの階級のことを言ってますけど)。

そうだ! これに比べると東京オリンピックを開催するときに、演出がすごく困りますネ!

まさにAKBみたいのしか、いまの日本にはいないですからね(伏字という手段を使えないあからさまな私です…笑)。

そう考えたら、いまの日本では、日本のミュージック・シーンの貧困さを世界にあからさまに暴露してしまう開会式の方法は、絶対取ってほしくないですね

「攻殻機動隊」 みたいな、サイバーパンクを会場中に張り巡らせるとか?(笑)

それを言うなら 「ブレードランナー」 か…。

リウ様、お暑うございます!!

 今年のこの暑さは本当に耐えがたいですね。暑さで人が死ぬ気候だ゙なんて、異常です。昔は夕方になると母達が打ち水をすると涼しい風がほっとさせてくれたものですが、今ではちょっとの夕立ではかえってその後の蒸し暑さが酷い事になってしまいます。

 さてオリンピックですね。前回の東京オリンピックの翌年にリウ様はお生まれになったのですね。オリンピックが東京に来た年、私は19歳、女子大2年生でした。大昔!!

 1ドル360円の時代、海外旅行なんて簡単に行けないし考えた事も無かったように思います。
戦後からの復興に頑張っていた日本でしたね。「オリンピックが東京に!」と何だかわくわくしたように思います。

 私は現在の駒沢オリンピック記念運動場の売店で生まれて初めてのアルバイトをすることになりオリンピック期間中その雰囲気にどっぷりと浸かっていました。他校の大学生との交流もできて本当に楽しかったです。 駒沢では確かホッケーの試合があり、インドだかパキスタンの選手が男性なのに長い髪を三つ編みにして白い紐のようなもので結んでいたのを憶えています。もしかするとターバンだったかも。

 外国人も珍しかった頃ですが、世界に若者が目を向ける良い機会ではあったように思います。

 現在の厳しい経済状態や何時来るかわからない地震の危険などもあり再度東京でオリンピックをやっていいものかどうかは色々な意見があるようですが、世界中から色々な人達がやって来ると言う事は若者達が異文化に触れるとても良い機会であることは確かだし、やはり楽しいお祭りですよね。

 アスリート達の真剣勝負は見ていて気持ちの良いものです。努力する姿に勇気ももらえるし。

 そう言えば 「平清盛」私は楽しんで見ていますよ。何時も楽しく読ませていただいております。

ゆみ様
お久しぶりです。 コメント下さり、ありがとうございます。

さて、暑中お見舞い申し上げます、ですね

こんな暑いなかでみなさん節電なんかしてるから、ばたばた人が死んでいくような気もいたします。
つまりこれって、節電を叫んでいる政府による、間接的国民の虐殺?
いや、かのドジョウ殿は、「原発が稼働しないと大変なことになる」 などと、国民を恫喝するのが大好きなお方ですから、ドジョウロジックで言うと 「国民よ、アンタがたが自分で自分の首を絞めてるんだよ」 ということになりますでしょうか。

私が小学3、4年くらいの頃(1973、4年、ということになります)横浜に遠足に行った際、ガイジンサンを見つけては私もハイテンションになって(笑)「ハローハロー」 と声を懸けておりましたね。 ガイジンサンはあの頃でもまだ、珍しかったです(笑)。

ましてやビートルズが来日するまだ2年も前、1964年ともなれば、やはり世界中の人々が集まっているのは、そりゃ壮観でしたでしょうね。

駒沢公園には私も時々参りますよ。 近所ですので(でもないか、車で10分、歩いて40分程度、かな?)。

まあそのお隣にある、国立病院に用があるんですけどね、たいがい。

現代の若者たちは、海外留学とかに、あまり興味を示さないみたいですね。
そんな風潮に、オリンピックというのは風穴を開けるような気は、するのです。 若者が世界を意識する機会、ですよね。

「清盛」 のレビューは、疲れます(笑)。 早く終わってくれないかな(いや冗談です…笑)。

↑の方のひと。
ビートルズで存命中なのは、リンゴ・スターでしょ。
ジョージ・ハリスンは亡くなってます。

あのね様
ご指摘くださり、ありがとうございます。 いや~、私も気付きませんでした、私が指摘していればよかったですね。 もしジョージが存命ならば、という意味で読んでしまっていました。 アリガトネ

リウ様
こんばんは。
遅くなり、今さらですが(もう、ご存知でしょうが)、ダブルオーセブンの今回のミッションは、女王陛下のエスコートでした。

ダニエル・クレイグ氏がバッキンガム宮殿(本物です)に赴き、女王陛下のお部屋(これも本物です)から陛下(勿論、本物です。くどいですね(笑))をお連れして、ヘリコプターに乗り込み、会場上空からパラシュート降下(スタントですよ。当たり前か)。開いたパルシュートにはユニオンジャックが、というのはお約束です。以上、ここまでが映像で、その中と同じお召物で、リアル女王陛下がスタジアムに登場、というなかなか洒落た登場の仕方でした。

まあ、来るべき東京オリンピックでは、絶対無理な演出ですけど・・・

総合演出が、ダニーボイルさんだけあって、映像がふんだんに使われた開会式でしたね。
氏の出世作「トレインスポッティング」のワンシーンも流れたましたが、この映画の内容考えたら、よう使ったなという感じです。
まあ、それを言うと、ダニーボイルという、ひと癖ある映画監督に総合演出を任せた時点でそうなんですけどね。

東京の場合は、石原都知事閣下が、もし開催のあかつきは是非に、と、蜷川幸雄さんに頼んだとか・・まあ、長野オリンピックは浅利慶太さんでしたし、順当な
人選なのでしょう。

Zai-Chen様
ご回答くださり、ありがとうございます。

いやいや、ご存知じゃなかったです(笑)。 お知らせくださって、「ああ、ポールが出ていたところだけ録画したやつを残して、あとは削除するんじゃなかった」、と後悔しております。 だって4時間以上もあるんだもん(笑)。 HDD不足に悩んでいるので、不要なものは切ってしまう癖がつきまくっていまして。

ダニー・ボイルと聞いて、スーザン・ボイルも出てくるかなーと思ったのですが(ただのボイルつながり…笑)、いきなりオリンピックの場で奇行をされても困るでしょうし(笑)。

東京でやる場合は、やはり日本の古典なんかを大々的にフィーチャーするしかないですよね(ハハ…)。 フジヤマゲイシャハラキリ(…はないか)。 大名行列(爆)。

そして最後は、「スキヤキ」 でしょうか?(嗚呼…これしかないのか?)。

でも東京オリンピックの仮想開会式を考えているだけで、なんか日本を世界にどうアピールすればいいのか?という意識が、盛り上がってくる気がいたしますよね。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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