« 「SHERLOCK」 第1シーズン 登場人物の全一体性 | トップページ | 「平清盛」 第24回 「清盛の大一番」(6月17日放送)を見て »

2012年7月22日 (日)

「FNS27時間テレビ笑っていいとも!」 タモリ・さんま・たけし・鶴瓶の深夜トークを見て

 フジテレビの27時間テレビとか日テレの24時間テレビとか、基本的にどうでもいいんですが、フジ27時間の深夜にやっている明石家さんまサンとSMAPの中居クンがやっているコーナーだけは見たり見なかったりしていました。

 それが今年は、タモリサンが総合司会なうえ、ビートたけしサンも参戦するとかで、私みたいなオッサン世代には、それだけで食指がかなり動くわけであり。

 番組ではこのさんま・たけし・タモリを合わせてビッグ3などと称しておりましたが、ここに入っている鶴瓶師匠も忘れてないですかね。 ビッグ4でしょ。

 いずれにしても、1980年あたりからこのかたがたは、お笑い界のトップに常に君臨しているわけであり、そこから派生しているお笑いの定義というのが、この30年というもの、あまり煮崩れしていない印象を受けるというのは、返す返すもすごいことです。

 このかたがたのほかに、「テレビの人気者」 として 「お笑い」 というカテゴリーに長くとどまっている方々と言えば、このほど文枝を襲名した桂三枝師匠、堺正章巨匠くらいではないでしょうか。

 今回この巨頭たちが深夜に会しているのを見て、昔感じていた感覚が戻ってきたと同時に、月日も流れたなあと思いました。

 つまり、ビック3とかなんとかいいながらテレビ局が一緒に仕事をさせていて、常にその力関係が垣間見えていた、という昔の記憶。
 たけしサンとさんまサンのお笑いのベクトルと、タモリサンのお笑いのベクトルって、違うんですよね。
 だからこうして会して会話をさせると、どことなくタモリサンが会話のなかに入っていけないようなもどかしさがある。
 だのに、さんまサンとタモリサンをふたりきりで喋らせると、面白い。
 これって面白い現象だなーと、昔っから考えていたんですよ。

 たけしサンとさんまサンのお笑いって、結構おふざけ型ですよね。
 ツッコミ型、とも言える。
 たけしサンの場合さらに、そこに浅草系の作り込んだお笑いを作りたがる傾向がある。

 ところがタモリサンのお笑いというのは、冷静沈着型で、受け止め型。
 でも、ボケという役割を、積極的に行使していない。
 頭脳型、知能犯的お笑いだからです。 ボケて自分がバカになることを、よしとしない。

 だからたけしサンとタモリサンというのは、合わないんですよ。
 たけしサンは作り込みながらおふざけをしたがるのに、タモリサンは冷静だから。
 だから突っ込んでくるたけしサンに対して、タモリサンは上手に反応が出来ない。 いや、反応すること自体を拒絶する傾向にある。

 ところがさんまサンは、そこらへんがすごく柔軟にできていて、相手に合わせたツッコミの仕方が出来たりする。
 だからさんまサンとタモリサンをふたりきりでしゃべらせると、そこに知的な化学反応が出来て、面白くなると思うんですよ。

 ここに鶴瓶サンを絡めて論じますが、鶴瓶サンというのは、傾向的にはボケとツッコミが同居しているような感覚がする。
 それは鶴瓶サンが、生粋の落語家だからでしょうね。
 落語では両方の役割を演じなければならないから。
 だからこの3人に絡めると面白そうな気がするのですが、意外とそういうベクトルに向いていかない。

 それはなぜかというと、鶴瓶サンは比較的、幇間(タイコモチ)的な性格を有しているからではないか、と感じます。
 相手を持ち上げながら転がしていく、という傾向にある気がする。
 だからこのビッグ3を持ち上げながら会話に割り込んでも、意外と面白くなっていかない。

 ただ今回、この深夜のビッグ対談を見ていて感じたのは、特にタモリサンの側に、昔ほどの変なこだわりがなくなって、たけしサンの立場を理解しているような変化が見られたこと。

 これはタモリサンが大昔ダイキライだと公言していた小田和正サンとかに対するこだわりが、いまはさほどなくなっているように見えるのと同じことなのかな、と。

 まあありていに言えば、人間丸くなったのかな、と。

 と同時に、たけしサンの側にも、タモリサンとは絡みにくい、という態度を見せながらも(だって会話のあいだじゅう、ほとんどさんまサンのほうを向いてましたからね)、どことなくタモリサンとはじっくり話し合ったら結構話が合いそうだ、と感じているような部分を垣間見ることができた。

 …ただですね。

 これってみ~んな、私のすっごく個人的な感想ですからっ! ザンネンっ!(ハハ…)。

 って、古~いギャグをかまして思ったのですが、今のお笑いの人たちがタモリサンたちみたいに、はたして30年後も生き残ってるでしょうかね?

|

« 「SHERLOCK」 第1シーズン 登場人物の全一体性 | トップページ | 「平清盛」 第24回 「清盛の大一番」(6月17日放送)を見て »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

リウさま。こんにちは。
実は27時間テレビ観てないのですが、「お笑いBig3」の話になると世代的につい口を挟みたくなりまして・・・

たけしサンとさんまサンの会話にタモリさんがはいっていきづらく見えたという現象、興味深いです。リウさんご指摘のように、3人の芸のタイプの違い、というのも確かにありますよね。で、私はそれに加えて、3人の芸人としての出自も大きく影響しているのではないかと思います。

さんまサン、たけしサンが吉本、浅草という伝統的な「お笑い芸人養成システム」から出てきたのに対し、タモリさんは、強烈に面白い素人が大きな存在になってきた感じ。その違いは、3人の芸風や活動領域をかなり色濃く規定しているのではないかと、そんな気がするのです。

さんまサンとたけしサンが顔を合わせると、とにかくおちゃらける、というかその場を笑わそうとするのは、これはもう修行時代に刷り込まれた芸人としての本能みたいなもんでしょう。だから、たけしサンは、「世界のキタノ」になった後でも、被り物手放しませんし(笑)、極端な話、この2人は、どんなに落ちぶれ果てようとも(ほぼ有り得ませんが)、地方のスーパーの駐車場ででも、ベタなお笑いをやり続ける、そんなタイプの芸人だと思います。

タモさんの笑いは本来、批評家的というか自分の世界観に同調する人だけが受ければいいというものでした。それが、時代にシンクロしたおかげもあってここまででかい存在になったわけですが、今でも、自分に興味のない人や物に対してはおそろしくあっさりスルーするMCの様子を見たりすると、ああ、この人の根っこがアマチュアリズムにあるのは変わんないな、と思ってしまいます。たけしサンやさんまサンなら、どんな対象でも、とりあえずいじったり、食いつたりしようとするのとは対照的に。

なんだかタモリさんの芸人としてのスペックが、他の2人より受け取られたら困るのですが、そうではありませんよ。「タモリ」という巨大な素人が、因習の中でカビをはやしかけていたそれまでの日本のお笑い文化を揺さぶり、新しい空気を入れたおかげで、その後の「MANZAIブーム」、ということはたけしサンやさんまサンが世に出る道筋をつけたんじゃないか、と思っていますし。タモリさん初期の「4カ国語麻雀」「北京日本語放送」のネタを初めて見たときの衝撃は忘れられませんもんね。

飽くまで噂ですが、タモリさん、この27時間の司会を花道に、例の長寿帯番組を降りるという話もあるとかないとか・・・もしそうなったらなったで、以前のような密室宴会芸を、こっそり深夜にやってくれる番組、つくってくれんかなぁ・・・などと夢想しております(笑)

投稿: Zai-Chen | 2012年7月22日 (日) 13時15分

今回は単純に懐かしかったですが、やはりBIG3を繋ぎとめていたのは逸見さんなんだなと改めて感じました。お笑い論とかではなく、あの3人だけになった時の間がもてない感は逸見さんの喪失感だと思います。BIG3のゴルフが無くなったのもタモさんのせいでもなく逸見さんかな、あの3人の程よい粘着剤は逸見さんがBESTかなと思います。BIG+1みたいな…

投稿: | 2012年7月22日 (日) 20時42分

Zai-Chen様
コメント下さり、ありがとうございます。

「笑っていいとも!」 というのは、アンダーグラウンドな笑いの質で売っていたタモリサンを真昼間に引きずり出した、という点で、とても画期的な番組でしたけど、もうタモリサンの役割は終わった、と強く感じますね。

つーか、もうそれって、ずいぶん前から感じてはいるのですが(笑)。

私は相変わらず 「タモリ倶楽部」 だけは毎週欠かさず見ているのですが、タモリサンのやりたいことって、もうここにしか残っていないような気がする。

「ブラタモリ」 もあるだろ、という気もいたしますが、あれはNHK的な教養の押しがちょっと鼻につく部分がある。
おそらく 「タモリ倶楽部」 でも、タモリサンは街歩き篇では学術的にもっと突っ込んだことがやりたいのでしょうけど、これがNHKになってしまうと、ちょっとやりすぎている(しかも笑わせようとする方向が優等生すぎてわざとらしい)、という印象を受けます。 テレ朝とNHKの中間的なスタンスが、タモリサンにいちばん合っている気がするのです。

個人的には、タモリサン的なお笑いが、いちばん私には合ってますネ(笑)。
たけしサンは未だに、顔面を見ているとなんとなく、…これは表現的には不適切ですけど、身障者に対して少し気遣ってしまう、そんな気持ちに似た感情を抱いてしまう。
実は私も帯状疱疹で顔の左半分の神経が麻痺してしまって、軽~いたけしサン状態なんですが(笑)、結構きついですよ、アレって。 特に笑うと顔がひきつったようになる。 力がいるんですよ、笑うのに。

さんまサンはこの歳になると、「ア~うるさいな~」 と思うことが多い(爆)。
でもすごいですよ。 たけしサンにもさんまサンにも、私は敬意を払います。
さんまサンがいなくなったら、この世は何十ルクスか確実に暗くなる、と本気で思ってます(笑)。
本文にも書きましたが、あんな柔軟なお笑いが出来るのは、さんまサンしか思いつきませんね。

なんか、ドリフとかコント55号とかひょうきん族とか赤塚不二夫系(タモサン)とか、私たちはお笑いに関して、とても恵まれた時代に生きていたような気がします。

投稿: リウ | 2012年7月23日 (月) 07時42分

??様
コメント下さり、ありがとうございます。

逸見サンの存在感、というのは、失って初めてその大きさが分かるようなタイプでしたよね。

考えてみればそういう、タレント同士のジョイント役というのが、逸見サン亡きあと、テレビ界から消えてしまったような気がいたします。
ジョイントする人がいないから、各自がばらばらに拡散して行動しだして。
逸見サンがいなくなって、秩序がなくなって、テレビがつまらなくなった。

??様のご指摘、卓見だと思います。

投稿: リウ | 2012年7月23日 (月) 08時27分

リウ様、こんばんは。
27時間テレビ、自分も視聴してませんでしたが、一言宜しいでしょうか?

堺 正章氏(師匠と呼ぶのが、微妙に違和感有り)の場合、井上 順氏とのゴールデンコンビによる、軽妙洒脱なボードビルスタイルが持ち味で、寄席や高座の笑芸とは一味違いますよね。

所謂「擽り」で笑わせる芸風で、常に強い刺激を求められるテレビ演芸に比べると、傍流の笑いに感じます。

それにしても、風聞で聞いたタカ&トシの公開プロポーズ。
玄人と素人の境界線を取っ払ってしまった、萩本 欽一氏の所謂「素人弄り」芸が行き着くところ迄行ってしまったかと、慨嘆させられる部分が有ります。

節度無きイケイケドンドンの笑芸に乗り切れない自分は、時代遅れだなと自覚させられます。

投稿: M NOM | 2012年7月23日 (月) 20時23分

M NOM様
コメント下さり、ありがとうございます。

いつぞやは小野ヤスシサンと地井武男サンのことをあらためて記事にするなどと申しておきながら、そのままになってしまい誠に申し訳ありません。 実は書いたんですけど、ちょっとありきたりな内容になってしまったので、そのまま放置してしまいましてcoldsweats01

で、M NOM様ご指摘の堺キョショーについてなんですが。

実は私も堺サンを 「お笑い」 のカテゴリーに入れるのには、ちょっと躊躇いたしました。

ただ、堺サンの看板番組 「チューボーですよ!」 を毎週見続けていて、「この人って面白さが衰えないな」、というのを如実に感じていたもので。

お笑いタレントというのは、実にその旬が限定的である、と私は感じています。

特に 「テレビに出続けていながらお笑いの質を低下させない」 というタレントさんというのは、極めてまれです。

寄席でネタを披露してる芸人さんの面白さが衰えない、というケースは、ままあるんですけどね。

やはりテレビに出る、というのは、自分を切り売りする作業だ、と感じるんですよ。

そう考えると、堺サンの面白さがいまだに衰えていない、ということは、私にとってはとても驚異的に映るのです。

まあ、「チューボーですよ!」 限定なんですけどね。

で、あえて敬意を表して、「お笑い」 のカテゴリーに入れさせていただきました。

ただM NOM様ご指摘の通り、現代のお笑いというのは、内輪ネタ系、ハプニング系、というのに少々頼り過ぎているきらいがありますし、その源流を訪ねると、このビッグ3とか欽ちゃんとかに行きあたってしまう。

更に破壊的なダウンタウンとか、理知的な部分を展開させている爆笑問題とか。

でもそういうのを見ていても、私なんかも、面白くないんですね。

これってお笑いの先人達が、あまりにエキセントリックに笑いというものを追求しすぎた弊害だ、とも思います。

万人受けするお笑いこそが、真のお笑いである気は、するんですけどね。

投稿: リウ | 2012年7月24日 (火) 08時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521783/55252372

この記事へのトラックバック一覧です: 「FNS27時間テレビ笑っていいとも!」 タモリ・さんま・たけし・鶴瓶の深夜トークを見て:

« 「SHERLOCK」 第1シーズン 登場人物の全一体性 | トップページ | 「平清盛」 第24回 「清盛の大一番」(6月17日放送)を見て »