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2012年9月 8日 (土)

仮面ライダー 「フォーゼ」 と 「ウィザード」 の方法論

 最近 「平清盛」 専用になってるこのブログですが、久々に仕掛けるのは 「仮面ライダー」 の記事。 振り幅大きすぎ(笑)。

 平成ライダーというのは、もともとそんなに留意して見ていなかったのですが、ここ数年はずっと見ています。 「電王」 からは欠かさず(笑)。
 で、ちゃんと見始めて気付いたのですが、平成仮面ライダーは、なにしろ設定が複雑すぎる。
 ただ、設定が分かりにくいけれども、話はだいたい勧善懲悪ものだから、子供たちでも分かるとは思うのですが。

 いわゆる子供番組において、こうした設定の緻密さが要求されるようになったのは、私が考える限り 「新世紀エヴァンゲリオン」 の影響が大きいように思われます。
 もちろんその淵源をさかのぼれば、「ウルトラセブン」 あたりに行きつくと思われる。 そしてSF作家たちが積極的に企画に携わった 「宇宙戦艦ヤマト」、さらに 「機動戦士ガンダム」 を経て培われてきた土台というものがある。
 ただその設定のカルト的な膨大さにおいて、「エヴァ」 の及ぼした影響というものは計り知れないように思われるのです。

 このところの平成ライダーは、だいたい9月が新旧交代月なのですが、このほど終わった 「仮面ライダーフォーゼ」 は、この 「複雑すぎる設定」 という特徴を踏襲しながらも、実はそれをオモチャにして楽しんでいるような傾向を、私などは感じていました。

 つまり、「複雑な設定」 そのものに、今回自分たちは深い意味をつけないことにした、という作り手の開き直りです。

 作り手がそういう意図でもって 「フォーゼ」 を製作していたかどうかは知りませんが、少なくとも 「フォーゼ」 は、いろんな意味で、見る側が真面目にその設定自体を考えようという気を喪失させる(笑)反則技を連発したのです。

 まず、主人公がフォーゼに変身した後のフォーム。
 宇宙船を模したトンガリ頭で、宇宙服みたいなダボダボの生地で、誰がどう見ても、カッコワルイ!(笑)。
 そしてそのフォーゼに変身する主人公、如月弦太朗が、30年前の横浜銀蠅みたいなリーゼント不良ファッション。 こんなヤツいねーよ!の権化みたい(笑)。
 そいつが平清盛も真っ青な青春野郎!で(笑)、転校早々、「オレはこの学園の全員と仲良くなる男だ!」 とタンカを切っている。 ねえって(笑)。
 その弦太朗が、転校してきた高校の宇宙研究クラブみたいなところに入って、勝手に「仮面ライダー部」 と改名してしまうんですが、このクラブ、部室が月面宇宙基地と空間が繋がってるんですよ。 あり得ねー(笑)。

 そしてこの 「フォーゼ」 のもっとも重要な特徴は、学園ドラマである、という点。
 この学園の中だけで、出来事が完全に自己完結してしまっているのです(まあ、外での出来事もあることはありましたけど)。

 確か一回、警察が、この学園内で起こるあまりにも不穏な出来事に介入しようとしたことがあったのですが、それはこの学園の理事長で悪の親玉であるガモウ(鶴見辰吾サン)によって、阻止されていた。

 こうした閉鎖環境を作り上げることによって、このカッチョワルい仮面ライダーの出てくるドラマは、自分たちの作ったルールの中で、安心して安全に羽目を外し、心おきなく戦闘を展開することが完全に可能になったのです。

 だから話がすごくムチャクチャでも、如月弦太朗という底抜けに明るいアツい青春野郎のもたらすベクトルで、すべて許されてしまう。 そしてそのアツいエネルギーのベクトルで、見る側はどんどん引き込まれていく。

 これってかなり、反則気味でありながら、正統派のドラマの見せ方だ、と感じるんですよね。

 設定がいくら突飛でも、突飛というものを貫けば、細かいことはどうでもよくなり、作り手が本当に訴えたいことだけが、ストレートに受け手に届く。

 で。

 9月になって新しい仮面ライダーのお披露目なのですが。

 今回の仮面ライダーは、のっけから怪人たちに対峙する警察の描写から始まります。

 つまりこれは、(ほぼ)完全な閉鎖環境で行なわれていた前作とは全く逆で、現実世界にある程度則したルールで今回はやりますよ、という作り手側の宣言なわけです。

 案の定、そこに現れた新ライダーは、「銃刀法違反」 ではなかったですけど、怪人をやっつけたのにいきなり留置場に入れられてしまいます。 ある意味リアルだ(笑)。
 考えてみれば仮面ライダーが留置場とは、かなりマヌケなスタートですけど(笑)。

 ただ、こうしたリアルな環境で展開していくと、前作のような 「多少のことは目をつぶってイケイケドンドン」 という気に、見ている側はならなくなる。
 今回の悪役たちは、人の 「絶望」 というものをエサにして仲間を増やそうと企むタイプの悪役のようなのですが、それに主役級?の女刑事が、簡単に屈しかけてしまうんですね。
 これってリアルじゃないだろう、みたいな(笑)。

 つまり設定がリアルに戻ったことで、細部のアラが目立つようになったんですよ。

 これって面白い現象だなーと思いながら、「ウィザード」 の第1回を見ました。

 ただ、ドラマ的なリアルが中途半端だ、と感じながらも、その戦闘スタイルは、初回から飛ばしてんな~、という感じがしました。 こんなに飛ばしていいのかな?(笑)。
 仮面ライダーって、変身フォームが何種類かあって、初回はだいたい基本パターンひとつのみなのですが、今回の仮面ライダーは、出し惜しみすることなく赤が黄色に変わり青になり…、つまり変身フォームを惜しげもなくさらけ出しているわけです。

 そして初回サービスだったのかもしれないけれど、戦闘シーンのスピーディさには目を見張ります。
 結局子供たちが食いつくのって、複雑な設定なんかじゃない。
 いかにカッコよくバトルシーンが展開していくか、なんですからね。
 今回の仮面ライダーは、なんと人の記憶の中にまで踏み込んで行ってバトルをします。 さすが魔法使い(ウィザード)だ。 まあ、ゲーム的なカテゴリーで言うと、物理的戦闘能力のない魔法使い、というよりも、魔法戦士(パラディン)という感じですが。

 そしてなんといっても、変身ベルトというのは仮面ライダーの大きなキモであり、商魂ポイントでもあります(笑)。
 風車の部分(バックルというべきか)が街の案内板みたいな手のひらのデザインなのはちょっとカッチョワルいかな、とも思いますが、でもフォーゼで散々カッチョワルいの見てたから、あまり気にならない、つーか(笑)。

 いずれにしても見ちゃうんだろうな~。 「仮面ライダー」 と 「ウルトラマン」 って、自分のヒーローの原風景なので、新しいテレビシリーズは見守っていかなきゃ、という気になるんですよね(自分がオコチャマなのを、言い訳しとるぞ…笑)。

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コメント

リウ様、こんにちは。

自分、本来の守備範囲は特撮・アニメのヒーロー物でして、少々小躍りしております。
↓の漢字、新ヒーローの洋名を宛てた「お遊び」です。

魔導士>
・誕生の秘密は、永井 豪作「悪魔人間」そのまんま。主人公、体内にファントムを飼う。
 此方も、理性崩壊~凶暴体出現する臭いがプンプンです。
 敵キャラは、悪魔辞典から全網羅? 撮影スタジオは、お祓いが必要ですね。

・助演俳優に小倉氏や小宮氏等、軽演劇出身者を揃えたのは、軽妙且つ深いエピ対策と見ました。

・現世どころか、インナーワールドにも侵入出来る魔導士。
 魔法の「どこでもドア」で、ドーナツを取りに行く主人公。通常でも戦闘でもチート。
 警察内部にも、ファントム対策の部署が誕生しそうで、三つ巴の予感です。

M NOM様
コメント下さり、ありがとうございます。

意外でした。 N NOM様の守備範囲が特撮ヒーローものとは…。

私はせいぜい 「ウルトラマン」 と 「仮面ライダー」 に関して少々論じることができる程度なのですが、毎回毎回、新シリーズが始まるときの言われもない 「違和感」 というものを、いつも楽しんでいる自分がいます。 これってやはり 「ウルトラマンエース」 とか 「仮面ライダーアマゾン」 とかが登場した時の、懐かしい違和感なんですよ。

悪魔の名前を網羅していくと、必ずなんか変な現象が製作中に起こる、とかいうまことしやかな話は、やはり私も聞いたことがあります(笑)。 「ベルぜバブ」 などはすごくオチャラケたマンガですけど、あれも平気なのかな?(笑)。 「アダー」 とか悪魔の赤ん坊に言わせてますから、罪がないと言えば罪がない(笑)。

今回の場合、なんか魔法陣を多用しているようですけど、ライダーの耳部分には、梵字みたいな文字が刻まれてましたよね。 魔除けかな?(笑)。

女刑事の同僚が怪人になってしまって、それを倒してメデタシメデタシ、でい~のか?なんて考えながら見てしまいました(笑)。 これじゃファントムになったらもう人生終わりじゃん、みたいな。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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