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2012年10月 6日 (土)

大滝秀治サン死去…

 大滝サン死去の報を聞いて、「こないだ高倉健サンのスペシャル番組に出てたけど…」 とすぐに思ったくらい、87歳にもかかわらず、この人には最後まで 「現役感」 が付きまとっていた気がします。

 残念です。
 こういう 「味のある」 役者さんというのは、これからの日本にはもう出てこないのではないか、と思うくらい。
 「味のある」 などと簡単に申しますが、これってそんなに一朝一夕で出来上がる類のものではない。
 小林信彦サンだったかな、「その映画を観終わっても、その役者が演じた人が見た人の心の中に残り続け、その人がその後の人生をどう生きているかに思いが馳せられる」 役者というものが、真の役者だ、と(かなりうろ覚えで申し訳ありません)。
 大滝サンの近作で、当ブログで記事にしているのは、オダギリジョーサンの兄と長澤まさみチャンの妹の 「ぼくの妹」 と、観月ありさチャンが人の心をほぐしてくれる料理を作る 「天使のわけまえ」。
 「ぼくの妹」 では謎の老人という設定で、当初事件ドラマを目指していたと思われるこのドラマの(つまり後半はグダグダ…笑)緊張感を持続させる役だったと記憶しています。
 これがごくフツーの気のいい老人で。
 「天使のわけまえ」 では観月ありさチャンの祖父役。 声だけがでかくて(笑)いつも田舎から食材を送ってくれる。
 このふたりとも、「あのジイサンは今どうしているのかな」、ということに、思いを馳せられます。 オダギリジョークンも長澤まさみチャンも、このドラマが終わったらもう次の役みたいな感覚だけど。
 その点観月ありさチャンの 「人の心をほぐしてくれる料理を作る女性」 というのは、「あのあと彼女、どうしてるかな~」 と思わせるタイプかも知れない。

 大滝サンの出演作をウィキで一通り読んだのですが、この人、かなり良作駄作の両方に出ている。

 市川監督の金田一シリーズとか、私が夢中だったころの一連の健サン映画とか。
 かと思うと、「キャシャーン」 とか(笑っ…てしまいますが)「めぞん一刻」 とか。
 「めぞん一刻」 の映画化版って、確か石原真理子サンが響子サン役で(げそ~っ…笑)石黒賢サンが五代クンのヤツ(ハハ…)。 薬師丸ひろ子サンの 「Wの悲劇」 の澤井信一郎サンが監督だったけれど、我々(笑)「めぞん」 フリークのあいだではゲテモノ扱いされていました。

 このブログで俎上に乗せたドラマでも、「天使のわけまえ」 は傑作だったけれど、「ぼくの妹」 は先に述べたように駄作の部類。
 でも。

 やっぱりどんなドラマでも、大滝サンが出てくると、一種の 「安心感」 が漂うんですよ。
 そしてどんな役を演じていても、大滝サンはそのドラマのなかのその 「役を生きている」。

 先に述べた高倉健サンのスペシャル番組でも、高倉健サンは大滝サンの演技について、「演技の中に監督や脚本家の思いが全て詰まっている」 と話していました。
 どんなつまんない映画でもドラマでも、自分の 「役回り」 を全うする。 そういうことができる役者というのは、これはかなり希少です。

 大滝サンの出演した作品でどれがいちばん印象に残っているか、というと、私の場合はやはり 「北の国から」 でしょうか。
 あのドラマに出演していた大友柳太朗サンにしても林美智子サンにしてもそうでしたが、あのドラマの 「大人たち」 には、いわれもない 「歳月を生きてきた者たちが持つ存在感」 があふれていました。
 「北の国から」 で大滝サンが演じた清吉のジイサンも、なんとなくいつも不機嫌。
 人がよさそうな顔をしていただけに、かなりインパクトが強かった。

 いまの日本はこのような役者が極端に減ってきている気がしてならない。
 日本人自体が薄っぺらになってしまったひとつの証拠のような気がするのです。

 たまに味のある役者が出たと思ったら、お笑い系の人だったり。

 お笑い系の人も、もっと演技を磨けばいい役者になるような気がする人が多い気がするのですが、まだまだ 「がんばりましょう」 ですね。 カンニングの竹山クンとか。 ドランクドラゴンの塚地クンとか。

 昔は笠智衆サンとか左卜全サンとか、うまくて味のある役者さんが多かった。
 大滝サンが鬼籍に入って、そんなカテゴリーの役者サンが日本からほとんど絶滅した、という気がしてなりません。

 大滝サン、惜しすぎます…。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

ショックでしたね~。

私もやっぱり金田一シリーズ。
この人は市川版だけでなく
松竹作品「八墓村」にまで出演してました。

巨炎様
コメント下さり、ありがとうございます。

「八つ墓村」 は石坂浩二サンに慣らされた身としては、当時かなり反則技でした(笑)。 そちらにも出演されていたんですね、大滝サン。

リウ様、御早う御座います。

大滝 秀治氏の訃報、将に「燻し銀の名優」逝くと言う感じで、じんわりとした喪失感を覚えました。

お笑い芸人の俳優化>
カンニング・竹山も、ホンジャマカ・石塚も、各々御笑いで培った「キャラ」を捨て去り、前者が冷血漢、後者が猟奇犯罪者と云った「極悪人」を演じる事で「芸の引き出し」を拡げる端緒となれば良いのですが……。

テレビ局も広告代理店も、其の様な「冒険」を許容出来ないからなー。

M NOM様
コメント下さり、ありがとうございます。 なんとか一文まとまり記事にできました(笑)。 大した文章でもございませんが。

どうも最近は、いろんなところから俳優になれるルートがあるためか、演技の基礎が理解できてなくてもそれなりに格好がついてしまう人が多いようです。

私は意識的に、「役者」 と 「俳優(女優、男優)」 とを使い分けていますが、「役者」 はかなり格上を意識しています。 さらに格が上がると 「役者バカ」 になるのですが(笑)、今日ではこの称号をさし上げられるかたが大変少なくなりました。 思えば原田芳雄サンが、最後の役者バカなのかもしれません。 やはり劇団とかご出身でしたよね、原田サンも大滝サンも(俳優座とか、詳しいことは存じ上げないのですが)。

先だって亡くなった地井武男サン(このかたも 「北の国から」 絡みですね)が、やはり俳優のシロート化について、面白くはあるけれども役者とは何なのか考えてしまう、といったことをお話になっていたような記憶があります(またうろ覚えの話ですけど…)。

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

履歴書様
ど~もです!

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» さようなら大滝秀治。 [.net.amigo]
リハーサルの時は芝居がぶれていてもかまわないが 君の芝居はいつもぶれている、と黒沢監督に怒られたり 俳優には向かない やめる決心をしろとも言われたが 俳優のほかにやれるものがなかっ... [続きを読む]

» 名脇役 大滝秀治さん死去 [Anthony's CAFE ]
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BOOKS

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    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

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    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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