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2012年11月17日 (土)

「大奥~誕生~[有功・家光篇]」 第6回 春日が強いのなんのため?

 久々に 「大奥」 のレビューをいたします。
 ここ2回ばかりサボっておりましたが、どうも見ていてレビューにつながらないもどかしさがあって。 ストーリー以上のものを感じないんですよ。 面白いんですけどね。

 その最大の原因は、こういった特殊状況を作り上げた、春日局の権力基盤に関するモヤモヤとした思いが募ってきたことによります。

 このドラマの生命線は、赤面疱瘡(あかづらほうそう)という病気によって男ばかりが死に、男女の関係が逆転した江戸初期の世界、というパラレルワールドの設定の妙に負うところが大きい。
 このことによって世継ぎを失った徳川家が、将軍を女に定めて極秘裏に子作りに励み、男の将軍という正常な状態に戻そうとしているのですが、こういう大掛かりで大それたことをするわりに、その首謀者というのが、春日局しかいない、ということが、すごく話的に弱い、と次第に感じるようになってきたのです。

 もともと家光の段階で、徳川の御代は第3代。 どうもドラマを見てると、多部未華子チャン演じる家光は政治的なカンに長けていて、かなり鋭い行政能力を発揮する可能性を秘めているようには見えます。 実際の歴史でも、第3代家光のころに徳川の施政基盤が整ったことになってますから、これは歴史に準拠した設定なのだろうと思う。

 でも、おそらく家光のその手腕が発揮されるのは、まだまだこれからなのです。

 つまり春日が男女逆転状態の大奥を作り上げている時点で、その強制力を発揮するには、まだまだ徳川の世というのは、盤石なものになっていない。 群雄割拠していた諸国大名たちの動向を、どうやって春日ひとりで封じ込めているのか。

 その春日の強制力の源である権勢の力を、このドラマはすっかり彼女を演じる麻生祐未サンの演技力に、頼りきっている。 春日、コワ~!(笑)で見る側をケムに巻こうとしているように見えるのです。

 さらにこのドラマにおいて春日をサポートする役割を担っているのが、春日の息子である稲葉正勝。 彼は表向きの上様として、赤面疱瘡に罹ったとして頭巾をかぶり、外面的な面目を保っている。

 しかしですよ。
 春日の息子ってのが、いかにも筋立てとしては弱いんじゃないでしょうか? 親子じゃ当たり前すぎるだろ、もっと有力な後見人が、この企てには必要だろ、と思う。

 この物語において、そうした有力御家人とか抵抗勢力とか、なんかすべて赤面疱瘡のせいで勢いを無くしちゃってる、という設定になっています。 今週放送された第6回では、段田安則サンの跡継ぎも娘を息子ということにして、娘はウラで悩んでいる、段田サンは弱り切っている、という構図を描写しておりましたが。

 しかしいくら男が少なくたって、2代将軍の秀忠の時に結構グラグラしてたんだから、抵抗勢力が付け入る隙なんかいくらだってありそうな気がするんですよ。

 こういうことを考えてしまうのは、ドラマに出てくる男たちが、かなりしっかりとした精神状態でいるからなのではないか、という気がします。
 つまり稲葉にしても有功にしても玉栄にしても、赤面疱瘡で自分も死んでしまうかもしれない、という危機感がほとんど感じられない。
 自分に降りかかった不幸を一身に背負い、この理不尽にただひたすら耐え、そりゃ暴れたり春日の言うことにちょっぴり逆らったりもするけど、男だけが罹って死んでしまう病気があることを、まるでないかの如く、無気力にも投げやりにもならない。
 これは大奥の中が、まるで無菌状態のような安全地帯にあることが、かなり大きく関与している。
 このこと自体がとても不自然に見えてくるんだなぁ。

 で、そんな赤面疱瘡とは無縁の世界で、有功と家光との純愛が展開していくんですけど、それが悲恋になればなるほど、有功と家光との間の愛は成長を続け、強靭なものになっていく。

 今週放送分では、家光のその強さが、家光自身が母親になったことによるものであることが、有功によって解き明かされました。

 でも有功は、愛する女性が春日によって次々と男をとっかえひっかえされ、自分はその顔つなぎみたいな、究極的な屈辱にまみれながら、その哀しみ、恨みを必死になって押さえている。 だからこそ家光に、「あなたは母親になったから強くなったのだ」 と言ったとき、有功は目に涙をためていた、と思うんですよ。

 そして有功は、玉栄に対し 「お前に上様のお相手をしてもらいたい」 と願い出るのですが、タイミング的にこれってどうなのかな。 重盛ちゃうちゃう捨蔵が半身不随になっちゃって(窪田クン、こんなのばっかだな…笑)新しい男が家光にあてがわれたそのタイミングですからね。

 ただ、有功の苦しみが具体的に前面に出てきたことで、物語的に面白さを堅持していくのはいいのですが、やはり 「どうしてこんなに有功が苦しめられなきゃならんのだ? そんなに春日ってエライのか?」 という気には、なってくる。

 稲葉にしたって春日に対して精一杯の抵抗で、自分の息子が、死んだことになっている自分に代わって家督を継いだことを、将軍家光としてねぎらいたくなる気持ちも、じゅうぶんすぎるほど分かる。
 だからこそ 「どうして春日がこんなにエライのか?」 という気に、やっぱりなるのです。

 つまり話が悲劇的になればなるほど、春日の権力基盤の説明不足が浮き彫りになっていく、という構造です。

 次回はその春日がぶっ倒れる模様(笑)。 つまり、一気に徳川幕府の屋台骨が消失?

 私のこの疑問がどう解決されていくのか、やはり続きが見たくなるのです。

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コメント

 春日さんが強いのは、徳川政権が安定する前を知ってる一人で、将軍の跡継ぎが男であるべきと思ってる最後の砦でもあるから。いわゆる現状維持のまま、将軍家の世継を誕生させて、ソフトランディングさせようとしている。(やり方は強硬だけど)でも、もう、家光の娘を替え玉に使うというジョーカーを引いてしまった以上、男女逆転を認めなきゃいけない。というより、彼女が采配ふるっている時点で、すでに、男女逆転が有実化しているのだと思います。(笑)つまり、裏にいるべき者が表にでているのです。

 でも、本当のところは私も知りません。そう言えば、春日さん、強い!それが不思議とは思いませんでした。(笑)麻生さんが、春日を魅力的に演じておられるから(笑)騙されてる一人です。(笑)

 有功さんが涙をためて、家光に、「あなたは、お変わりになった。母親になって強くなられた。」と言っていたのは私も、堺さんの演技にじーんとしました。有功さんは、自分の子じゃなくても、母親として、彼女が幸せであれるならば、彼女が救われる事を第一に考えてあげられる人なのだと思います。彼女は男の子を産まないと、家光の鎖をはずしてもらう事ができない。(現時点では)

 玉栄は、彼にとって、一番愛しい人を委ねられる人だったのでは?家光が苦しみから解放されるのなら、自分が相手でなくても構わないができたら、彼と気心の通じた玉栄だと、家光も玉栄も子供も皆愛せるからじゃないですか。捨蔵の子を愛するより、楽でしょ?有功さんは人間的な部分を殺しきれない人みたいですから。春日さんと違って(笑)

 有功さんが苦しめられるのは、キリストは何故苦難にあうのかと同じなのではないですか。彼は身近にいるたった一人の人、家光を救う為に大奥で生きる事を受け入れている。地蔵さんなわけでしょ?

 捨蔵があっという間に、可哀想な状況になったのが、重盛同様、可哀想でした。柿で、半身不随なんて!我が家の高枝切鋏を貸してあげたかった!

 でも私はこのドラマはただ、面白いと思って見ているので、あまり深く考えて見てないです。前回のように、うっかり、リアルで見るのをすっ飛ばす事もありまして。真面目に考えてくださるリウ様に脱帽です。(笑)


 

ささ様
こちらにもコメント下さり、ありがとうございます。

このドラマは、主に女性の方に支持が強い気が、なんとなくしてます。

たしかに女のサガであるとか純愛のはかない美しさを中心に描いている以上、私が今回書いたような政治的な話は馴染まない、と私も思います。

つまり今回のレビューは、オトコの側から見た感想、という捉え方をしていただいてもいいかな、と。

ありていに言えば、「もう女性上位なんだからいーじゃん」 みたいな話に、楯突いているわけですから(笑)。

実は今回の話、4回5回に比べると、結構心動かされたんですよ。 で書こうという気になったのですが、ここ2回の不満が噴出した形になってしまって、心動かされた部分が追いやられてしまいました。

ただここまで、有功や家光、そして大奥で真相を知ってしまい、もう金輪際シャバに出ることが出来ない人々が、歪められた人生のことを考えると、これを全部春日局の責に帰してしまうというのは、いかにも無理がある気がしてならぬのです。

有功が玉栄に委ねたのも、心情的にはじゅうぶん分かるけど、私がハテナと思うのはそのタイミングのことです。

これはもしかすると、春日に対する有功の反発心なのかもしれません。

哀しいですよね、家光も、心は有功のもとにあるのに、義理だと完全に割り切って、自分の体をいろんな男に預けてるし。

しかし有功も、虫も殺さぬように何事もないふりをしつつも、部屋ん中メチャクチャにしてしまうほどの情緒不安定さを露呈してるんですから(破壊活動のあいだに、虫の一匹くらい不可抗力で殺してたかも…笑)。

この 「タイミング」 というのは、だから有功のささやかな反抗なのかも知れません。

窪田クンは私が少し前に見たドラマ(自分の人生を走馬灯で見ることが出来る、みたいなドラマ、タイトル忘れた)でも、結局首つり自殺していて。

どうもどの役もろくな人生送ってませんね(ハハ…)。

 女性上位だけど、男が作った枠組みで生かされてる!女は結局子を産む為に存在している!それに、家を継ぐ事が増えただけ(笑)だって、アマゾネスじゃないけど、男が少ないから(笑)春日もそうだけど、女は革新的な事を考えつくのが苦手。何かを護るのは得意だけど。突飛な事って男子の方が発想しやすい!(ゆえに男の子って、育てるのがたいへん!勝手なんだもの!いまだに振り回されてます(笑)早くお役目返上したい!)

 虫は避けたでしょ?表側の障子は壊さないんだから(笑)悲しい事に、有功さんは見栄っ張りであると本人は言ってますが、理性的?なんです。(笑)これって、女っぽいですよね。私も物に当り散らす時は同時に片付け掃除の手間を考えてやるもの!私の場合は理性的じゃなくて打算だけど。(笑)男の場合、理性になるから、羨ましいです。

 きっと、ささやかな反抗もあるでしょ。多分捨蔵の事も玉栄の思っていたように、少しは思っていたのかも。「お楽の方という名をもらった」と有功に捨蔵が優越感をにじませていた時も、半身不随になった捨蔵をお見舞いした時も出来た人、有功様だったけど。有功さんが自分の弱みを少しでも見せれる相手は玉栄だけなのかな。玉栄は偽りのない自分なのかもしれませんね。

 来週は春日さんがやばくなりそう。春日がえらいのは、来週退場かもしれないからと最初は書こうとしました。(笑)大奥という閉鎖的な場所に男を閉じ込めておくって、ある意味、女の復讐かもよ!積年の男尊女卑への恨みだったりして!たいして、深く考えないですむところが、このドラマのいいところかな。考えると、ディープネスになりそうだし。(笑)清盛で疲れた時は心優しいドラマに思えます。(笑)

 

ささ様
再コメント下さり、ありがとうございます。

女性が何でもかんでも下、という文化というのは、どうも儒教が絡んでいるらしくて、そんなに大昔からのことではないらしいです。

ただこの回に多部チャンがしゃべってましたけど、もともと戦国時代もその前も(盛子とか徳子とか…)女性というのはオノコを産むための政略的な手駒でしかない部分もあるし。

だからおそらく、春日局もその強迫観念みたいなもので、突き動かされている。

でもやはり、春日だけの発想では、どうにも限界は感じます(しつこいですね…笑)。

いやいや、虫はいたるところにいるもんですよ(笑)。 ダンゴ虫の一匹くらいは、奥座敷のしっくいの中に潜んでいたかもしれません(ハハ…)。

ただ有功の場合、自分でやっといて後片づけしないんだから、要するに誇示したいんですよ、自分はこんなに傷ついてるんだ!って。 男というのは、拗ねたい生き物です(私を見てりゃ分かるでしょ?…笑)(拗ねて何回、ブログを休んだことか…笑)。

で、拗ねてみて、反応がないとガックリくる(爆)。

よーするに慰めてほしいんですっ(なんか話が変な方向に…笑)。

だから理性なんかはございません(アララ、キッパリと…笑)。

であるからして(?)春日がいなくなるとこの男女ひっかえプロジェクトXがどうなるのか、見モノなわけなんですねぇ…(ヘンなまとめ方をしてしまいました)。

タベちゃんのベッドシーンというだけで、
「あああ===、そんなことしてええええ!」と、
心中絶叫している私は、ここでも母の気持ち・爆
だけど、全然いやらしくもないし、ドキドキ感もない、ここまでいい意味で色気のないラブシーンも珍しい。
どろどろ感がしないんですよね、全然。
(どろどろは菅野編であるみたいですが)
私が感じないだけなのかな・苦笑

タベちゃんの個性なのか、演技力なのか、
ちょっとわかりません。

>カキ
柿は危ないんですよ、
ご近所の方も、柿を取ろうとして枝が折れ、頭を打って亡くなりました。
枝がもろいのだそうで、身の軽い子どもならともかく、大人は絶対登ってはいけないのですって。
捨蔵は登ったわけではないけど。

さささまがおっしゃるような、哀れさ、
単純でそこのない無邪気な人柄がよく表れていました。
窪田君、ほんとにこれからが楽しみないい役者さんですね。
それだけに、またもや繰り返してしまいますが、
きちんと勉強してほしい。
いまは演出家やスタッフにも、知識のない人が多そうだから、仕方ないんだけど。
「剣客商売」や「鬼平」を手掛けた、フジの演出家さんが現役だったら、きっちりしごいて、いい役者に育ててくれただろうに・・・。

マーシー様
え~、コメントが錯綜していて、どれに返信したらいいか迷ってますけど(爆)、とりあえずこちらにもコメント下さり、すっかり風邪がよろしくなったのだと安心いたしました(笑)。 コメント下さりありがとうございます。

私は口吸いとか見てて 「あっこれ、キスマーク出来る」 とか 「R指定だなコレ…」 とか、とてーも下世話なことを思いながら見ておりました(笑)。

やはり男女で見方がこれほど変わるのかな…(笑)。

多部チャンというのは、どうしても女性としての性的魅力に乏しい、と思ってしまうのですが、こういう場面を見ると、一種独特の色気があるようで、ハッとしてしまいます。 こういうのにオトコは弱い(ハハ…)。

柿を取るのは、ささ様のおうちから高枝切鋏を持ってきたほうがよろしいか、と。

柿の美味しさには、ガキの頃はあまり気付きませんでしたが、最近は分かるようになってまいりました。 大人になるとこういう味覚の変化がうれしい(なんの話をしとるのだ?…笑)。

捨蔵はもう出番がないみたいですが、半身不随の演技のほうは、なかなかしっかりなさっているような気がいたしました。

あとは江戸っ子の勉強ですね(笑)。

先日、この家光編の続編にあたる綱吉編観ました。

将軍の父となった玉栄君を西田敏行さんが演じてます(笑。単体で観てもいいんですが、やはり家光編を観ていた方が面白い。TV版では春日局を旧世代として新たな時代に羽ばたいていった家光&有光=新世代が玉栄を通じて古き呪縛として描かれている。
玉栄が完全に老害化して娘に先立たれた綱吉に「有光様の残したものを守るのじゃ。養子は絶対許さん。跡継ぎを産めー」と迫り、将軍の名で生類憐みの令も公布。最初は将軍に美男子送り込んで実権、握ろうとしていた連中も産まれた所で誰の子か判ったもんじゃない状態、将軍も家臣も完全に形骸化したシステムに取り込まれちゃっている。

こういった中で尾野さん演じる柳沢吉保はちょっと弱いかな…。家光編では春日局と家光が疑似的母娘で春日局の複雑なキャラが大きかったのに対して、この劇場版では「友人」「姉妹」に近く菅野美穂さん演じる綱吉の方が深い葛藤を抱えているせいもあるのでしょうが。

「カーネーション」での明快な演技で評価が高まったオノマチですが一方で優子達の風下に立たされ始め複雑な感情を抱き始めた夏木糸子直前のよう方面で演技を磨く機会が失われているのかもしれません。
「十三人の刺客」以降、悪役以外のオファーがこなくなった故・管貫氏のようだ…。

巨炎様
コメント連投下さり、ありがとうございます。

「大奥」 に関してはもう記憶が彼方で(笑)タベチャンが家光だったっけな?とか、あーメンド臭い、もうどーでもいーや、という感じです(笑)。 だいたい男女が逆転しているというのからしてメンド臭くて(笑)。

そんなワケでオラは追い出され…じゃなかった、そんなワケで 「大奥」 に関して論評することが出来なくて誠に恐縮です。

ただ、オノマチサンに関しては、やはり 「カーネ」 信者でもございますので、頑張ってもっと羽ばたいていただきたい、と思います。

でも、最近は単発モノばかりで?見逃してしまうことが多く、「最高の離婚」 以来彼女の連ドラものを見ていない印象です。

どうにも変に 「気の強い女」 というイメージが出来上がってしまっているのでしょうか?

私が好きなのは、「火の魚」 の女編集者のような、芯は強いが少しはかなげな役かな。 大阪のオバチャン化しているよーな気もしますので(笑)なんとか別のスタイルの印象的な連ドラが見つかるといいな、と思っております。

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  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

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    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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