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2013年1月19日 (土)

「いつか日の当たる場所で」 第1回 遅ればせのレビューですが

 上戸彩サンと飯島直子サンが刑務所を出所したばかりの前科者を演じる、「いつか日の当たる場所で」。 仲間由紀恵サンの 「サキ」 と放送時間がかぶるので、再放送していた第1回を見ました。 世間ではもう第2回に突入しているのでかなりマヌケなことも書いてしまいそうですが、そこんところはご了承ください。

 実はこの 「刑務所から出所したばかりの女囚コンビ」 という設定(女囚って…)がどうにも興味なくて、「とりあえず録画できるものは全部見とく」 ということで録っといたドラマ。 そんなに期待していたわけではありません。

 それでも最後まできちんと見てしまったのは、やはり人の心の内面をよく描いているからですね。
 それと、主役のふたりの演技が、やはりうまい。
 特に上戸彩サンは、「流れ星」 でもそうだったけれど、暗い性格を演じさせたら日本一なのではないか、と個人的には思います。
 飯島直子サンはプリプリに太ったキャンギャル時代から存じ上げておりますが(笑)、なんなんですかね、こんだけうまいのって。

 このふたり、同じムショ帰りなのに、太陽と月みたいに性格が違う。

 もちろん上戸サンが月のほうですが、出所したてで世間の目が怖くておどおどしている様子とか、これからどうしたらいいんだろう?という途方に暮れた様子とか、弟役の大東俊介クンの態度に戸惑ったり悲しんだり失望したりする様子とか、彼女の表情を見ているだけで、見る側はいろんな想像をかきたてることが可能です。
 彼女の唯一の欠点は、美人すぎて見る側に一種の嫉妬感を抱かせることではないでしょうかね(笑)。

 上戸サンがムショ入りした原因は(役の上でのことですよ…当たり前か)ホストクラブの男に入れあげて金を貢いでこん睡強盗10件、だったっけな。
 もともと出来が悪くて褒められたことがなかった心の飢餓状態のところにしのびこんだのが、ホストの甘い言葉だった、というわけです。 犯罪動機もきちんと描かれている。

 結果、自宅前で、家族3人(父、母、弟)の見ている前で、逮捕。

 その時の3人の冷たそうな顔。 特に母親の浅野温子サンは、「この人にこんな目つきで見られたら、もう生きていけない」 というほどのカチンコチンの冷たさで、バナナで釘が打てちゃうくらい(ハハ…)。

 上戸彩サンが出所してくると、いきなりそこに明るく現れたのが、数ヶ月前に一足先に出所していた飯島直子サン。 家族は誰ひとりとして来ません。 飯島サンと上戸サンは、刑務所の中で知り合って、懇意になったようです。

 飯島サンの罪状は(役の上でのことですよ…当たり前か)、DVを繰り返す夫をネクタイで絞殺。 小さな息子がひとりいたみたいですが、今は別のところに引き取られている模様。
 彼女は出所したてなのにパン屋で見習いとして働いていて、いつか自分の店を出す、という夢に燃えているようです。

 このふたりが谷中の街を歩いていくんですが、上戸サン、どこに行くんだろう?と訝しがって見てたら、どうも自分の祖母が昔暮らしていた、今は誰も住んでいない一軒家。 家族がそこをあてがった、ということになりますよね。

 これがホントに、昔ながらの木造住宅で。

 私みたいな旧世代だと、「落ち着きそうだな~」 と思うのですが、上戸彩サンくらいの年代だと、なんとなくそこはよそよそしく、なにも置いてないので音ばかりが乾いて響く、「住むところだけは用意してくれた、家族の自分に対する気遣いというものも少しは感じるけれど、なんか放り出されたような感覚」 に陥ってしまう場所なのではないか、などと感じる。

 実家はどうも和菓子屋なのかな、結構堅実に稼いでいるみたいです。
 弟の大東クンはそこを仕切っていて、浅野温子サンはどうやら社長みたい。
 で、大東クンが…。

 …どうしようかな、状況を細かく書きすぎてる(笑)。 これを読むかたは、とっくに分かっていると思って書くかな。

 とにかく大東クンが上戸サンを訪ねて来て、自分は結婚するからお姉ちゃんは籍を抜いてくれ、遺産相続も放棄してくれ、と実に冷たい話を事務的に進めるのですが、上戸サンは、自分の罪の重さをじゅうぶん分かっていて、これに応じる。

 このシーンが結構見ていて引き込まれるんですよ。
 それをのちのち、上戸サンはまだ自分はじゅうぶん罪の重さを自覚していなかった、と反省し泣くことになるのですが、ここに至るまでの上戸サンの心情の描写が、とても細やかでよいのです。

 姉が刑務所に入る罪を犯したことで、弟がどれほど傷ついてきたか。 父はそのあと娘のことが遠因で死んでしまっており、それを知った娘は自分がどれだけ取り返しのつかないことをしたか、あらためて深く後悔し号泣する。 でも上戸サンは、遺産相続放棄は仕方ない、と諦めているけれども、籍を抜く、と急に言われて、初め狼狽します。

 なにもそこまでしなくても…。 という気持ちでしょう。
 ここに彼女が 「本当に自分の罪を自覚していない」 という隙がある。

 弟は 「オレの幸せまで壊さないでくれよ!」 と姉の躊躇に憤慨し、姉の承諾を強要する形で離籍届にハンを押させる。
 そのあと自宅に戻った弟が 「嫁の機嫌でもとってくるか」 などと言ってるところを見て、「コイツ冷てえなぁ」 と私も感じたのですが、そのあと弟は、姉のもとに姉の思い出の品と手紙をよこすのです。
 その手紙は弟が、自分の経験した辛さの恨みも残しながら、姉に対して出来る限りのことをしようとしているところが見える。
 その手紙を読んで、上戸サンは自分が逮捕されたとき、あくまで冷たい表情だとばかり思っていた家族3人が、泣いていたことを思い出すのです。
 そして彼女は自分が今までしていた反省が、まだまだ浅かったことを自覚し、号泣する。

 ここらへん、犯罪者を出してしまった家族、そして犯罪者になってしまった本人の内面をとても丁寧に描いている、と感じます。 けっして犯罪者美化の話にはなっていない。

 その号泣している上戸サンを慰める側の飯島サン。

 彼女も決して順風満帆に仕事をしているわけではなく、ヘマばかりやらかしていったんパン屋をクビになったのですが、頭を下げてなんとか許しを得ている。 彼女だって不器用に生きているのです。 ともすれば上戸サンみたいに、ネガティヴにばかり考えてしまいそうになる自分がいる。

 でも彼女は表面上、あくまで明るく振る舞おうとします。
 そして気落ちする、暗~い上戸サンを、いつも慰める。

 これはでも同時に、自分の中にあるネガティヴな自分を励まそうとする行為なのだ、と感じます。 上戸サンを慰めながら、飯島サンは自分を励ましている。
 こういう構造が見てとれるとき、ドラマというのはその面白さが倍加していくのではないでしょうか。

 誰でもみんな、完璧に生きられるわけじゃないです。 そのつど最善のことなど出来るわけでもないし、間違いを犯しながら、失敗しながら生きてるし。
 でもそこから、前向きに生きられるのか、後ろ向きになってしまうのか。
 このドラマでは上戸サンを後ろ向き、飯島サンを前向き、というプロトタイプに沿わせらながら、実はふたりが絡むことで、互いに欠けている部分を自覚させ、補完させていく関係なのだ、と思う。

 ムショ帰りの極悪非道な女囚さそりコンビのドラマかと思っていたけど(なんじゃソレ)、上戸サンの近所に住むゴリサン(竜雷太サン)とエイドリアーン(松金よね子サン)夫婦、コンビニの優しそうなおにーさん(斎藤工サン)も絡んで、連続10回?さてさてどういう展開になるのか。 10回もなんかやることあんのか?(笑)つー気もしますが、とりあえず再放送で追っていくことにしますか。

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コメント

NHKのドラマ10。

このドラマのもうひとつ前?の「シングルマザー」(沢口靖子主演)、「はつ恋」もすごく良かったです。
リウ様はご覧になっていなかったでしょうか?

その流れで、このドラマもみたいなと思ってました。
上戸さん、飯島さん、お二人とも好演されてますね。

NHKのドラマ、頑張ってますよね。

今クールは民放もいろいろ良い番組があり、リウ様も怒濤のUPされてますね.

楽しみにして拝見してます。happy01


投稿: rabi | 2013年1月20日 (日) 10時56分

rabi様
コメント下さり、ありがとうございます。

いや~、このところ、NHK火曜10時ドラマはノーチェックなことが多くて。
「はつ恋」 に至っては、お勧めするかたが多かったのですが、結局年末の集中再放送も、入院で見ることが叶わず…。 きっと縁がなかったんだ、と日記には書いておこう。

内容紹介だけを読んで 「今クールのドラマはどうもな~」 と思っていたら、見てみると面白いのが多くて困ります。 土曜日に4件もアップしてしまいましたが、まだ全然おっついてなくて。

粗製乱造にならないよう、気をつけますconfident

投稿: リウ | 2013年1月21日 (月) 06時46分

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