« 「SHERLOCK2」 愛されたい、でもウザい | トップページ | 「父と子 市川猿翁・香川照之」 下世話な精神では語れない親子関係 »

2013年1月 7日 (月)

「八重の桜」 第1回 どこに話の重点を持たせるか

 同志社大学創始者新島襄の妻、八重の人生を描く今年の大河ドラマ。
 八重を綾瀬はるかサン、新島襄をオダギリジョーサンが演じます。

 物語の序盤を彩るのは、私の故郷福島であります。
 ただまあ私のお里とは少し地域が違うし、御武家の話し言葉なのでところどころ訛りに違和感はございます。
 私の田舎では 「~してくれ」 というのをあまり 「くなんしょ」 とは言わなくて、「くんちぇ」 と言ったりするんですが、それでもやはり(表面的ではございますが)懐かしいお国言葉が飛び交う画面は、それだけでも面映く、心があったかくなってくるものです。
 表面的、とは申しましたが、やはり福島出身の西田敏行サン(西郷頼母役)の訛りはいちばんきちんとしておりました。 ほかにも秋吉久美子サンとか、佐藤B作サンとか、福島ゆかりのかたがたがご出演の様子でした。

 そして去年の 「平清盛」 では、その語り口の難解さがひとつの特徴であったのですが、今年の大河は、第1回を見る限りでは、かなり平易な語り口になっていた気がします。

 ただし気になるのは、物語のどこに重点が置かれるか。

 この物語、のっけからアメリカの南北戦争の様子から活写が始まり、意表を突くのです。 驚きました。
 私は見ていて、アメリカの政治が内戦状態によって深まった混迷を国外に向けようとして日本へ黒船を出した、ということから語り始めるのかよ、と思ったのですが、脚本家の山本むつみサンの意図というのは、日本における新政府側と旧幕府側との戦いを、「内戦」 という括り方で、アメリカの南北戦争と同じにさせることにあったようです。

 そして第1回、面映くあったかい気持ちが醒めて物語が急に新鮮味を失ったように思えたのは、八重の兄である山本覚馬(西島秀俊サン)が江戸に登り、佐久間象山(奥田瑛二サン)の塾に入門してから、のちに八重の夫となる川崎尚之助(長谷川博己サン)を連れ立って黒船を見に行く部分。

 なんか 「龍馬伝」 そのままで、「前見たよ」 と言いたくなった(笑)。 勝海舟は前回の吉田松陰だし(生瀬勝久サン)キャラが一緒(笑)。 龍馬は品川沖まで黒船を見に行ったけど、覚馬と同じように 「あれに乗ろう」 と言い出してた記憶がある(笑)。 まだ記憶が新しいんですよ、「龍馬伝」。 ホント、福山竜馬がひょっこり出てきそうだった(笑)。
 まあ画面のタッチがそもそもプログレッシヴカメラで 「龍馬伝」 と一緒だし(まあ去年もプログレでしたけど)。 違ってたのは土煙がもうもうとしてなかったことか(笑)。

 
 そして黒船が来たことで幕閣があたふたするところで、井伊直弼を榎木孝明サン、強硬派の徳川斉昭を伊吹吾朗サンなど大物が演じているのを見ると、またもや水戸藩のこととか桜田門外のこととかしつこくやってしまうのかな~、などと思われてくる。

 さらに八重の友人である高木時尾が、もうしょっぱなから八重にべったりなんですが(笑)、彼女がのちに結婚することとなるのが、新選組の斎藤一(これがその~、数年前の大河 「新選組!」 でオダギリジョーサンが演じてまして…笑)。 つまり松平容保公(綾野剛サン)が京都所司代になるから当たり前とも言えるけれど、新選組のことまでこの大河で語る必要性も出てくることになる。

 つまり私が気になるのは、いったいこの話は、幕末のことをしつこくやりたいのか、それとも戦いに敗れたのちの八重の人生を事細かにやりたいのか、という点なのです。

 確かに物語としては、明治に入ってからよりも幕末の混乱期をやったほうが面白いのですが、なんせ大河ドラマで明治以降がオマケみたいに語られることに、いつも私は物足りない思いをしています。 戦国時代も同様で、関ヶ原以降はいつもオマケみたいでしょ。

 でも、このドラマ自体が、福島、そして東北の復興を意図して制作された、というのだから、負けたあとにどのように立ち直るか、のほうに重点がおかれることと、私は期待します。

 そんな不安を先に書いてしまいましたが…。

 いや~、さすがに大河ドラマでした。 スケール大きくて。

 その、しょっぱなの南北戦争からして、話がデカすぎで(笑)。

 どんだけ金使ってんだ?みたいな。

 そして綾瀬はるかサンが銃をぶっ放しまくる(ランボーかよ)鶴ヶ城の攻防。 城を真上から俯瞰して撮っていく映像は、たとえそれがCGであろうと、見ている者をおおっ、という気持ちにさせます。 まあ去年もいきなり羅生門の巨大セットから始まって、海賊船とか、最初のほうで予算使い果たした、つー感じでしたけど(ハハ…)。

 また出てくる俳優さんもすごい人ばかりで。 風吹ジュンサン、松重豊サン、中村獅童サン、山本圭サン、反町隆史サン…。 リッチな気分に浸れます。
 私が特に驚いたのは、中村梅之助サン。
 大変失礼ながら、「この人まだご存命だったんだ!」 と思ってしまいました。 いや誠に面目ない。 お出になったのはものの数分?1分程度だった気がいたしますが。 容保の義父、容敬を演じていました。 実にカクシャクとしていて。 もっと見たいです。 大村益次郎でもう一回…って無理か(笑)(1977年大河 「花神」 の主役でした)。

 そして第1回のサブタイトルである、「ならぬことはならぬ」。

 「ゲゲゲの女房」 でも、物語のキモとなる言葉を探り当て、それを分かりやすく見ている側に咀嚼してくれていた山本むつみサンが、今回見つけ出した、この物語全体のキーワードのような気がいたします。

 これは少女期の八重(鈴木梨央チャン)に父権八(松重豊サン)が叱りつけたように、「ダメなものはダメ」 という、分からずやな親の言い訳ではない。 会津藩の藩士の子たちが学んだ日新館の描写にもありましたが、この思想の底には儒教の教えが流れている。

 追鳥狩りの見物の際に木から落ちてしまった八重。 そのせいで西郷頼母の馬が驚いてしまい一番鳥を逃がしてしまいます。 それを見た仲間の男の子たちはいったん 「ヤベエ」 と見捨ててその場を去るのですが、八重が頼母に叱責されているところを見ると、戻ってきて正直に自分たちも同罪だ、と名乗り出る。

 そしてほかにも、日新館での槍を使った訓練で、いったん 「参りました」 と降参した相手を、さらに追い打ちをかける、そのやり方。 主君を守るための決意をさらに踏み固めるかのような教練方法です。

 こうした会津藩の 「ならぬものはならぬ」 という教えが、徳川への忠誠をあくまで頑固に押し通す基盤になっている。 まあ、主に忠実である、という長所を持ちながらも、いっぽうでは頑迷に陥りやすい、という短所も兼ね備えている、とも思うのですが。 
 「卑怯なことをしてはならない」。 つまり、「卑怯」 という手段を拒ませる素地があったからこそ、会津藩の人々は、戊辰戦争に敗れたのち、明治維新以降も、その清廉潔白さを買われて、各地で活躍の場を切り拓いていったような気がするのです。

 追鳥狩りの失敗で、蔵に入れられた八重。
 彼女は覚馬の持ってきた握り飯を見て涙をポロっと流すのですが、叱られてしょげてるわけではない。
 彼女は自分の失敗を許してくれた容保の心の広さに打たれて、忠誠心を沸き立たせているのです。
 ここらへんの八重の心の動きが、会津藩の教育の賜物であるようにも感じる。
 主従の関係とか、師弟の関係。
 これは現代では、かなりないがしろにされている概念のように思います。 尊敬できる目上の人がいない、ということでもあるんですけどね。 だから現代人には理解されにくいものがある気がする。

 そもそも八重に鉄砲を持たせようとしたその最初の動機は、カッコイイ兄に対するあこがれとかだったかもしれませんが、その動機をしっかりと踏み固めたのは、「主君に対する報恩」 だったのではないでしょうか。 「恩」 を感じる、「意気」 に感じる、なんてことも、現代ではめったにないけれど。

 それにしてもこのキジ狩りの様子は、戦国時代を経て、200年以上続いた平安な世においての、武士たちが自分たちの存在意義を内外に知らしめるための、一大イベントであった、と言っていいでしょう。
 ロケを使ったシーンとしてもとても大がかりで、かなり見ごたえがありました。
 そして、去年の大河 「平清盛」 で、清盛が目指した武士の世の、まさに終着点に、このドラマは位置しているのだなあ、という感慨も、私は同時に抱いたのです。

« 「SHERLOCK2」 愛されたい、でもウザい | トップページ | 「父と子 市川猿翁・香川照之」 下世話な精神では語れない親子関係 »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

プロデューサーの事や「篤姫」の再放送などから
抱いたイメージとは異なる安定した走出しですが
やはり「龍馬伝」と被る印象が強いですね。ただ、

>中村梅之助=大村益次郎
やっぱりコレ。御高齢なのに敢えての出演とか
幕末&砲術&目立つ吉田寅次郎と「花神」への
リスペクトがあるのでは?だとすると
八重さんが目立つのもかなり後になるのかも…。

>物語としては、明治に入ってからよりも
>幕末の混乱期をやったほうが面白い
派手にドンパチやりますからね。しかし、
この時期の主人公の体験が維新後の行動の
布石となる「カーネーション」のような
脚本・構成を期待したいです。

 いきなり、南北戦争が始まった時は、「でっかい、切り口だな~」と、思いましたが、「予算使い過ぎじゃない?」といらぬ心配もしてしまいました。でも、会津のジャンヌ・ダルク、八重さんが鉄砲ぶっぱなしてなしているのは、颯爽としてかっこよかった!オープニングとして、つかみは、OK」だと思います。

 「ならぬことはならぬのです」これが、少なくとも、前半はテーマになるのでしょう。新島襄との後半生において、どうなるのかはわかりませんが。キリスト教の精神を取り入れるのか、それとも融合させるのか。多分精神の骨格として貫きそうですね。その方がわかりやすいし。

 八重さんの子役さんは、とっても上手でした。

 会津公も、素敵!会津の人にずっと愛されるのがわかるわ~。少なくとも龍馬伝での会津公の描き方とは、異なっている!(あれは、改革派から見た、守旧派という扱いでした。それを、公平さを欠くという批判もあったけど、福田氏は山口の人だから、維新側からの視線はやむをえないと思ってます)

 佐久間象山も龍馬伝では取り上げなかったので、奥田さんの佐久間象山先生は、新鮮でした。(笑)勝先生、吉田松陰とか、龍馬伝とごっちゃになりそうに私もなったけど、多分、会津メインでこれからはお話は進むと期待しています。

 子役の八重さんもいじらしく可愛いけど、綾瀬さんも健気な女性を演じさせたら、上手ですから、スムーズに役も移転できると思いました。初回という事もあって、ロケのシーンが多く、もう少し、時代が穏やかに変化してくれてたら、若殿さまも会津も、苦しまずにすんだのかなと思いました。そういう意味で、現代の原発事故の災難に苦しむ姿がだぶったし、美しい田園のふるさとを理不尽に追われた人たちが、今、現実にいるという事を忘れてはいけない。忘れたがってる現実を苦い思いで、かみしめました。私にとっては、田舎に帰省したこともあって、そういう感慨にふけった初回の八重の桜でした。

リウ様
こんにちは。
観ました。私も、大河ドラマの冒頭で、いきなりリンカーンの演説聞かされて、びっくりした口です。
で、本編が始まってみれば、めちゃめちゃ豪華な朝ドラの第1回にも見えてくるし。だって、チビ八重ちゃん、しっかり木登りしてるんだから(笑)

しかし、初回の滑り出しとしては、なかなかのものだったのではないでしょうか。少なくとも、清盛のような、間口の狭さを感じさせなかったのは、視聴率的にはOKでしょう。実際、数字も上がってたようですしね。
でも、人物の所作など細かいところも、丁寧に作られていて、作品に通底するテーマも、しっかり提示されているので、1年通して楽しめる作品になるのかなあ、という予感がしています。

綾瀬はるかさんは、ああ見えて(失礼)、実はかなり運動神経のいい方らしく、そういえば、銃の構え方も様になっていましたよねえ。「幕末のジャンヌ・ダルク」というより、幕末のアンジェリーナ・ジョリーかミラ・ジョヴォビッチ、という感じでしょうか。まあ、ミラジョヴォも、ジャンヌ・ダルクやってましたけどね。

中村梅之助さん、「金さん」「伝七」「大村益次郎」。私が子供時代は、紛れなき時代劇のトップスターでした。確か、所属されている「前進座」の常設劇場が老朽化で取り壊され、再建は未定だということ。今回の登場にはそのことも関係しているのかなあ。劇団自体は、旅公演主体で活動を続けるということですが、年齢的に、それにすべて帯同するのも難しいでしょうからねえ。

巨炎様
コメント下さり、ありがとうございます。

「花神」 をやったときは私も小6中1くらいで、ワケも分からないまま見ていました。 中村雅俊サン目当てだったよーな…(笑)。ずいぶん我慢して見ましたが、途中リタイアです。 今じゃかなり評価の高い大河ですね。

新島襄もチラッと出てましたから、たぶん明治期の話をより重点的にやるのだろう、という気はします。

となると、話が福島ではなく、ほとんど京都の話になってしまうのでは?(笑)
容保公も京都に行っちゃうし(笑)。

それじゃ東北復興にならないつーか…(笑)。

ささ様
コメント下さり、ありがとうございます。

いきなり 「風と共に去りぬ」 が始まったのかと思いました(笑)。
途中で鶴ヶ城の攻防と映像がミックスされてアメリカ人だか日本人だか分かんなくなったり(笑)。

「ゲゲゲ」 の場合、「見えんけど、おる」。
今回は 「ならぬことはならぬ」。
ホントにこのテーマが、話に分かりやすく絡んでいた、と思います。
今後キリスト教の精神が話に絡んでくるとなると、私もささ様に教えを乞わなければならなくなるかも? 私仏教は得意なんですけど(笑)。

チビ八重チャン、かわいかったです。 叱られて蔵に閉じ込められて、涙をポロっとするところなんか、胸キュンでした(笑)。
しかもブラコン(ブラザーコンプレックス)で(なのか?…笑)。
まあ、19歳かな?年が離れていた、というので、それもむべなるかな、です。

佐久間象山先生は、いきなり覚馬にダメ出しの連続なのに、いつまで話につきあってんだ、と思いましたが(笑)。
ただ、「龍馬伝」 で龍馬たちが勉強していたところと比べると、結構専門的なことをやってるかな、なんて。
勝サンはしかし、神出鬼没で(笑)。 いろーんな人と出会ってたんだろうなー。

会津のほうは、原発から遠いけれど、やはり故郷が見えない悪魔に蹂躙されているのは、実に切ないものがあります。
ほとんど(これを私の田舎では 「ほどんと」 というのですが…笑)東京でばかり暮らしていた私ですが、やはり故郷の景色は慕わしい。
福島訛りを聞くと、望郷の念が強まります。

Zai-Chen様
コメント下さり、ありがとうございます。

木のぼりは確か、「おはなはん」 だったか…(笑)。
さすがにそのころの朝ドラはチェックしておりませんが(笑)。

隣で見ていた母親は、福島弁が出るたびに楽しそうに笑ってました。 おそらく福島県全体の視聴者は、快哉を叫んでいたことでしょう。

「平清盛」 に比べて、このドラマは、出演者が大量に出るけれども、その略しかたがうまいな、と感じました。 「平清盛」 は、出てくる人物が皆重要人物なのではないか、という気に見ている側をさせていた気がするのですが、このドラマにはそれがない。

綾瀬はるかサンは、時代劇が合ってるような気がしますよね。 たぶん性格的に裏がないように見えるからだ、と思います。

中村梅之助サンは、「花神」 の時は途中でリタイアしてしまいましたが(それでもずいぶん我慢して見ていたものです)その後も 「あまりどーでもいい時代劇に出るよりは大河みたいな質のいい時代劇に出てほしい」 という思いで見てきたような気がします。
あれだけの演技が出来るのだから、ホントにチョイ役というのは惜しい気がいたしますね。

まさか、南北戦争から始まるとは思いませんでした。
すっかり、「やられました」ね、苦笑

アメリカには「南北戦争」の同好会があって、リアルに大砲だの銃だの、制服もまんまで、
どこかの戦闘をそのまんま、再現するっていうのを、定期的にやっているそうです。
もちろん、お遊びだから、自費、持ち出しで。

思わず、NHK ,それに乗っかったかと考えてしまいましたが、まさかそこまでは・・・・爆
製作費の心配をしたのは、私だけではないんですね・笑

今回の主役は西島くんっぽいですが、
八重子役と並ぶと、まるで親子・爆
お父さんの松重さんとも、リアルでは7~8歳しか違わないそうで、
これも大河ならではでしょう。

つかみは十分、
次回も楽しみです。

マーシー様
コメント連投下さり、ありがとうございます。

世界史というものをまともに習ったことがないので、南北戦争もアヘン戦争も、遠い国のお話みたいで(笑)。

「南北戦争同窓会」 なんてサークルがあるんですね(笑)。 アメリカ人のその同好会に頼めば、製作費も抑えられると思いますが…(笑)。

西島秀俊サンって、あまり私の中では、印象的な役がないので、若い新人さんのイメージかな。 だから違和感はなかった気がします。 のちに八重の最初のダンナになる人も長谷川博己サンで、こっちも親子ほどだろー!つー気もします(笑)。 月日のたつのはあっという間で、少女が大人になるのもあっという間。 命短し恋せよ乙女…。

そう言えば 「功名が辻」 でも、仲間由紀恵サンが少女のころから、上川隆也サンは待ってたような…(笑)。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「八重の桜」 第1回 どこに話の重点を持たせるか:

« 「SHERLOCK2」 愛されたい、でもウザい | トップページ | 「父と子 市川猿翁・香川照之」 下世話な精神では語れない親子関係 »

2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

無料ブログはココログ