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2013年1月19日 (土)

「泣くな、はらちゃん」 第1回 あなたが変われば、世界は変わる

 岡田惠和サンのオリジナル脚本。 マンガの世界から主人公の 「はらちゃん」 が飛び出す、という内容だから、原作マンガがあるのか、と思ったのですが、違ったようです。

 はらちゃんは現実世界に飛び出すと、TOKIOの長瀬智也サンになるのですが、いや~、ここんところ 「鉄腕DASH」 とか、「DASH村」 がなくなってご無沙汰だったもんだから、長瀬クンの顔を拝見するのは久しぶり。 いや、紅白出てたのかな?

 TOKIOの中では最年少、と言われていた長瀬クンも、34歳ですか。 「ふぞろいの林檎たち」 に出ていたのがもうふた昔くらい前。

 そのはらちゃんの出てくるマンガをせっせせっせと市販のノートに描いているのが、越前さん(麻生久美子サン)。
 Gペンとか丸ペンで描く本格的なものではなく、ロットペンとかミリペンを使って描いているようです。
 「ネーム」、という、いわば下書きなどを一切せず(笑)、いきなりコマ割りからペン入れして製作開始(スゲ…笑)。 そのためストーリーは基本的にハチャメチャ(爆)、自分が勤めているかまぼこ製造会社での、職場の愚痴を、はらちゃんの口を借りて、ただひたすら描き殴っておるのです(ハハ…)。

 しかしその筆致はかなり的確。
 彼女の本棚には、なんかメジャーで出版されていたと思われる単行本が並んでいます。
 「矢東薫子漫画全集」。
 1巻の表紙にははらちゃんの絵が。
 8巻まで揃ってるということは、彼女はそれなりのキャリアを持った、元マンガ家であることが想像できます。
 しかしそれって彼女本人なのか。 まあ本人だと思うのですが、越前さんが矢東薫子先生に心酔して粗末なノートに描いている、同人誌崩れの作品ではないか?とも思わせる(ないか…笑)。

 マンガの作風についてですが、ん~、分かりやすく言えば、藤子不二雄F先生みたいな?
 つまり結構古臭い。
 でも最近のコミックシーンは結構混沌としてるから、ヤンマガとかウルトラジャンプあたりで見かけるかもしれない、そんな感じ。

 で、その個人的愚痴だらけのマンガが描かれたノートブックは、仮面ライダーWのフィリップ君が阿部サダヲサンに変身したよーな越前さんの弟(意味不明)によって、外に放り投げられる。

 するとノートのなかのマンガの世界は崩壊を始め、はらちゃんは現実世界に飛び出してしまうのです。
 マンガの世界の住人達はこのところ、越前さんの職場の愚痴があまりにひどいのに辟易しており、それを是正しようとはらちゃんに託すんですよ。

 マンガの世界しか知らないはらちゃんが現実世界に飛び出て来たときの話はかなり笑える。 「これはなんですか?」「車…ですけど」「ああ~っ!これはッッ!」「犬です」(笑)。
 極めつけは、かまぼこを食べて号泣(腹痛ぇ…)。

 で、自分たちの世界の作者である越前さんを 「神様」 と呼び(笑)、職場で一緒に働いている仏頂面の忽那汐里チャンを 「悪魔」 と呼ぶ(事情を書くのは面倒だから省略)。
 いきなり越前さんに 「あなたが幸せにならないと、私たちの世界はメチャクチャです、神様!」 と迫るもんだから、神様は完全拒絶(笑)。

 特に可笑しいのは、越前さんが描いているはらちゃん手持ちのギターが、3弦しかなくて(笑)、ギターも特別にその仕様で出来ていること(笑)。 現実世界ではらちゃんは、悪魔がちゃんとした6弦ギターを弾くのを見て、モーレツにカンドーするのです。
 6弦ギターを手に入れたはらちゃんがマンガの世界に戻って歌う歌。 悪魔(だから悪魔って…)が歌っていたのと、歌詞は違うけどメロディが一緒。
 蛇足ですけど、マンガの世界の住人のひとりである甲本雅裕サンもこれに唱和するのですが、甲本ヒロトサンの歌い方に似ていてちょっとニヤリとしました。

 このドラマの眼目というのは、「自分ひとりが変わっても世界なんか変わらない」 という醒めた目、諦め、無力感に対するアンチテーゼであることは容易に分かります。
 こうした、ある意味能天気な、楽天主義が遠くのゴールに見えるような作風は、岡田惠和サンが得意とするところのように感じます。
 これが現実的なドラマになると、その楽観的な人間主義が鼻についたりするのですが、現実離れしたこのような設定だと、そのノーテンキさが最大限に生きる気がする。

 ちょっと混乱してしまうのは、マンガの世界の住人の紅一点である奥貫薫サンと、麻生久美子サンのキャラって、個人的にかなりダブっている点。
 もしかすると奥貫サンは、マンガの中で麻生サンが自分をモデルにしているキャラなのかもしれない。

 気になるのは、「矢東薫子全集」 を手に持ち、はらちゃんにも 「他人任せにするよりまず自分でしょ」、などと的確なアドバイスをしながら、越前さんには突き放したような感じで振る舞っている、かまぼこ制作チーフの薬師丸ひろ子サン。 いったいどういう存在なんでしょう。

 いずれにしても、なんかこの冬の日テレドラマは、一風変わったのが多いですよね。

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コメント

リウ様
こんばんは。

「泣くな、はらちゃん」、そう言えば昔、「泣くな、青春」ていう超マイナーな学園ドラマがありました。確か、中山仁、水谷豊、関根恵子の御三方が出られてましたが・・・これは全く関係ない話です。ただ、言ってみただけ(笑)

マンガのキャラクターが現実世界に出てくるということで、「ロジャー・ラビット」のようなものを想像していましたが、何か、ほのぼのしたお話になりそうですね。このあたりは、やはり岡田さんの作風だなあと思ってしまいました。

ここで越前さんが描いているマンガって、人に見せることは前提にない日記のようなもの。このキャラクターたちは、ユキ姉(奥貫薫さん)に限らず、はらちゃんも、マキヒロも、あっくんも、笑いおじさんですらも、みんなで越前さんの人格の一部ではないか、という気もします。

そんなはらちゃんが、創造主たる越前さんに恋をするということは、とりもあえず、汝自身を愛せよということ。最近、若者に多いと言われる自己肯定ができない人達に向けたメッセージも含まれてるのかな、とも思いますが、どうなのでしょうか?この方の過去作から見ると、そんなこと、微塵の程も考えてない可能性が強いですけどね。

ただ、このドラマ、初回の印象は、決して悪くないので、もうしばらく観てみようかなとは思います。けど、何となく、2~3週観るの忘れて、それっきりになりそうな気もしますが(笑)。
それと、ギターの弦を3本にするなら、ちゃんとフレットも抜いて欲しかった。そこが、ちょっと残念でした(って、そこかい)。

投稿: | 2013年1月23日 (水) 02時18分

??様
え~、お名前が分かりませんが、おそらく常連様(もしくはそれに準ずるかた)だと推察されます。 コメント下さり、ありがとうございます。

「ロジャー・ラビット」 をテレビドラマでやるには、かなり大変だと思います(もうこれも、古い映画の部類なんだろうな~…劇場に見に行きましたよ、私)。 いや、この映画が製作されたときは、CGなんか使ってなかったような気がする。

私もですねー、ガキの頃はマンガ専用のノートブックというものを持っていて(新しく買いそろえるのではなくて、オヤジの能率手帳のあまりとか使わなくなったノートの再利用みたいな感じ)、マンガをシコシコ描いていたもんです。 でも越前さんのような本格的なものじゃなくて、落書きみたいなギャグマンガ(笑)。 だから個人的にはすごく懐かしい感覚なんですよ。

「泣くな、青春」…。 分からん…(笑)。 やはり青春モノと言えば、村野武範サンと中村雅俊サンの二本柱でしたよ、私の場合。

「矢東薫子」 での検索が非常に多いこのドラマ(笑)。 やはり実在するかどうかが皆さん気になるんでしょうね。 私は、「ひょっとすると薬師丸ひろ子サンが矢東センセイかも?」 などとつまんない憶測をしてます(笑)。

投稿: リウ | 2013年1月23日 (水) 06時43分

リウ様
すいません。前のコメント、名前入ってなかったです(^^;
やっぱり、あんまり夜中に書くのはいかんわ~

御返信ありがとうございました。
漫画、私も描いていましたね~。もっともウチの場合は、新聞の折り込みの裏(笑)。だから、裏が白い折込が多く入っていた日は、ちょっと嬉しかったです。あの時代、小学生男子の95%は、白い紙を見れば、とりあえずマンガを描いてたと思いますよ。全く根拠はありませんけど(笑)。

「泣くな、青春」はですね~、村野武範さん、中村雅俊さん2大巨頭の明朗、快活、能天気(でも、大好きで毎週見てましたよ)路線とは真逆の、ダークでシリアスな学園ドラマでした。少年非行問題なども結構、真正面から取り上げていたような記憶がありますね。そんな内容だから、視聴率も振るわず、打ち切りになったんじゃなかったかな?

中山仁さんが教師で、水谷豊さんが不幸な生い立ちの不良少年、関根(今は高橋)恵子さんが、クラスの優等生というキャスティング。関根恵子さんは、当時22~23歳くらいの筈ですが、セーラー服姿を観ると、ちょっとドキドキしてました。
ちなみに私、当時は小学6年生でしたが(笑)

投稿: Zai-Chen | 2013年1月23日 (水) 12時10分

Zai-Chen様
お名前が分かってホッとしました。 コメント下さり、ありがとうございます。

私が小さい頃は、マンガは最強のコンテンツでした(遠い目…)。
越前さんがやってた、「コマ割り」 なんてまどろっこしいことは一切なし(笑)。 ただページを6等分する線を書き、人物は手も足も1本の線(爆)。 頭は○を書くだけ(表情なんか描かなかった…笑)。 それじゃ複数の人物が出てくると区別がつかないので、△とか□とかで区別(シュールだ…爆)。

ああ…懐かしすぎて…(かれこれ40年前?)。

新聞紙の折り込み広告のウラは、主にデカイ絵を描くことに使ってましたね(ハハ…)。 ウルトラセブンとかミラーマンとか仮面ライダーとかばっかり描いていました(笑)。

関根恵子サンと言えば、私は 「太陽にほえろ!」 のシンコ。 なんか問題起こしていなくなっちゃったのに、また出てきたりして、「これってこの人に実力があるからなんだ」 とガキなりに考えてました。 こないだ週刊誌のインタビュー読んだんですけど、幼少から北海道の超過疎地で育ったせいで、女優になったらその反動でいろいろやらかしてしまった、と回想してました。 「シンコが脱いだ…」 とか(笑)、なんとなく甘酸っぱい思い出のある女優さんですね(ハハ…)。

投稿: リウ | 2013年1月24日 (木) 06時27分

リウ様、こんばんは。
Zai-Chen様の書き込みに釣られて、参上しました。

暗い青春ドラマ>
加山 雄三「高校教師」12チャンネル系
若大将のイメージとは異なる「醒めた先生像」
真田広之氏の同名タイトルとは違います。

范 文雀、石橋 正次、中山 仁「打ち込め青春」
NET系
三人共「復讐の女教師」「燃え尽き剣士」
「母を奪った好敵手を憎悪する剣道部員」
の暗い役柄を好演。

他にも色々ありましたが「日テレ青春シリーズ」
の様にロマン溢れる学園ドラマが途切れてしまった
事は、寂しいものがありますね。

投稿: M NOM | 2013年1月29日 (火) 20時13分

M NOM様
お久しぶりです、というより、コメント欄まで熟読ですね。 大変ありがたいです。 M NOM様の食いつきそうなレビューが出来ずに心苦しいです。

それにしても、ほわ~(笑)。

知らんです、全然(爆)。 M NOM様の挙げてくださったドラマ。

最近は学園もの、というと、もう必ずヤンキーものと相場が決まっていて(笑)、でなけりゃ先生や生徒が異常なのとか(爆)。

加山サンは若大将のイメージ脱却しようとしていろんなことやってますけど、「ブラックジャック」 とか、まあアレでしたけど結構面白かった(褒めてるのかけなしてるのか?)。

半分弱サン、とか名前で遊んだ記憶あり(笑)。
えーと、亡くなられたんですよね。
懐かしい女優さんです。

投稿: リウ | 2013年1月30日 (水) 05時12分

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