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2013年4月 7日 (日)

「チューボーですよ!」 女子アナたちの情念が渦巻く20年…(笑)

 祝、20年目突入!ということで、今回は初代アシスタントの雨宮塔子サン、そして4代目アシスタントの小林麻耶サンがゲスト。
 私も開始当初から見ておりますが、20年目ということは、19年間やってきたということなんですよね。 堺サンの番組の中では、もっとも長寿の部類になるのではないでしょうか。 こんなに続く番組になるとは、私も想像しておりませんでした。

 同時に20年、ということは、いろんな出来事が番組の中であったということでして。 その点ではかなりドキュメンタリーの側面も有している、希有な料理番組ということになります(オーゲサ)。

 今回、特に堺巨匠とウマが合っていたと思われるこのアシスタント2人を見てつくづく感じたのは、この番組のホストである堺正章サンの持つ、「特殊な居心地」 についてです。

 この番組の特色として、「ゲストと楽しいトークを繰り広げながら」「料理を作る」 というコンセプトがあるのですが、このふたつの両立というのは、はたから見ていてもとても難しいように感じます。 実際トークに堺サンの神経が行ってしまったときなど、茹で加減火加減味加減などが疎かになってしまい、星を減らす主因になってしまっていることが多い。

 アシスタントというのは、この二律背反する番組の目的を、堺サンをサポートしながら遂行していく役なんですよ。
 そこにはやはり、同じ目的に向かって努力するチームワークというものが形成されてくる。
 そのチームワークの上で左右されてくるのが、堺サンが父親から受け継いで持っている、「芸人魂」、みたいなものではないでしょうか。
 要するに、笑いを演出するために、厳しいところは厳しいんですよ。
 それが時に、ある種の視聴者にとっては、傲慢と映ることもあるように感じられます。

 しかし 「お仕事」 というのは、元来厳しいものですからね。

 ここで今回出てこなかった、2代目アシスタントの外山恵理サンや、3代目アシスタントの木村郁美サンのことを考えると。

 外山サンは当時、新人の部類だったと思うのですが、自分のやりたいフィールドが、どうも合ってなかったように感じます。
 それは後年彼女がラジオで永六輔サンのアシスタントをすることによって、ラジオこそが自分のフィールドだということを自覚することによってはっきりしたのですが、こういう、気持的に中途半端な人間というのを、堺サンのプロ意識というのは拒絶するのではなかろうか、と私は考えるのです。

 そして木村郁美サン、最近とんとお目にかかりませんが、彼女の持ち味というのは、「万事そつなく」 で、バラエティ番組のカンフル剤のひとつであるハプニング性に欠ける。 仕事が完璧すぎるのも、番組の活性化につながらないんですよ。 安心して見ていられる、という強みが彼女にはあるのですが。 もしかすると堺サンは、そこのところに不満があったのかもしれない(邪推です)。

 それに対して雨宮サンは天性のボケ気質というものが、ことこの番組のコンセプトに非常に合致していた。 この番組だけでなく、彼女はバラエティ番組との相性がメチャクチャいいんですよね。 だからパリに行ってしまったことはつくづく惜しい。

 そして小林麻耶サンは、一生懸命なところに予期しないボケが天然で入る面白味、というものがある。 彼女が3年前にボロボロの涙で卒業したことは昨日のように覚えていますが、そのシーンが今回流されていました。 本人も 「ここまでひどいとは思わなかった」 と振り返ります(笑)。
 まあ彼女の場合、「自分のやりたいフィールドは報道なのだ」、という強い意志があったのですが、それがテレビという生き物が求めるニーズとはずれを生じていた、という点で、外山サンとは逆のパターンであるように感じます。

 「自分のやりたいこと」 と 「視聴者から求められていること」。

 「チューボーですよ!」 のアシスタントの歴史を振り返ると、女子アナたちの思惑が、まるで情念のように渦巻いていることを実感するのです。 ここらへんが 「ドキュメンタリー」 の側面なのかな(笑)。

 だからこそ、同じ目的のために戦うパートナーである堺サンに対して、特に雨宮サンと小林サンは、とても精神的な結びつきが強いのではないでしょうか。
 数年前にゲストで出たときに泣いてしまった雨宮サンのVも出ておりましたが、あのあと 「パリの暮らしがそんなにつらいの?」 とかメールをいっぱいもらったらしくて(笑)。
 でも今回雨宮サンはその涙の理由を、「ゲストとして扱ってくれることがうれしくて」 としゃべっていた。 おそらく一緒に番組をやっていた時の大変さというものに、懐かしさがこみあげたのではないか、と私は推測しています。

 雨宮サンも小林サンも、まるで自分の故郷に帰って来たかのように、「本来の自分」 と 「テレビとしてのニーズに沿った自分」 を今回、感じることが出来たのではないでしょうか。

 そう考えると、この番組というのは、堺サンが用意した、バトルフィールドなんですよ。

 現在のアシスタントについてここで言及させていただくと。

 枡田絵理奈アナは、当初自分の立ち位置についてどうしようか、という試行錯誤が見えたのですが、ここ数年は 「堺巨匠の敵キャラ」(笑)という位置に落とし所を定めたように見えます。
 これって、ちょっと個人的には、ムッとすることも多いんですが(上司のオッサン目線で見てしまうからでしょうか?…笑)、それを不快感を出さずにバラエティとして見せるのは、結構難しいことのように思えますね。
 でも彼女はそれをやろうとしている。
 最初に出たときから、私は枡田サンはかなりテレビ向きの人間だ、と思ったのですが、おそらくその自分の特色を、そんなリスクある役で生かそうとしている。

 堺サンもそこは認めている、と思うんですよ。 だから堺サンを傲慢だ、と取る視聴者から見れば、枡田サンみたいな小姑的なヤツって堺の意向で番組降ろさせるのではないか、と思われがちに見えるのでしょうが、堺サンはたぶん、枡田サンに対してそんな強権発動的なことはしないんじゃないだろうか、…とまあ、これも邪推です。

 ただまあ、個人的には小林サンがいたころの番組の空気感というものが、いちばん好きだったかな~(いちばん面白かったのは、そりゃ雨宮サンでしょう…笑)。

 あと、すごく蛇足で申し訳ないんですが、番組ナレーションの武田広サン、この人もこの番組になくてはならない存在ですよねー。 なかなかナレーションに言及することはないのですが、この人のナレーション番組(「チューボー」 と 「タモリ倶楽部」)、毎週欠かさず見てるんですよね、ワタシ。

 ちなみに今回のメニューは、第1回メニューと同じ、ボンゴレロッソ。 雨宮サンがゲストのときはたいてい無星が連発されることが多いのですが、今回も星0.5(たぶん小林サンがいなければ無星だったと思う…笑)。
 おそらく雨宮サンとのトークって、相性いいんだと思いますよ、堺サン。
 だから話も煮詰まりソースも煮詰まっちゃった(うまくオチをつけられた…笑)。

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