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2013年12月30日 (月)

「クリスマスの約束 2013」 小田サンの目指すゴールのあり方

 「フェードアウトというか、バットの置きかたは難しいやね…でも、なんかその、あそこ行ってポロンポロンって演ったら喜んでくれたとか、最後はそんなのがいいなぁとは思うけどね。

 でも、なんかこう、貢献できることは、しなくちゃいけないなっていう、義務みたいなものも感じるし。

 それとやっぱり音楽的なことで言えば、自分がホントはこういう音楽が昔好きだったよなあっていうスタートとこのへんの。 バンドやったり、オレのイメージで頼んでくる曲を、ちょっと書かなければいけなかったり。

 …置いてきたものを、そういう曲をやってみたいとかね」。

 これは今年の秋口にNHKBSで放送された 「吉田拓郎YOKOSO(ようこそ)」 のゲストとして小田和正サンがしゃべっていた、自分のミュージシャンとしてのゴールのあり方についての話です。
 今年の 「クリスマスの約束」 を見て、なんとなくこれってこの時の対談に対する、拓郎サンへの小田サンなりのひとつの答えなのかな、なんて気がしました。

 今回の 「クリスマスの約束」 の目玉は、なんといっても拓郎サンがゲストで出た、ということ。
 これ、その 「YOKOSO」 の対談のときに話が決まったんじゃないかな。
 「YOKOSO」 のなかで、拓郎サンは「最近なにごとにも億劫で…(笑)」 という話をしていたんですが、小田サンは 「テレビでこういう話をするのはさびしい(笑)」 という反応をし、ボイストレーニングを始めたという拓郎サンに対して 「新しいことを始めるのはいいことだ」 と大いにけしかけていた。
 新しいことをやって、自分のやる気を持続させる。 おそらくこの対談がきっかけになって、小田サンは拓郎サンを、今年の 「クリスマスの約束」 に引っ張り出したのかもしれない。

 逆に拓郎サンの側からすれば、この秋口で4年間続いたアルフィーの坂崎サンとのラジオ番組も終了し、自らの新作制作に没頭しつつあるときに、かつてのような 「曲が勝手に天から降ってきて簡単に出来てしまう」 ということがなくなり、七転八倒しているときに、小田サンとの共演は、多少なりとも刺激になるかもしれない、という思惑もあったのかもしれない。

 その 「YOKOSO」 で、ボイトレをやった結果オリジナルキー(いちばんの高音がG♯と言ってました)で声を出せるくらいになりつつある、と拓郎サンがしゃべっていた 「人生を語らず」。 「クリスマスの約束」 の小田サンとの共演の、いちばん最後がこの曲でした。 やっぱり、「YOKOSO」 と今回の 「クリスマスの約束」 は、繋がっている。

 ただどうも、拓郎サンに捧げたような、番組冒頭の 「the flag」 のあと、小田サンに紹介され、万雷の拍手のなか登場してきた拓郎サン。 …なんか固い(笑)。 いつもの砕けた感覚がない(笑)。
 最初の曲は、もう名曲中の名曲、「落陽」 だったのですが、すごくきっちり歌っている印象。
 もともとこの 「落陽」、あまりに名曲すぎて、拓郎サンも歌い飽きてるのかもしれないけれど(笑)本人あんまりきちっと歌うタイプの曲じゃないんですよ。

 なぜなのかはすぐ分かりました(笑)。 小田サンが完璧なバックコーラスをつけてるから(笑)。 小田サン特有の、あの後追いコーラスとかね。 だからきっちり歌わないと歌バラバラになっちゃう(笑)。
 曲のあいだのMCで、あまりにリハーサルに時間をかけ過ぎだみたいなことを拓郎サンが愚痴ってましたが(笑)、完璧主義者の小田サンにかかっては、拓郎サンのフィーリング重視も形無しだな、というところで(笑)。

 でも、小田サンのハーモニーが入った 「落陽」 は、なかなかに刺激的ではありました。

 そして次は、これまた初期の名曲、「リンゴ」。
 これは本来、拓郎サンがアタック気味のスリーフィンガー(要するに叩きつけるような感じで、弾くほうの指を3本で演奏する方法)を駆使する曲なのですが(レコードでは石川鷹彦サンだったかな~)、のっけから拓郎サンのストローク(つまり指で爪弾かないでジャカジャカやる奏法)で始まり、そこにフィンガーピック(指につけるギター弾くためのネイルみたいなもんですな)(んも~いちいち説明するのメンドクセエ…笑)をつけた小田サンがスリーフィンガーで追随する、という方法で演奏されました。 これも見る人が見れば、これまた非常に刺激的な場面でした(つまり自分はこの場面のすごさが分かっている、という、エラソーな自慢であります…笑)。

 続いては、ギターの弦を拓郎サンからタダでもらった小田サン無名時代の思い出があるという(笑)「今日までそして明日から」。 小田サンのハープ(ハーモニカ)も冴えてます。

 そして4曲目、最後の曲が、先ほどお話しした、「人生を語らず」。 ボイトレの成果が、ここに集結(笑)。 「♪届かないものおおお~~~っ身近に感じてえええ~~っ」 の 「おおお~~~っ」 の部分が先ほど書いたG♯の部分だと思うのですが、スンゴイよく声が出てた。
 しかも、近年の拓郎サンの声は、若い時よりもずっといい(と思っている)ですからね、もう最高でしたね。 まあアレンジが小田サン寄りなのは仕方ないとして(笑)。

 それにしてもこの、拓郎サンが登場の時ばかりは、いつも客席のうら若き美人の女性が涙を流しているとこばっかり映しているこの 「クリスマスの約束」 がですよ(笑)、完璧に 「オッサンのためのクリスマスの約束」(笑)。 どうして拓郎サンだと客席のオッサンが 「タクロ~~~ッ!」 とダミ声で怒鳴るイメージしかないのか(まあ、小田サンのコンサートだからそーゆーのはなかったですが…笑)。 仮にも 「フォーク界の貴公子」 とまで言われたお方ですよ(笑)。

 あと、蛇足ですけど、この日、拓郎サンがかけていたメガネ、なんか自分が今しているメガネと、形が似てたなー、という、どーでもいい話(笑)。 いや、まあ拓郎サンはいろんなメガネ持ってるけど、うれしいもんです、ファンとしては(笑)。

 で、そのあとも今年の 「クリスマスの約束」 は延々と続くんですが、そのあとは興味なしというか(笑)。
 拓郎サン退場のあとでてきたスタレビの根本サンは完全に自虐モード(笑)。 スキマスイッチやいきものがかりのメンバーなどと歌った 「プリーズ・ミスター・ポストマン」 は、もともとはモータウンのガールズグループの歌だったんですが、これはなんといってもビートルズのカヴァーで有名になった曲。 そのアレンジメントはさすがに小田サンのカラーが出たのか、どちらかというとカーペンターズがカヴァーしたほうにフィーリングは似てたけど、最後はビートルズばりに、全員が立ち上がって一斉にお辞儀。 これはビートルズスタイルなのです。

 その後は完全に興味がなくなり(笑)。

 世代的には、ミスチルの桜井サンがゲストで出て来たときのほうが、インパクトが強いんだろうな。 ただ私にとっては完全に管轄外。 細かい解説はその方面に詳しいサイトにおまかせします。
 で、番組もいつもの通り、客席の 「泣く女」 を映す方式に戻りました(笑)。 …まあこっちが本来の 「クリスマスの約束」 のあり方でございます。 拓郎サンが出てくるほうが、異色なんだよなぁ。

 あと、個人的によかったと思うのは、松たか子サンとJUJUのふたりと歌った、バート・バカラックの 「ホワット・ザ・ワールド・ニーズ・ナウ」。
 好きなんだよなー、この曲(つーかあの時代のバカラックはもう、神がかりまくりですけど)。 ディオンヌ・ワーウィックの名曲ですよ。 個人的にはセルジオ・メンデスとブラジル'77の、テンポの速いヤツも好きなんですが。

 そして最後に、東北大学の学長からあった、校内歌を作ってほしい、という依頼にこたえた曲。

 ここまでの流れを見ていて、冒頭に掲載した、「吉田拓郎YOKOSO」 でしゃべっていた小田サンの話と、今年の 「クリスマスの約束」 は、見事に合致しているんじゃないか、と思った次第なのです。

 つまり、もう70代という年齢が見えてきているこの時期に、小田サン自身がどうやってこの仕事を続けていきたいのか、ケリをつけたいのか、というひな形。

 ただ、フェードアウトなどと小田サンは言っておりましたが、この番組の1か月あとに来日した、ポール・マッカートニー。 彼は今年71歳なのです。 71で、あそこまでロックが出来る、というのは、拓郎サンにとっても小田サンにとっても、いいお手本になったのではないか、という気はどうしてもします。

 「YOKOSO」 の中でも、ふたりとも、自分のゴールを見定めないままに、いままで突っ走ってきた、という感慨を、自分たちの活動に対して持っていた。
 でも、いるじゃないですか。 生涯現役で、おふたりの前を突っ走り続けている男が。

 「クリスマスの約束」 のキャリアの中で、いちばんのピークだったのは、おそらく2009年の 「22'50''」 だろうと感じる。 この番組が最初始まったときの趣旨が結実したのが、この曲だろうと思うから。
 でも、そんなピークを過ぎたとしても、毎年クリスマスの時期に、何かしら心をホッとさせてくれる、潤いを与えてくれるような、このプログラムが、ずっと続いてくれることを、私は期待しているのです。

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コメント

リウ様

お仕事、ヤマを超えたみたいで良かったです。
あともうちょっとですね。

「クリスマスの約束」
私も拓郎と小田さんの対談番組をみて、この「クリスマスの約束」につながったんだろうなぁと思いました。

そして、今回の圧巻はやはり拓郎の「人生は語らず」です!
感動しましたね〜。声もよく出てましたしね。

ミスチルの桜井くんも出てたけど、やっぱりメインは拓郎。

拓郎は小田さんの完全主義に合わせるのは大変だったかもしれないけど、刺激になったんじゃないでしょうか?

ポールも来日したし、お二人ともまだまだ頑張ってほしいですよね。

今年も残すところあとわずか。

今年のドラマで記憶に残ってるのは、「家族ゲーム」「woman」「いつか陽のあたる場所で」「半沢直樹」「最高の離婚」松本清張「顔」他にもいろいろありますが。

リウ様はいかが?

投稿: rabi | 2013年12月30日 (月) 09時38分

rabi様
コメント下さり、ありがとうございます。

今年は、ベストドラマを決められるほど、ドラマを見ていないというのが本当のところですね。 どうしてこんなに忙しいんだろう(このギャグ分かるかなァ?…笑)。

前に書いたと思うのですが、私の今年のベストは 「泣くな、はらちゃん」。 次点は 「あまちゃん」。

「半沢」 はまだ4話くらいしか見てないし(笑)、「リーガルハイ」 もガッキーが移籍してから見てない(笑)。 どうも堺雅人サンのドラマは、見るのにちょっと気合が要るもんで(笑)。

ミスチルの桜井サンを見ながら、ああ結構オッサンになったんだなぁと思うと同時に、いまの30~40代初めの人にとっては、ミスチルとかB'Zとかが彼らのカリスマなんだろうな、と考えながら見てました。

今のカリスマ的なミュージシャンって誰なのかな?

それにしても、年末のここに来て、大滝詠一サンが亡くなったニュースが入ってきて、ちょっと動揺しています。 こないだ坂崎サンのラジオに出てきて、とぼけた味を発揮してらしたのに。 リンゴをのどに詰まらせた、とのこと。 単なる偶然かも知れないけれど、この記事で取り上げた 「リンゴ」 も、リンゴを食べる歌ですよね…。

投稿: リウ | 2013年12月31日 (火) 15時36分

リウ様

大瀧詠一さんがなくなったって。。。

どうしてこんなに悲しいんだろう!

素敵な曲をいっぱい書かれて、まだこれからも活躍されるはずだったのに、ほんとに残念です。

今夜はリウ様も「紅白」ご覧になれてるでしょうか?

リウ様のおっしゃるように、「紅白」の世代分け あるいは 大規模な変革が必要な気がしますね。

綾瀬はるかちゃん、頑張ってるけど、ほんと「はらはらどきどき」もんです。
なんとか完走してほしい。。

それにしても、ふなっしー は凄いキャラだなあ。
(先週末、彦根城へ行って ひこにゃん に会ってきました。ほんと 動きが ゆるキャラでした。 ふなっしーと対極です。)


投稿: rabi | 2013年12月31日 (火) 20時25分

rabi様
あけましておめでとうございます。 コメント下さり、ありがとうございます。

ギャグについてはご理解いただけていたようですが、返しが哀しい…。

紅白でも、お祭り気分に浸りながらも、どことなく喉の奥に引っかかったような感じが。

大滝サンは、坂崎サンのラジオでもしゃべってましたが、そのラジオ出演が今年最初で最後の仕事とか。 確か9月くらいの放送だったので、その後のことは分かりませんが、たぶんこのラジオ出演がメディアに出た最後だったのではないでしょうか。

ホントに急死、という感じで、新年が来たというのに、今イチめでたい気分にはなれないですね…。

投稿: リウ | 2014年1月 1日 (水) 00時25分

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