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2014年1月28日 (火)

永井一郎サン、加藤精三サンのこと

 この1月17日に加藤精三サンが86歳。 そしてその10日後の昨日、27日に永井一郎サンが82歳。 私が幼いころから慣れ親しんできた声優さんが、立て続けにこの世を去りました。

 なんつーか、自分よりひと世代上の人たちが鬼籍に入る年代に、すでに突入していることは承知しているのですが、いざそうなってみると、いかに私の親たちの世代の存在が重かったかに思いを馳せざるを得ない。
 同時に、「自分たちの世代にはなにもない」 という無力感も湧いてくる(よく考えればいないこともないけど)。 さらに 「自分たちより下の世代には、輪をかけてなにもない」、という危惧すら覚える(田中マークンとか本田とかいるけど)。
 ただ、世の中は無常だけれども、この日本という国は、戦後から高度成長時代にかけて、敗戦で疲弊した世の中を鼓舞し、牽引していった偉大な人たちが特に多かった、と感じることが最近とみに多いのです。

 自分の中には 「声優さんというのは早死にが多い」、というヘンな思い込みというものがあって。
 それは 「宇宙戦艦ヤマト」 の古代進の声をやっていた富山敬サンが比較的早世だったことに端を発するのですが、「ルパン三世」 の山田康雄サンとか、広川太一郎サン、野沢那智サンなど、定期的に若死にしてしまう人のインパクトが強かったことによります。
 でも基本的には、声優さんの世界でもだいたいの人は、寿命を全うしていくわけで。

 その声優というお仕事は、だいたいが戦後アメリカから輸入されたテレビドラマで吹き替えというものをすることから派生したのですが、手塚治虫サンが作業をスリム化した(それでも労力はかかるんですが)ことで量産が可能になった、国産アニメの隆盛という時代に乗って、我々ガキ共に夢を与えたわけですよ。
 この独自なアニメの発展が、今の日本の文化の一翼を担うまでになったのも、そんな 「偉大な人たち」 の存在があったからこそなのであり。

 もともとマンガという素地がなければ、そしてそのマンガが面白くなければ、アニメというものが発達していったかどうかは怪しい。 その点、わが国にはトキワ荘のマンガ家たちという奇跡的な一派が戦後に存在していた。 そして手塚治虫という巨人が、その中枢に存在していたからこそ、アニメは興隆した。

 ただそのマンガという表現自体も、実は戦前の田河水泡サンの 「のらくろ」 あたりで大きく子供たちの支持を集めていたことは事実。 永井一郎サンが磯野波平の声を担当した 「サザエさん」 というマンガは、その田河水泡サンの弟子である長谷川町子サンによって、戦後間もなく連載が始まったマンガなのです(まあこれって説明不要という気もしますが、ここらへんまでさかのぼって体系的に説明しないと、どんだけ我が国の戦後世代のマンガ、アニメがとてつもないものだったのかが若い人には理解できないように感じます)。

 加藤精三サンが星一徹の声を担当した、「巨人の星」 というマンガは、そのなかにおいて 「劇画」 というマンガの発展形のなかで誕生したエポック的なマンガ(諸説ございましょうが)。
 その父親像というのは、それまでのマンガにあった表現形態から一歩進んだ、よりリアルを追求したものだった。
 個人的な話で恐縮なのですが、私の父親がこの星一徹にとてもよく似てましてね(笑)。 気に入らないことがあるとちゃぶ台なんてチマチマしてない、食卓の大きなテーブルをバーンとひっくり返すような人で(笑)。 私はテレビで 「巨人の星」 を見るたびに、なんかどこかでビクビクしていた気がします(笑)。
 だから私にとって星一徹は、「リアル」 そのもの。 ものすごく怖い存在だった。

 ところがこの星一徹。

 1980年代に始まった、フジテレビの 「オレたちひょうきん族」 で星飛雄馬役の古谷徹サンと一緒に、「巨人の星」 のパロディをやり始めたんですよ。 衝撃的だったなあ。
 と同時に、このことで、時代が 「深刻、暗い、クソ真面目」 という方向から、軽薄短小という段階に移行したことを、如実に(私にとっては残酷に)提示された気がします。
 そのカリカチュアは最近のauのコマーシャルまで、連綿と続いていた気がしますね。 剛力彩芽チャンとも共演したことになる(笑)。

 永井一郎サンは 「サザエさん」 の波平役、というのが一般的ということになりましょう。 私もそのイメージが非常に強かった。

 ただ、自分が中学生くらいのときはそのイメージが巨大すぎて、永井サンがほかの場面で出てくると、とても違和感を持ってしまっていた時期もありました。
 そのいちばんの弊害は 「機動戦士ガンダム」。
 永井サンがナレーションだったんですが、ナレーションが出るたびに 「コイツは波平、コイツは波平…」 という声が頭の中に広がり(笑)、ついにこのアニメをマジメに見ることがなかった(笑)。 それ以来ガンダムとは疎遠なままです(笑)。
 「未来少年コナン」 のダイス船長役も、だから最初は 「コイツは波平、コイツは波平…」 という感じだったんですが(笑)、なんかズッコケキャラクターだし、何より話が面白いんで(そりゃそーだ、宮崎駿サンの出世作なんだから)気にならなくなった。

 でもですよ、「さるとびエッちゃん」 ではエッちゃんの飼い犬で(エッちゃんがワカメだったよなあ、そーいえば)関西弁をしゃべるブルドッグ(なんじゃソリャ…爆)だったのに、当時は小学生くらいだったから気にならなかったんだよなァ。 チューボーあたりになるとヘンな知識が邪魔してダメだよな(笑)。

 そんな自分ですが、永井サンの吹き替えでいちばん個人的に印象に残っているのは、宮崎駿サンの 「名探偵ホームズ」 のなかの、「海底の財宝」。
 「さるとびエッちゃん」 のリスペクトなのか知らんけれども(笑)、登場人物が犬ばかりのこのアニメのなかで、永井サンが担当したのは、双子のブルドッグ(笑)。 イギリス海軍(だったっけな)のお偉いサンで、すごくエキセントリックな兄弟ゲンカをしていた(もちろん2役)。 当時私は大学生になっていたこともあって、もうかつてのような 「コイツは波平…」 という呪いの言葉も聞こえることがなく(笑)、素直に 「この人はすごい、やるときゃやる」、という印象を持ったのでした。
 宮崎アニメの中では、「コナン」 のダイス船長をはじめとして、「ナウシカ」 でもミト、「ラピュタ」 でもなんかの将軍かなんか(なんだったっけか)、とにかく重要な役が多かった。

 この加藤サンと永井サンが共演、はしてなかったのかもしれませんが、チョイ役で一緒に出ていたアニメが 「はじめの一歩」。 でも個人的にいちばん印象に残っているのは、なんと言っても 「ペリーヌ物語」('78年)にとどめを刺します。

 ここでこのおふたりは、ペリーヌが精神的にいちばんつらかったであろう、パリ編での下宿屋で登場します。 永井サンはそこの下宿屋の、ごうつくばりの管理人、シモンじいさん。 お金のないペリーヌ親子に、馬車は○○サンチーム、犬(バロン)は…などと細かく料金設定してくる金の亡者で(笑)。 でも最後はペリーヌにとてもよくしてくれるようになる。
 このときは永井サンの声が結構作っていたので、波平だとは気付かなかったなァ。

 かたや、加藤サンの役はそこの下宿人で、とても美味しいスープを作るガストンさんという人。 ケチでなかなかそのスープを他人にやったりしない男だったのですが、ペリーヌの母親マリが病で弱っていくときにそっと差し入れしてくれた。
 ここでの結末は本当に話が暗くて、もう涙なしでは見ることができません。
 ただ声優さんたちに興味の中心を移すと、このパリ編でルクリおばさんという男みたいなおばさんが出てきて、ペリーヌ達と旅を共にしたロバのパリカールを買い取っていくのですが、この声優さんが磯野フネ役の麻生美代子サン。 思わぬところで、シモンじいさんの永井サンと共演するのです。 後年このことに気付いたときは、ちょっとだけコーフンしました(ハハ)。

 私のなかでは、もう知り合いとかそういうレベルじゃなくて、遍歴の一部、魂の一部のような、このおふたかたが亡くなられたことは、残念という言葉だけでは言い尽くせません。

 月並みではございますが、おふたかたのご冥福を、お祈り申し上げます。

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コメント

加藤精三さんと言えば星一徹、
永井一郎さんと言えば磯野波平、
お二人とも、昔の「頑固親父」「雷親父」を声で好演されました。
近年、「友達関係のような親子」とよく言われるようですが、両氏が演じたような「雷親父」の存在が稀少になった所為かも知れないですね。
お二人には、天国から、下界に向かって、「ヴァッカモ~ン!」と叫んでもらいたいものです(斯く言う小生は、現在定職に就いていない「アラフィフ」であり、罵倒されても致し方ないですが…)
加藤さん、永井さん、両氏のご冥福をお祈り申し上げます。
合掌

中年ニート様
コメント下さり、ありがとうございます。

私もあと1カ月余りで49になるアラフィフでございます(笑)。

どのようなご事情でニートになってしまったのかは分かりませんが、僭越ながら、「人生生きようと思えば何とかなるもんだ」 と前向きにとらえられたらいいか、と存じます。

自分のオヤジはまだ健在で、息子のふがいなさをいまだにガツンとやられます。 でも親もいつまでも生きているわけでもない。 永井サンたちの年齢にはまだ届かないけれども、やはり自分の親の世代が、もういつ亡くなってもおかしくない時代に差し掛かっている、そんなやりきれなさは募っております。

ずいぶん昔に、「大聖堂」話でおじゃまいたしました、あおぞらです。
ご無沙汰いたしております。
永井一郎さんの訃報、本当に本当に悲しいです。
ずっと「いつかこんな日が来る」と思いつつ、いろんなシーンでの永井さんの声を楽しませていただいていたのですが
実際に「その日」がきてしまいました。

どこでも表だって取りあげられることのない、永井さんのアニメキャラ
「山ねずみロッキーチャック」で演じたピーターうさぎが
わたしにとって最高の永井さんキャラだということを、どこかで訴えたくて、出てきてしまいました。すみません

波平さんはもちろんのこと、リウさんがあげておられるダイス船長、シモンじいさん等々、しぶい男性声は有名なのですが
このピーターうさぎは、おバカで詮索好きで愛すべき可愛いキャラクターでした。
ガンダムでリウさんが「波平、波平」と思われていたように、わたしは他のキャラの声を聞くたびに「ピーターうさぎの’くせに’(笑)」と思ってしまってました。
つい最近も、早朝からロッキーチャックの再放送があったので、中学生の子供と共に楽しんでいたのですが、「永井さんピーター」の歌も(音楽は即興なのでしょうか?)生き生きしていて、やっぱりこの声が一番好きだ~なんて、堪能していたというのに。

ちなみに、麻生さんもこのロッキーチャックでナレーションとキツネのおばあさんを(二役いらっしゃったようですが)演じられていました。


富山さん、山田さん、野沢さん(コブラなんて懐かしすぎです)、広川さん、お名前を読みながらうん、うん、うん、とうなずく世代です。納屋さんもお亡くなりになってしまい、残酷にも時代が流れて行くことを実感せざるを得ません。

加藤さんに関しては星一徹ということしか知らないと思っていたのですが
今回リウさんの記事により、ペリーヌのガストンさんだと知り、これまたなんとも言えない感慨を感じています。


お二方の冥福をお祈りいたします。
そして、残された作品をこれからも楽しませていただきたいと思います。


あおぞら様
コメント下さり、ありがとうございます。 返信が、大変遅れました。 深くお詫び申し上げます。

なにしろこのところ多忙を極めておりまして、そのうえに先週のあの雪。 雪が降ったあともだいぶ仕事に影響が残ってしまい、いまようやく2週間ぶりくらいに休日が取れた、という感覚です。

「山ねずみロッキーチャック」 は、「ムーミン」 と 「ハイジ」 のあいだに放送されたせいか、かなり世間的には印象の薄い作品になっている気がするのですが、どういうわけか家にこれの主題歌とエンディング歌のレコードがございまして、個人的にはこおろぎ'73の歌がとても印象に残っているアニメです(テレビでは1番しか歌われないのに、3番くらいまでなんとなく覚えてる…笑)。

ただし本編のほうを全部網羅して見ていたか、というとちょっと怪しい(笑)。 '73年当時というとかなり刺激的な特撮やアニメばかり見ていましたから、自分的には退屈だったのかもしれません。

けれども数年前にNHKBSでやっていたのをあらためて見て、その声優陣の層の厚さに、唸りまくりました。 当時のいわゆる 「若手」 の声優さんが、ほぼ全員出ている。

小3の頃に見ていたときは、いちばん印象的だったのがカケスのサミーでしたね。 八代駿サン、まあ世間的にはくまのプーさんが有名ですが、私にしてみれば 「いなかっぺ大将」 の西一(にしはじめ)。 その意地悪なキャラクターがカケスのサミーにも受け継がれていたんですが、このサミー、なんーか意地悪なようでいて仲間思い、でもある。 不思議なキャラクターで、いちばん印象的でしたね。 八代サンも10年ほど前に、お亡くなりになってしまいました。

で、つぎはキツネのレッド。 これが富山敬サンでしたね。 でも当時はまだ宇宙戦艦ヤマトはやってなかったから、別に思い入れもなく(笑)。

ただこのキツネのレッドと磯野フネサン(確かレッドの母親じゃなくておばあさんだったな)の組み合わせ。 隙あらばロッキーやポリーを食っちまおう、という、なんか、子供心にあまりシャレにならないキャラクターだった(笑)。 怖かったですよ、このキツネのコンビは。 そこをなんとか子供向けにするように、「マヌケ」 という設定にしていた気がします。

そうか~、ウサギのピーターが、永井サンでしたよね。

すごく意気地なしで、なんかロッキーたちをいつも窮地に追い込んでしまう、そんな役だった気がします。

けれども、そんな有名人だらけのこのアニメ、主役のロッキーの人が、なん~かいまだによく分かんない(笑)。 ポリーは峰不二子ですよね(笑)。

私はこのふたり、いや二匹が結婚しているものだとばかり思っていたのですが、NHKBSでの再放送を見ていて、「アレ?結構疎遠じゃんコイツラ」 みたいな(笑)。 「♪確かめたい、あなたと二人で~ロッキ~~♡♡」 みたいに歌ってたからてっきり子供もいるのかと思ってた(笑)。

それと、人間の子供が、こんなにしょっちゅう出てたかな、なんて。 子供の記憶力というのは、どうも当てになりません(笑)。

昔の声優さんは、ホントに個性が強かった。 いや、あえて悪い言い方をすれば、キツ過ぎた(笑)。 でも、だからこそ私たち子供たちの記憶に、永く永く残ることになったんだ、と思います。

だいたいですよ、八奈見乗児サンが伴宙太をやってて、ココロのボスをやってたんですからね(笑)。 個性あり過ぎ。

どうも話が終わらなくなってきたので、ここで強引に終わりたいと思います(笑)。 加藤サン、永井サンが天国で先に逝った人たちと楽しくやっていると、切に願っています。

リウさま、お返事ありがとうございました。
そしてお休みされるとのこと。
さみしくなります。
ですが、ブログを続けられる、ということは本当に時間が必要なことだろうな、といつも思っていました。

拓郎さんのラジオの話や、ドラマの数々も好みが似通っていたので、リウさまのお話は楽しませていただいてましたが
こちらは読ませていただくだけで、同じようにドラマや映画を見る時間も使っていてなおかつ、感じたことを文章にし、それに対するコメントにも丁寧に返事をしてくださるだけの時間といったら、本当に「好き」だけではなかなか続けられるものではないと。

わたしも年齢が近いと思うので、ご両親の介護などなど、多忙な年代になっているのでは、と勝手な想像をしてしまったりしますが、くれぐれもお身体を大切になさってください。そしてまたゆっくりと復活してくださいね。
その時を楽しみにしています。


さて、ここの返信ですが、かけすのサミーがプーさん!!には、そうそうそうだったですね!とびっくり。
そして主役なのにロッキーの声のひとは、本当によくわかりませんね・苦笑

ところで永井さんがお亡くなりになったあとから放送されている某携帯のCMのラストに永井さんの声が!というのにも驚きと喜びと、「声の仕事」の深さを感じました。

おじゃましたしました。

あおぞら様
コメント下さり、ありがとうございます。

あおぞら様のおっしゃる通りで、結構このブログには時間をかけていたのですが、このところ体がとても疲れやすい、というのも大きいかもしれません。 人間こうして、老化していくものなんでしょうかね(笑)。

永井サンが出ていた 「はじめの一歩」 でも、リングで観戦している最初のころはちゃんと声を出していたのに、途中から絵だけは出てても声の出演はなし。 やっぱりちょっとそれだけでも、さびしくなりましたね。

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BOOKS

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  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
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  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

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    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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