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2014年4月15日 (火)

「極悪がんぼ」 第1回 どうしてそこに飛び込む?

 初恋の人に何年かぶりで会ったら、すっかりケバイもしくはチャラい人に変わってた…。
 今回尾野真千子サン主演のこのドラマで、「恋愛ドラマの王道、月9」 という拘束具を外したフジテレビ。 これって昼の帯番組の老舗 「笑っていいとも」 を終わらせるのと、どこか傾向的に似ている気がする。 つまり劇的で根本的な変化を自らに強いているわけですが、そこにはある種の 「開き直り」 さらには 「自暴自棄」 があるような気がするんですよ。
 初恋の人がそのように変わっていたらたいていは幻滅するのですが、人によっては 「それって面白い」、と思えるかもしれない(なんだこの例え)。
 これって、「極悪がんぼ」 の第1回を見終わって感じた 「どういう感想をもったらいいのか分からない」、という戸惑いと似ている。

 今回の題材というのは、要するに裏社会を舞台に、カネでドロドロの話が延々と続くわけですが、そのえげつなさは 「月9」 とは対極にあるモノ。 性格としては、深夜にやるようなドラマだと言っていい。 毒はけっして抜けはしないのだけれど、ドラマは原作であるマンガになるべく準拠させたがるのか、全体的にマンガチック。 町や人物の名前もマンガチックだし、しゃべる広島弁も実にマンガチック。 広島の人が見たらダメ出ししそうな広島弁つーか(笑)。 でもそれらはリアリティをなくすための手段だ、とも考えられる。

 ドラマの内容が法律に触れるようなことばかりなので、いかんせん主役のオノマチが正義感でやっている痛快な行動も、「果たしてどこまでがいいんだろうか」、と考えると途端に、見ている側にブレーキがかかる。
 だからドラマを見終わったあとも、どこか嚥下不良感が残るのです。

 それでも、このマンガチックさを楽しんでしまう、というのもひとつの方法ではある。
 竹内力サンなんかはもうそもそもがヤーサンよりヤーサンぽいし(ハハ)。
 たぶんみんな、原作のコスプレをやってるんだろうけど(笑)。
 三浦友和サンなんかは金髪にしちゃって、ドスの利いた経済ヤクザ、事件屋をやってます。

 ここでオッサンの昔話に突入いたしますが(笑)、三浦友和サンがヤクザをやったいちばん最初というのは、私の記憶が確かならば(周富徳サンのご冥福をお祈りします)山口百恵チャンとの映画 「泥だらけの純情」 だったと思います。
 それまでサワヤカーな青年役ばかりだった友和サンの、初めての汚れ役。 その当時はまっすぐな青年がどこかでねじくれてしまっていきがっている、という表面的なヤクザだった気がしますが、年月は友和サンを、貫録のあるヤクザもできる役者へと押し上げたようであります。 そこには汚れ役への戸惑いというものはなく、ただ役を楽しんでいるひとりの役者がいる。

 「カーネ」 信者にはオノマチと小林薫サンとの再共演、という要素も魅力ですが、今回のオノマチサンは原作では男なのを女に設定変換したうえでの登場。 しかも 「薫」 という役名をいただいています(いただいてんのかどうかは知らんけど)。

 その彼女と第1話でともに窮地に立たされるのが、「純と愛」 の純こと夏菜サン。 要するに友和サンは朝ドラの主役ふたりを蹂躙したことになる(笑)。 残念なのは夏菜サンが第1回だけの出演ぽいこと。 キャバクラ嬢にでもなってもっと楽しませてほしかった(エロジジイ)。 にしても最後はアレだったけど、夏菜サンもなかなか幸せになれないよな(現実と混同しとる)。 オジサンは純には幸せになってほしいんだ。 朝ドラがあんなだったから。

 原作では主人公の友人なのに、主人公が女になってしまったことから、カレシにならざるを得なくなったのが三浦翔平クン。 コイツがすべての元凶なのですが、コイツの作ったポテトサラダだけはやたらうまい、らしい(笑)。
 コイツが行方をくらましたあとでなんか友和サン関係のスナックで働くことになるんですが、どうもここらへんの成り行きがわざとなのかなにも考えてなくて三浦翔平クンを(友和サンの息子…じゃないよね…笑)出したいがためにそのスナックで働かせるのかが分からない。 どうしてよりによってこのスナックなのかな。 スナックのママは仲里依紗チャン。 どうも情報屋らしいけど、ネットで検索程度の情報屋じゃないの?みたいな(笑)中途半端なものも感じる。

 で、話はその、友和サンたちの経済ヤクザにオノマチが次第に巻き込まれていく、という展開をとっていくわけだけれど、こういう人たちのやりくちというのは、まず難しそうなことをまくし立てて話をなあなあのうちに取りまとめてしまおう、というケースが多い。 つまり話にブラックボックス的な部分を潜ませながら相手を騙していくわけですが、いわゆる広義での 「振り込め詐欺」 もこれに当たる。

 果たしてオノマチはそこをちゃんと理解しながら、彼らに巻き込まれているのか?

 そこがどうもモヤモヤする。

 翻って考えると、果たしてフジテレビは、このような法律に触れそうな問題ある題材を、きちんと理解しながら、月9の身をもち崩させているのだろうか? そこを承知で初恋の人をケバイ女性に仕立てようとしているのか?(例えが分からん)。

 オノマチはこの、友和サンたちの輪(小清水経営コンサルタント)の中に、違法行為上等で飛び込もうとしている。 毒は、毒でもって制することが出来るのか?

 私の興味はドラマの面白さやマンガチックさとは別に、そこにあるような感じです。

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テレビ」カテゴリの記事

コメント

リウ様
こんばんは。

いやあ、評価にお困りなのが手に取るようで(笑)、実は私もそうなんですけどね。

原作のマンガは未読ですが、「ナニワ金融道」「カバチタレ」の流れを汲む作品ですよね。
ただ、前2作の主人公たちが、色々アブナイ橋を渡りながらも、結局、法のこっちがわに留まっているのに対し(時折はみ出すことはあるにせよ)、今作の主人公は、初めっから法秩序の向こう側に行っちゃった人。
いわば、「闇金ウシジマくん」のような、存在自体が非合法な方たちなわけで、まあ、ゴールデンのしかも月9でやるには、かなりチャレンジングな素材なのですよ。

で、こういうお話を上手くお茶の間に着地させるためには、一つは「リーガル・ハイ」のようにコメディの体裁をとる事、もう一つは、「必殺!」のパターンで、悪を以て巨悪を制する変形勧善懲悪に持って行く方法があると思うのですが、第1話を観たかぎりでは、その方向性がはっきり定まってないという印象を受けましたね。

この出演者の顔ぶれだと、恐らく、後者の方で行くのかな、とは思うのですが、いかんせん、この手のモノに欠かせない、巨悪がやっつけられるカタルシスが決定的に欠けている。あの「極楽島」のオーナーだって、ちゃんと対価を払ってるんだし、どっちかと言えば被害者でしょ?と思わせてしまうところがある。ただ、それが、意図しての物かもしれない可能性があるので、私の奥歯にも、なんとも知れないものが引っかかっております。


あと、2~3話観ないと、作り手の意図しているものが見えてこないのかもしれませんね。
まあ、これだけ濃い面子の演技合戦は、それだけでも見応えがあるので、当分は付き合おうと思っております。

投稿: Zai-Chen | 2014年4月15日 (火) 22時24分

Zai-Chen様
コメント下さり、ありがとうございます。

「ナニワ金融道」 も 「カバチタレ」 も見てないので何とも申せませんが(笑)、そもそもヤー様絡みのドラマって、敬遠するタイプでして。 だからヤンキーのドラマもあまり見ない。 クローズもワーストもなにソレ?とゆー感じです(触れもしないから概要すらも分からない)。

だから今回の違法行為だらけのドラマにあまり感情移入できないんでしょうが、「ドン★キホーテ」 の時もそうでしたけど、ヤー様絡みのドラマはコメディにする、というクッションをテレビ局というのはつけたがりますね。

そもそもそうやって違法行為を羅列して見せて、「明日、ママがいない」 くらいに世間で騒いでくれれば儲けもの、というテレビ局のスケベ心も透けて見える。

まあ、出演者の顔触れを見ながらその悪い奴らの演技それ自体をニンマリしながら堪能する、というZai-Chen様の方法が正しい視聴のしかたなのかもしれません。

どうもウィキを読んでみると、主人公を男から女に変えただけでなく、性格もかなり変えているような気がします。 「夢はビッグになること」 なんて、薫は全然そんな傾向がないし。 過去に母親と一緒に酷い目に遭った、というエピソードもつけて、何か意味のあるものに仕立て上げようとしているのは分かるけれど、それを見ているモノの心を動かすまでに昇華しきれてない。

第1回のままでは視聴は厳しいです。 どう状況が変化していくかで視聴継続は決まっていくと思います。

投稿: リウ | 2014年4月16日 (水) 13時41分

橋本様
初恋の人の変貌・・・私にとっては娘の変貌って感じですかね。
橋本様同様、いいのか悪いのか、珍しくはっきり答えを出せないドラマでした。もともと、尾野さんが出てなければ見ないジャンルのドラマですが、豪華キャストでその紹介で終わった感じの1話でしたので、もう一話は見よう、と思っています。

 思えば、「最高の離婚」も彼女が出てるからってだけで見続け、それでも最終回はヤッホー!!って感じでしたので・・・しばらく様子見、と言って最終話まで見るんだろうな・・・あんな駄作の「サマレス」だって頑張って見たんですからね~(笑)
 
 この脚本家さんが、これまでにどのような作品を書かれているのかは存じませんが、面白い方向に展開される事をファンとしては祈るのみです・・・。
 
 
BSで再放送中の糸子は、やはりいいですね~♪
 今季のドラマ、期待は土曜日夜、NHKの「ロンググッドバイ」渡辺あやさん脚本です。よろしければ、ご覧になって感想を・・・。

投稿: おばさん | 2014年4月17日 (木) 19時18分

おばさん 様
コメント下さり、ありがとうございます。

まあ私も、初恋の人というほどでもございませんが…(笑)月9が全盛のころ、私はテレビドラマから最も離れていましたから。

「カーネーション」 では、その存在自体が糸子にとって最後までライバルのように思えた善作。 「おとうちゃんなら、どうしただろう」「おとうちゃんみたいにカッコよく出来ない」。

それはまるでラスボスのようでした(笑)。 ラスボスって、分かりますよね(笑)ゲームで言うところの、最後に出てくる最強の敵。

その関係が今回も継続しているところが興味深い気がします。 立場も状況もまったく違うけれども。

オノマチにとっては、役者として越えなければならない存在なのかもしれません。

「ロンググッドバイ」 も視聴予定であります。 その前に、たまっている 「最高の離婚」 も片付けたいところです(いつまでかかってるんだよ…笑)。

投稿: リウ | 2014年4月18日 (金) 12時46分

橋本様
 ロスボス、初めて聞いた言葉です。カタカナ言葉が覚えきれないので、又、すぐ忘れるでしょうが・・・教えて下さって、有難うございます。それにしてもホント、解らないカタカナ言葉、多いですよ~。
 
 小林薫さんに関しては、尾野さんが「怖い存在(役者として)」と何かの取材で言ってましたね。尊敬を超えたもののように受け取りました。まさに「役者として越えなければならない存在」なのでしょうネ。
おばさんは糸子のお父ちゃんの時の小林さんが1番好き!です。映画「夏の終わり」やドラマ「ウーマン」の時の小林さんは???って感じ、正直、物足りなかったです。
「がんぼ」では、口数少ないミステリアスな、しかし怖そうな役で、これから二人がどう絡むのか、楽しみです。

 「最高の離婚」スペシャル、とても良かった反面、またまた不完全燃焼って感じで、面倒くさい二人でした・・・(笑)

投稿: おばさん | 2014年4月18日 (金) 19時44分

おばさん 様
コメント下さり、ありがとうございます。

ロスボスじゃなくてラスボスっス(ダメ出し…笑)。 ラストボスの略かな(ゲームやらない人にはなんのことやら…ですよね)。

私は小林薫サンのいちばん好きな役は、「イキのいい奴!」 の大将でしたね(何十年前だよ…30年くらい前じゃないの?…笑)。 私はアレで小林サンの熱烈なファンになったのです。

長年小林サンを見てると、「これは会心の役だな!」 というのが、かなり少ないです、実感として。

だから善作は、もう久々に見た小林サンの当たり役。

「最高の離婚」 スペシャルでも不完全燃焼なんですか…どうもフジテレビのスペシャル版というのは、CM多すぎたり(「鍵…」 のことかな?…笑)ロクでもないのが多い気がします。

投稿: リウ | 2014年4月19日 (土) 07時24分

橋本様
アハハ・・・笑ってごまかす自分の失敗、と言うところで、、、。勝手に言葉を(特にカタカナ言葉は)脳内変換してし、仮にまちがって使っても笑いでごまかせるのが年取った証拠?すっかりおばさん化の証拠ですね。これに懲りずお付き合いくださいませ。

投稿: おばさん | 2014年4月20日 (日) 10時54分

おばさん 様
コメント下さり、ありがとうございます。

スイマセン、ダメ出ししてしまいました(笑)。 でも間違いなんてよくあることですから、ちっとも平気です。 わたしもワープロ時代の名残でアルファベット入力せずに未だに50音でキーボードを叩いてますが、変換間違い等々、よくやらかしますよ~coldsweats01

投稿: リウ | 2014年4月20日 (日) 15時39分

>朝ドラの主役ふたりを蹂躙したことになる
こちらの民放で「名前のない女神」というママ友のドロドロ物語をやっていますが3人蹂躙される事にならないかな(笑。
5人の母親の中で主人公が「ごちそうさん」の杏、後はオノマチと「ウェルかめ」の倉木カナが両脇を固める。この手の作品の定番で主人公は普通の常識人。カナさん、一番若くて美人(「ウェルかめ」は「ゲゲゲ」の前だけど現代ドラマだったので)
だけど娘を芸能界デビューさせようと焦ったり虚栄心が強くて狡猾な印象。オノマチはどこか旦那にオドオドしていてリウ様が見てきた他の母親役とは大分、違います。杏さんに助けられて(オノマチの方が年上だけど杏の方が背が高いので、そういうイメージが薄い)いる事が多くて「おおきに!」と言い出さないか構えちゃいます。

まあ全員、役の上の母親ですが。
新山千春さん、この作品に放り込んだら面白かったかなぁ…。

投稿: 巨炎 | 2014年8月 3日 (日) 13時55分

巨炎様
コメント下さり、ありがとうございます。 出張していたため、返信が大幅に遅れました。 大変申し訳ございません。

朝ドラというのは旬の女優を作り出す術に長けているというか、まあ少なくとも半年出ずっぱりですからその影響力というのは想像を絶するものだと思うんですが、倉橋カナサンは朝ドラ後の印象が薄い。 もともと巨乳で(笑)グラビアアイドルっぽかったから仕方ないけれど。

で、イメージの混同が起こることになります(笑)。

「妻は、くノ一」 の最終章で、「ウェルかめ」 に出ていた松尾れい子サンが滝本美織チャンと共演していて、「オッ、これ久しぶりじゃん」 とか思ったんだけど美織チャンは 「てっぱん」 だった(笑)。 カナチャンがウェルかめだって(笑)。

杏サンは背が高すぎて、共演の男優サンを限定させてしまうという弱みがある気がしますね。
「花咲舞が黙ってない」 で上川隆也サンと共演したけど、カメラマンがアングルに苦労してる感じがしてました(笑)。

投稿: リウ | 2014年8月 9日 (土) 14時47分

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