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2014年5月25日 (日)

「SHERLOCK3」 第1回 ドラマの行きつく果て

 前回のシリーズで、ホームズが偽装自殺をしたことの種明かしがなされる、と思っていた、今回の第3シーズン。
 それを実際のドラマと同じ、2年のあいだ待たされ続けたわけですが(1年半か…笑)、このひねくれねじ曲がりまくりのこのドラマ、そう簡単にタネなど明かさないのです(笑)。

 それに、じらしにじらしたあげく、私が感じた疑問がまたごまかされているようにも感じる。

 つまり、モリアーティはホントに、銃口を口の中に突っ込んで、自殺したのか。

 確かにモリアーティが死ねばその瞬間にジョン・ワトソンらが生命の危険に晒される、というゲームが進行してはいたのだが、果たしてシリーズ全体をその倒錯した狂気で引き締めていたモリアーティを、ドラマの作り手は簡単に手放すことが出来るのか、という疑問があるんですよ。

 モリアーティの自殺する場面をもう一度思い起こしてみると、どうもその動機というものが釈然としない。 このドラマがいつも使用している言語、すなわち曖昧模糊としたキーワードの羅列によって、彼のホームズに対する憎しみが説明されているだけにすぎない、と感じるのです。
 よしんばそれを理解したとして、じゃあどうしてモリアーティが、自分の命と引き換えにして、自分の憎しみを成就させようとするのか。 ここの説明が脆弱なように感じられてならないのです。
 これってこのドラマの 「先を読み過ぎる」 クレバーなスピードに、自分が酔っちゃっているために起こる疑問でしょうか?

 ホームズは兄のマイクロフトに対して、この2年のあいだ、モリアーティの組織潰しに全世界を飛び回っていた、という。
 これって自分が死んだことにし、ドンであるモリアーティが死ななければ、そういうことが出来るような状態になかなかならない。
 でも実は、モリアーティが生きていて、自分から組織のありかを吐かなければ、そんなにたやすく出来るようなことでもない気がするんですよ。

 今回、第1回のサブリミナル的なショットの中で、気になるのは 「催眠術」 です。
 まず冒頭の、新聞記者が考え出したシャーロックの偽装自殺解明のシーンの中で、まずワトソンが誰かに催眠術にかけられている。
 まあこれは仮説の映像でしたが、そのワトソンが火に焼かれて殺されそうになるのをシャーロックが助け出そう、としたシーンで、シャーロックは通りを走るバイクを、催眠術で止めるんですよ(たぶん…笑)。
 これはもしかして、モリアーティを催眠術にかけて組織のありかを吐かせた、というフラグになっているのではないか、と(笑)。

 ここまで来ると、考えすぎの世界ですよね(笑)。

 でもこのドラマ、伏線とか布石とか、すごく無造作なクセに綿密に仕組まれていて、なにがキーワードになっているかが、そのことが判明するまで分からない仕組みになっている。

 さらにはドラマの作り手は、その先を読んでいて、それが解明したと見せかけておいて、実は見る側を騙そうとしていた、なんてこともある。

 つまりひとつひとつの場面がすべて疎かにできず、こっちも頭の回転をフルスピードにしていなければならない強迫観念の中に置かれる。

 伏線に布石に。

 これはドラマを作る上で大切にされなければならないことだし、ドラマ好きはそれを探して悦に入る。
 しかしそれが高じていって、エスカレートしていくと、ドラマ自体が巨大なフェイクの塊になっていく。
 視聴者は常に疑心暗鬼に晒され、結局なにが起こったのか誰も分からなくなる。
 分かったのは、熱心なフォロワーだけ(シャーロッキアンもついていけるかどうか不明…笑)。
 フォロワーは自分の分析をネットに公開。
 「そーだったのか!」 の嵐。

 なんか違うような気がするぞ(笑)。 ドラマの楽しみ方って、そんなんでいいのか?(笑)

 私はここ最近、あまり布石とか伏線とか、ドラマの感想で書かなくなりました。 なんとなく辟易しているからです(ハハ)。
 あまりドラマの作り方のコツをつかんでいるようなのって、見ていてそれなりに楽しめるけれども、なんかドキドキがなくて。 コツをつかめば200回くらいドラマが作れますみたいな(なんだソレ…笑)。

 あ~あこうなると、ドラマの見過ぎの副作用かもしれん。

 「SHERLOCK」 シリーズというのは、こうした 「近未来のドラマが行きつく果て」 を体現しているドラマだ、という気がするんですよ。

 たぶんまた、「んなんじゃそりゃあああ~~~っ!」 みたいなシリーズの終わり方をして第4シーズンに行くんでしょうね(笑)。

 でも面白いですよ。 ただいちいち、このシーンはどうとか解説したくない、いや、小賢しく解説できない。 もともとおバカですから、本国イギリスではとっくに終わっているこのシーズンについて、途中であーだこーだいうのは、ちょっとマヌケすぎる気もするし。
 だからさっきの 「モリアーティがホントに自殺したのか?」 ということだって、シリーズを先に見た人にとってはマヌケな疑問かもしれないし。

 でもその疑問も、モリアーティが自殺に至る動機をドラマがきちんと描いているかどうかが疑問、ということから発生しているわけです。
 そのほかでも、今回の第1回、人間のことがキライで人間がどんなものなのかも分からない、というシャーロックが、兄のマイクロフトと依頼人の忘れ物の帽子について推理をし合う、というゲームを行なうのですが、人間の心が分からない者が推理のしようもないだろう、という物語の落とし穴がそこにある気がする。
 人間が分からないシャーロックだからこそ、死んだことになっていた自分が目の前に現れれば、ワトソンは喜ぶだろう、という推理をしているわけだけれども、これも完全にあてが外れて、ワトソンは激怒しまくりで頭突きをシャーロックに食らわせる(笑)。 話が緻密すぎるクセに、どうしてこういうところが甘いのかな。

 それともそれをわざとしているとか。 うそぶいているだけ、とか。

 こういうはぐらかしかたばかりしているから、結局ケムに巻かれて分かんなくなるんですよ(笑)。

 面白い! でもなんか、ちょっとこれでいいのかな、という気もする。

 そんな変な感想を持った、サードシーズンの第1回、なのであります。

「SHERLOCK」 第1シーズンの感想はこちら http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2012/07/sherlock-1-b72c.html

「SHERLOCK」 第2シーズンの感想はこちら http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2013/01/sherlock2-5914.html

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コメント

リウ様

大変、奥の深い長い考察、レビューありがとうございました。堪能致しました。
私もサードシーズン期待しつつ、見ていましたが、サブリミナルな画像が多く、切り替えが速くて、なかなか理解しづらかったというのが本音です。

モリアティはほんとに自殺しちゃったのでしょうか? 気になるところですね。
これからの展開はどうなるのか、4シーズンはあるのでしょうか?あと2回ですが楽しみに見ていきたいと思ってます。

そうそう話は変わりますが、先日TVを見てたら日本橋のTOHOシネマズで、ポールのニューヨークでのライブの映画をやってるそうです。
今日の「あさイチ」でも取り上げられてましたね。

rabi様
コメント下さり、ありがとうございます。

いや、ただ単に、「私はおバカなのでドラマの解説が出来ません」 というレビューだったんですが(笑)。

ただ見ていて、「もうボーイズラヴとかはいいよな」 という気になったのも確か。
ワトソンが髭を生やすとか剃るとかいう話も、とどのつまりは同性愛の視点から発生しているわけだし。 マイクロフトとシャーロックのあいだの兄弟愛にも、なにかそこらへんの危険な香りが付きまとっているし。 同性愛、もうそこらへんはいいんじゃないの、と。
原作にもその空気はあるにせよ、です。

これはまた仮説の映像でしたが、シャーロックとモリアーティがキキキキスしちまうのも、「あのなァ…」 というか(笑)。

シャーロックの偽装自殺、という点では、セカンドシーズンの 「シャーロックが愛した女」 が偽装自殺した?ことをなぞっているわけですよね。

でも2年のあいだにそんなこと忘れているわけだし(笑)、これを伏線というにはちょっと視聴者を試し過ぎ、というか(私も過去の自分のレビューを見て気付いた)。

いちいちファーストシーズンからおさらいしないと感心できないくらい複雑な作りってどうよ?というのが、今回のレビューの出発点です。

ポールの情報、お気に掛けてくださり恐縮です。

ただ本人は、まだマッカートニー・ショックから立ち直れない模様(笑)。 今日は頑張って 「花子とアン」 のレビューを書いてみたいものですが、果たして完成するかどうか…。

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    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

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    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

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    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

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