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2014年7月12日 (土)

「同窓生~人は、三度、恋をする~」 第1回 柴門ふみ氏と田渕久美子氏の共通点

 柴門ふみサン原作、田渕久美子女史脚本で、アラフォー男女4人の恋を描く、「同窓生」。

 むかし同じ柴門ふみサン原作で 「同・級・生」 というドラマがありました(1989年)。 安田成美サン、緒形直人サンが主演。 トレンディドラマの帝王石田純一サンも出てた。
 このドラマ、「Mother」「それでも、生きてゆく」「最高の離婚」 といった傑作を書いてきた、坂元裕二サンの初脚本ドラマだったらしい。 ただしトレンディドラマ全盛のその時期、私はいちばんドラマを見てない時期でしたので、そのドラマは未視聴。

 ただ 「同・級・生」 の原作は読んでます。
 そのあとがきで、たしか柴門サンは 「同じ年代の男女が対等の立場で恋をすることを避けたがっている」 当時の風潮に対してモノ申す、みたいな感覚でこの作品を描いた、と綴っていました(間違ってたらゴメン)。
 同じ時代を生きてきたどうしが、恋愛をすることを避けたがっている。
 それって現代にも立派に通用している話かもしれない。 年の差婚ってよく聞きますしね。 だから 「同・級・生」 の続編が出来たのかな(登場人物は違うけど)。

 女性の側にとってみれば、いまの世の中、ダンナに経済力があるということがますます重要化してきて、ある程度社会で成功している年配の男性と結婚するのがそのまま将来への安心感につながる、とか。
 まあ、勝手な憶測ですが。

 その思想的な背景はそれとして、今回の 「同窓生」 に出てくる登場人物たちは、私が20年以上前に読んだ 「同・級・生」 のなかの登場人物たちと、行動パターンが似通っている。

 つまり主人公の男(「同・級・生」 では鴨居クン、「同窓生」 では柳健太)が、過去に囚われ続けるウジウジした性格を引きずっている。
 そして相手役の女性(「同・級・生」 ではちなみ、「同窓生」 ではあけひ)が、相手の男の気持ちを知ってか知らずか奔放な振る舞いをして、相手の男の気持ちをかきまわし続ける。
 これらの行動パターンは捉え方によっては、柴門ふみマンガで展開した恋愛ドラマの典型であるようにも思えます。
 だから見方によっては、古臭くも思えてくる。
 バブルの時代のトレンディドラマに出てきた登場人物たちが、そのままなんの成長もしないまま、アラフォーを迎えている。 重ねたのは、ただ結婚と子供の誕生、というお定まりのコースだけ。

 その 「古臭さ」 はかなり今回、視聴者を選ぶのではないか、という気もします。
 「そう言えばバブルの時代、私たちはこんなに恋愛のことをマジメに考えていた」、という人にとっては、トレンディドラマの懐かしさと共に、ある種自分を振り返りながらの視聴になるかもしれない。
 現実のシビアさに揉まれてしまった人にとっては、こういう 「いまだに恋愛に蹂躙されている40代」 というのは気持悪くも思えてくるような気がする。

 まあ私はアラフィフなのでそれを客観的に見てしまうわけですが(笑)。

 でも年代からいって、「同・級・生」 を見ていた人たちって、いまアラフィフなんじゃないのかな~(笑)。

 ちなみにその 「同・級・生」 には、私のホントの同級生、クラスメイトも出演していたんですが(笑)。

 私は 「同・級・生」 のドラマは見てなかったけど、今回あけひを演じる稲森いずみサンなんかを見ていると、「こういう女、いるよな~」 と思ってしまう(笑)。
 なんかどっか鈍くて(笑)、どこかカワイ子ブリッコで、しかもその子はその子なりになんか悩んでいて、結局その子に自分の恋愛感情を根こそぎ持ってかれちゃうような。
 その子に悪意はないんだろうけど、その子のきまぐれでかなり気持ちがひっかき回されちゃう。
 同性には徹底的に嫌われる(笑)。
 「計算高い女」 と思われちゃうと、こういう子は悲惨ですね(笑)。

 そしてこのドラマの脚本家である、田渕久美子氏。
 「江」 では当ブログでもさんざん田渕女史の悪口を書いたんで、この人が脚本、と聞いただけで身構えてしまうんですが(笑)。
 「江」 の論調というのは、まさにこうした男女恋愛のカテゴリーに属しているんですよ。
 その視点はいかにもバブリーであり、「萌え」 的であり、ミーハーの域を出ない。

 意外にもその作風が、柴門ふみサンの、まあ悪い言いかたですが、「ちょっと前に流行した」 恋愛論と、奇妙に合致している。
 このおふたりの語り口が、妙に相性がいいんですよ。

 これって褒めてるのかなけなしてるのかな(たぶん後者の度合いが大きい…)。

 でもその相性の良さが、ドラマとしては好循環を生んでいる。

 つまり、ハマる人はハマる。

 私も性格的には、かなり過去に執着して、ウジウジ考えるタイプの人間ですから、井浦新サン演じる柳健太には、なんとなく感情移入してしまう。

 それに、チャラ男を演じる松岡昌宏サン。 いたよな~、柴門マンガに、この手の男(笑)。 そういう懐かしさで見てしまうと、チャラくてクサイのも気にならない(笑)。

 そのチャラ男が不倫承知でアタックするのが、板谷夕夏サン。 「ファースト・クラス」 では徹底してクールな女性編集長の役をやっていたので、今回独身行き遅れマンション購入に血道を上げるこの正反対のキャラが小気味よい。 松岡クンのいきなりのキス攻撃は、「ねえだろそんなの」 という感じでしたが、でも松岡クンはバブル時代のチャラ男の権現様ですからね(笑)。 そのキス攻撃に、平手打ちで反応する板谷サンのリアリティのほうがまさった(笑)。
 それにしてもこの松岡クンの妻が三浦理恵子サンか。 「ファースト・クラス」 に続いてライバル同士、ってわけですね(こういう見方もチャラいと言えばチャラい)。

 で、確かにこのチャラ男が 「人生リセット」 とか 「人生三度恋をする」 とか言い出すと、「なにをチャラい現実逃避してるんだ」 とか 「三度だろーが何度だろーが別にいいだろ」 と思うんですが(笑)、リアリティないのが逆に面白い、というか(笑)。

 リアリティなさ過ぎて笑えないのが 「若者たち2014」 だったわけですが。

 こちらのリアリティのなさのほうが、まだバブルを引きずっている、という点で、「若者たち2014」 より見ていられるんですよ。 「若者たち2014」 のリアリティのなさは、現代の若者たちと対極のところにあるから耐えられない。 それはそれでアンチテーゼという意味合いもあるのかもしれないけれど、「見ていてウザい人たち」 を 「見せよう」、という工夫がない点でドラマとして失格だ、と思うのです。

 どうも 「若者たち2014」 を引きずっちゃうな(笑)。 つまりそれだけウジウジ考えちゃうんですよ私も(笑)。

 とりあえず 「信長のシェフ」 と競合してしまう形ですが、できるだけ両方とも追っていきたいなァと思っているワタシです。

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コメント

過去作品は存じませんが「江」よりは
マシになるんじゃないかと(笑。

役者同様に脚本家も現代モノと時代モノは勝手が
違っていて向き不向きがあるのかもしれません。
田渕氏は朝ドラで「さくら」という帰国子女の
話をやった時には、そんなに悪い話ではなかった。

「吉原裏同心」などを観てもですね…(笑。
要は吉原の用心棒というだけで
シンプルな話ならなおの事、役者の演技が
大事になってくるのですが。
主役の小出氏の殺陣はイマイチだし、
妻の前夫の皆川氏も「あまちゃん」→「ピーターブラッド」
から代わり映えしないので仇敵がコントじみてる。
貫地谷さんは大河出演経験もあるのでマシですが。
林隆三氏の遺作らしいので頑張って観ますが…。

投稿: 巨炎 | 2014年7月13日 (日) 18時04分

巨炎様
コメント下さり、ありがとうございます。 返信が遅れ、新しい記事を優先までしてしまったために、大変失礼をいたしました。

田渕女史の創作能力自体に疑問を抱いているので(笑)「ホントにひとりで作ってんのかな?」 とか思っちゃうんですが(笑)、原作があれば 「どうにかなるさ。」(笑)。 原作なしで突っ走る橋田サンは偉大だ。

「吉原裏同心」 は、まだ 「若者たち」 みたいに発作的に批判したいと思わないだけマシでした(ハハ…)。
まあ、ワイヤーアクションした時点でかなり視聴意欲が減退するのですが(笑)、セリフ回しがなんか江戸時代じゃないという感じで。 江戸時代ごっこ、とでも言うんですかね(キツイ言いかたかな)。
林隆三サンの遺作だったんですか…。
猿チャンはアレが持ち味なのでいかんともしがたいですが(笑)、コミカルに逆ギレしながらどこまでも追っかけてくる、というのは、新種の恐怖かもしれません(爆)。

投稿: リウ | 2014年7月16日 (水) 11時20分

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