« 「ごめんね青春!」 第1回 クドカンとNHK、民放との相性 | トップページ | 近況報告(ちょっと、武者修行に行ってまいりました…笑) »

2014年10月19日 (日)

「信長協奏曲」 第1回 チープかもしれぬ生命観、チープゆえの疾走感

 最近ルパン三世のイメージが強い(笑)小栗旬クンがフジテレビの月9に登場。 現代の高校生である小栗クンが(この設定に少し難アリ)戦国時代にタイムスリップして、自分と瓜二つだった織田信長に 「オマエ、オレやって」 と言われて織田信長として生きていく、というドラマです。

 この、小栗クン演じるサブローという男、あくまでチャラい。 今まで見たタイムトラベラーのなかでは、いちばんチャラい、と言っていいんじゃないだろうか(笑)。
 その反面、自分が 「違う」、と思うことは、かなり頑強に主張しようとする熱血の面を持っている。
 これって、すごく矛盾してる気がするんですよ。
 チャラいなら、まわりの空気をうまく読んで、周囲に合わせて生きていくのが普通でしょう。
 それが、戦国時代の価値観で生きている、衆人環視の中心で愛を叫ぶ…ではなく、「死ぬな」 とか 「アンタラ、頭おかしいよ」 みたいなことを、なんの躊躇もなく叫んでしまう。
 こういうことを堂々と言える、というのは、かなりの鈍感か、でなければ相当度胸の据わった男ですよね。

 サブローの価値観の核にあるのが、「殺しちゃダメでしょ」。
 これは、長い人類の歴史のなかでも、太平洋戦争の敗戦以降、戦争を放棄した日本人だけが、突出して育んできた特異な価値観のように思える。
 ほかの国なんか、アメリカだろうとなんだろうと、「殺さにゃならない時もある」、という行動基準で国際社会を生きてますよね。

 このドラマは原作がマンガで、だからノリがとてもマンガっぽいんですが、結構キャラ設定が変えられているらしい。 原作は知らないけれど、先に書いたようにサブローの性格が矛盾を孕んでいる、というのは、キャラ変更のあおりなのかな。
 信長の嫁の帰蝶が柴咲コウサン。 濃姫という呼称ではないですね。 今年の大河で濃姫の名で内田有紀サンが出てたし。 どうも柴咲サンと、大河で官兵衛の妻をやってる中谷美紀サンって、イメージかぶるんだよな~(笑)。
 その帰蝶ですが、これも原作とはキャラが違ってかなりのおキャンになっているらしいですが、それがチャラ男のサブローとの相性がいい。 このふたりのやり取りは面白いですね。

 このサブローを支える池田恒興が向井理クン。 小栗と向井を出しときゃ視聴率アップさ、みたいな安易さも見えますが、月9という枠ではちょうどいいのかもしれない。
 「信長のシェフ」 のキャスティングにしてもそうなのですが、民放で時代劇をやる場合のキャスティングって、どうもNHKの時代劇と比較してワンランク下、という感覚がある。 それがドラマ全体のチープ感と微妙に合致してしまうきらいがあります。
 しかしこのドラマの合戦シーンなどを見ていると、第1回ということもあるかもしれないが、とてもお金をかけている、という気がした。 だから開局55年の冠もついたんでしょうが、幟の色使いなど、やはりどこかでチープ感が漂う。

 ただ、小栗クンの発散する、チャラ男のチープ感が、このドラマのカラーにとても合っているような気はするんですよ。 だからドラマのテンポが重苦しくなく、そこで命の大切さが浮き彫りにされていく。

 しかしながら、このドラマにどこか漂うチープ感と、先ほどお話しした 「戦後に生まれた特異な生命価値論」 って、どこか共通している気がする。
 ただ 「死ぬな!」 とか、「なんで殺さなきゃいけないの?」 とか、ふだん殺人とか死とかにまったく無縁な 「平和ボケ」 状態での思考形態なのではないか、と。
 殺戮のど真ん中で平和を叫ぶとき、そんな平和ボケ状態のチープな論理で周囲の人間を、果たして納得させることが出来るのか。
 もっと一歩踏み込んで、命の大切さを考えなければならない段階に、私たち自身が直面しているのではないか。

 難しい話になってしまいましたが、このドラマにそこまでは期待できない気はしますね。
 ただ、戦争とか平和について真剣に考えたこともないチャラ男の目を通して、殺し合うとはどういうことなのかを考える契機には、なると思います。

 物語的に面白かったのは、サブローに信長役を託した当の信長(小栗クン二役)が、明智光秀として生きることになった、という設定。
 原作はまだ連載中だから、ドラマとしてどういう最終回を迎えるのかは、ちょっと興味があります(まあ視聴率よければ続編、みたいな?)。

|

« 「ごめんね青春!」 第1回 クドカンとNHK、民放との相性 | トップページ | 近況報告(ちょっと、武者修行に行ってまいりました…笑) »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

我が家の娘が録画しているのを少し見ました。斎藤道三と対面する回です。西田さん扮する道三も、タイムトリップしてきた人というオチ付きでした。ルパン三世を酷評していた娘には、チープさがとっても楽しいようです。(笑)が、私には、ちっとも楽しくなかったです。信長のシェフの方が、B級を極めようとしている点で好きです。(笑)イケメン揃いの今作より。気取ったフレンチより、お好み焼きかも!
まあ、官兵衛がとっても真摯な作りのドラマって改めて思いました。大河ドラマってお金かけてるわ〜!でした。

投稿: ささ | 2014年10月25日 (土) 18時58分

ささ様
コメント下さり、ありがとうございます。

第1回目は、芸術祭参加作品、ということでリキが入っていたのだ、と思います。
この、芸術祭参加作品、というのはよく分からんのですが、おそらくシリーズ全部でエントリーしているわけではないのでしょう。 たぶん第1回だけ。

それより、第2回をまだ見てない私に、ネタバレを披露してくださり恐れ入ります(爆)。

いや、どうかな~、あんまり最後まで見る気ないかな~、と思っていたのでちょうどいいかも(笑)。

なんだか、もう信長とか秀吉とか家康とか、あんまりいろんなパターンを見てて、ほとほとやんなっちゃってる、というのはありますね、絶対。

投稿: リウ | 2014年10月27日 (月) 06時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521783/60500778

この記事へのトラックバック一覧です: 「信長協奏曲」 第1回 チープかもしれぬ生命観、チープゆえの疾走感:

« 「ごめんね青春!」 第1回 クドカンとNHK、民放との相性 | トップページ | 近況報告(ちょっと、武者修行に行ってまいりました…笑) »