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2015年1月24日 (土)

「デート~恋とはどんなものかしら~」 第1回 「理詰め」 の向こう側

 「リーガルハイ」 の古沢良太サン脚本の恋愛コメディ。 さすがに面白かったです。 「月9」 という古い先入観にとらわれていた、私の予想をはるかに超えて(笑)。 個人的には、今年の冬ドラマのなかではナンバーワンかな~。
 カタブツの権化で婚期を逃している杏サンと、ニートでこちらも結婚できない長谷川博己サンが、結婚目指してデートをする、というドラマです。 ただオープニングで流れるザ・ピーナッツの 「ふり向かないで」 はこのテーマにぴったりなんだが、いかんせん編集しまくりでズタズタ(笑)。

 主人公をこの、杏サンと長谷川博己サンのふたり、とすると、このドラマでは 「リーガルハイ」 の古美門(堺雅人サン)がふたりいる、という感覚でしょうか。 つまりふたりとも知識が膨大で、一般人が陥っているさまざまな常識のウソ臭さを、その進み過ぎた合理性で見抜いている。
 けれども古美門はその合理性を、ただひたすら自分がエバリたいのと(笑)他人に対する軽蔑と啓蒙によって、世の中に積極的に関わりたがり、人の上に君臨したがっていたのに対して、このふたりはただひたすらそれを自分のなかに押し込めている。 そこが決定的に違う気がします。

 なぜなら合理性に基づいた先進的な考えっていうのは、時を外せば異端つーことですから。 そうした考えはたいていは、誰からも相手にされることはない。 だからかたや杏サンは、国家公務員のリケジョとして完璧な仕事をこなしながら他人と交わることもなく、どこか煙たがられているし、かたや長谷川サンのほうは世間それ自体と隔絶してニートと化している。

 でも、その 「リケジョ」 とか 「ニート」 というレッテルを、ふたりとも拒絶しているんですよ。
 もっとも 「リケジョ」 なんて早いうちに死語と化しそうですが(笑)、依子(杏サン)が 「リケジョ」 を拒絶するのは、「STAP細胞のアノ人と私とは違う」、と思っていたからかもしれないが(笑)、そうしたレッテルをつけて分別したがる一般人の安易さと、そこに潜む周囲から自分への、「ひそやかな侮蔑」 を感じるからなのだろう、と思う。

 巧(長谷川サン)のほうもやはりそうで、自分は 「ニート」「引きこもり」 ではない、「高等遊民」 である、という自覚の上に生きている。
 「高等遊民」 と聞くと、夏目漱石の小説(「それから」)のなかで、主人公が自らを称していたことを思い出します。 「ああ明治時代からニートっていたんだなァ」 と思いがちだけど、いやー。
 みずから金銭的利益を生み出さない人間が親をはじめとしたさまざまなものに寄生する、というのはですね。 これは人類が余剰資産を持ち始めた時点から始まっているものと思われ(笑)。

 それはそうと、巧は知識を膨大に習得することによって 「フツーのニート」 と自分との差別化を図っている気がする。 さらに第1回を見た限り、彼はネットに依存していない。 つまり自分の考えや批評眼が、外部に毒されない自分自身のものであるオリジナルなもので構成された、そんじょそこらの知識人とは違う、というプライドを持っている自覚がある、と考えられる。

 でもそういう 「ひきこもりの自尊心」 って、個性的だろうが凡庸だろうが、実はとても井の中の蛙、っていうケースが多くて。

 たとえば巧が依子との 「第1回お試しデート」 の最中に寺山修司の詩とか映画のなかのセリフとか、ことさら自分のボキャブラリーを披露しても、すごく場違いなんですよ。 で、自分の持っている膨大な知識なんかはクソの役にも立たないことを、ここで巧は身をもって体感していくわけですが、このドラマの変わった設定が、ここで生きている気がする。

 つまり巧と依子が、お互いの持つ合理性において、価値観がぴったり合致してしまった、という(笑)。 だから場違いな寺山の詩なんかを、依子は却って新鮮だと受け止めてしまったりする(笑)。

 しかしこの、巧がニートや引きこもりではなく、高等遊民である自覚に立っていることは、はたから見ればどこも変わんないんだけど(笑)、結構重要な気がします。
 だってフツー、自分が無収入なのに結婚しようたあ思わんですよまず(笑)。 で、国仲涼子サンとか周囲のごり押しでデートなんか、引っ込み思案のヤツにそもそも出来るはずがない(笑)。
 そしてそのデートの当日、片親である母親(風吹ジュンサン)からなんの衒いもなく、2万円なんか頂戴しないって(笑)。 フツーのニート、引きこもりというのはですね、自分が稼いでないから、親からお金をもらうことにエラク躊躇するもんなんですよ。 んで、いくらやっても無料のネットにばかり依存する(笑)。

 極めつけはですね、この第1回のラストで、巧が依子を 「新しい寄生主」 と考えていることが明らかになったこと。
 フツーの引きこもりだったら、こういう積極的な宿主探しというのは絶対しない。 親が死んでミイラになっても届け出せずに親の年金をもらおうとするケースがありますが、ニートの行動パターンとしては結構あれは説得力がある。 つまりいつまでたってもズルズルと、消極的なんですよ。 成り行き任せ。 現状のままでいたがる。

 そういった積極性が見られる時点で、巧というのは意識的に、「高等遊民」 カテゴリに自分を置きたがっている気がする。

 しかしですね、何度も言いますが、はたから見りゃ同じなんですよ。

 さて、巧と依子が、その合理性において価値観の合意を見てしまった場面は、第1回の白眉でした。

 依子の父親(松重豊サン)に依頼されてこのふたりのデートを尾行することになった鷲尾クン(中島裕翔クン)の横やりが入り、船から落っこちそうになってしまった巧。 船長を交えてのシーンです。

 船長 「まあ、何はともあれ大きな事故につながらなくてよかった。 今後は気をつけてください」

 依子を連れて船長室を出ようとする鷲尾。 息も絶え絶えの(笑)巧が呼びとめます。

 巧 「ま、ま、ま、待ってください。 あの、僕はけっして、体目当てなんかじゃなくて、真剣に、つきあいたくて…」

 鷲尾 「いい加減にしろよ(略)どうせ常習犯なんだろ!」

 巧 「(激昂して)僕を買いかぶるなよ! そんなこと出来るわけないだろ! 普通に付き合ったこともないのに!」

 依子 「…付き合ったことないんですか?」

 巧 「(ひとりごとのように)詐欺師まがいのナンパ師に見られるよりマシか…。 (開き直って)ああ、そうですよ、僕は生れてこのかた35年、女性と付き合ったことなんかありませんっ!」

 船長 「一度もないの?」

 巧 「ないよ! 悪いか!!」 船長 「(気圧され)いや…」

 鷲尾 「見え透いた嘘を…」 巧 「嘘じゃないっ!」 依子 「ではやはり異常性癖…」 巧 「違います! …もっ、もうこの際だから、ぜっ、全部正直に言いますね。 僕は、小説や映画やマンガやアニメの世界が好きで、現実の女性にあんまり興味がないんです。 人と接するのも苦手なんです!」

 鷲尾 「じゃあなんでデートなんか…」 巧 「友人に、『女性とつきあえば人生が変わる』って言われて、半ば強引に…。 でも、やっぱりダメでした。 もう、デートが苦痛で苦痛で仕方ない!

 (ひざまずき)藪下(依子)さん…。 僕は確かに、あなたのことを、『痛い女だ』 って言いました。 そのことは謝ります。 もうすいませんでした。 この通り、本当に痛いのは僕なんです。 僕が痛い男なんですよ! 僕なんかにつき合わせてしまって、すいませんでした…」

 鷲尾 「…まあ、事情は分かったけど、結局好きでもないのに好きなフリしてたわけだろ? 根本的に間違ってるよ。 好きだから付き合う、好きだからデートをする。 そうでなければ相手に失礼だろ?」 しぶしぶうなずく巧。

 船長 「まあ~いろいろあるでしょうが、これもいい経験になることでしょう。 ではっ、本日は、ご乗船、まことにありがとうございました。 お気をつけて」

 とまとめに入る船長を制する依子(笑)。

 依子 「谷口(巧)さん、謝る必要はありません。 私も同じだからです」 船長 「そろそろ時間がね…」 無視する依子(笑)。

 依子 「私もあなたのことを好きではないのです。

 …いえ、最初は、好きだと思いました。 数ある男性の中から谷口さんの資料を見たとき、なぜだかむしょうに胸がときめいたんです。 『ああ、一目ぼれとはこういうものか』 と思いました。 ですが、こうしてお会いしてみると、まったくときめかない。

 はっきり分かりました。 私あなたのデータにときめいていたんだと」

 巧 「データ?」

 依子 「(結婚相談所の資料を取り出し)ほら。 1979年7月23日生まれ181センチ67キロ、好きな数字ばっかり!」

 巧 「すっ、数字?」

 依子 「全部素数なんです!(なんだソレ…笑) こんなに素数が並ぶなんて、奇跡ですよ! 宇宙の真理が潜んでいるようでワクワクします!

 (我にかえって)…いつもこうなんです。 生身の人間には興味がもてないんです。 …私も、痛い女なんです。

 楽しいふりをしてはしゃいでましたが、やはりダメでした。 デートなんて何が楽しいのかさっぱり分からない」

 巧 「(同意して)…本当ですよね。

 みんな、よくこんなこと普通にやれてると思いますよ」

 見つめ合い、笑い合うふたり。 気が合ってんじゃん(笑)。
 船長が再び退船を促します(笑)。
 「ハイッ、ご乗船ありがとうございました、もう次の出航の準備をね…」 無視して遮る鷲尾(笑) 「依子さん、大丈夫ですよ。 依子さんもいずれ素敵な男性に出会って恋をする時が来ます」

 依子 「そうかしら?

 恋をしたいなんて全然思わない」

 同意する巧 「僕もそうだな」

 抵抗する鷲尾(笑)「恋をすることは大事なことで、人間的にも成長できるし」

 依子 「しないと凶悪犯罪に走る?」 鷲尾 「えっ?」 依子 「社会学者が言ってました」 巧、バカにしたように 「はっ! いい加減なことを言うヤツがいるもんだ。 そんなのは全くのウソです。 なんの関係もありません」 依子 「そうですよね…」

 巧 「そうですよ。

 恋愛なんかしたってなんの成長もしませんよ。 むしろそんなのにうつつを抜かしている連中ほど精神的次元が低いと僕は思いますね」

 依子 「同感です。 やれ合コンでどうした、元カレがどうしたと、ほかに語りあうことはないのかと思います」

 巧 「もうクソのような連中だな」

 依子 「人生にはもっと大事なことがたくさんあります」

 巧 「その通りです。 教養のないバカ女なんかと付き合うヒマがあったら本の一冊でも読んでるほうがはるかに有意義だ」

 依子 「幼稚なバカ男と付き合う時間なんて貴重な人生の浪費でしかない、もっと価値の高いことに使うべきだわ」 ヤケに意見の一致を見ていくふたり(笑)。

 我慢できずに鷲尾(笑) 「待った! 価値が高いとか低いとか、ないとかじゃなくて、恋をするっていうのは素晴らしいことで…」

 横から入る巧(笑) 「出た出た出た」 不愉快そうな鷲尾(笑) 「なんだよ…」

 巧 「レベルの低いテレビドラマやガキ相手の映画ばかり見て育ったんだろう。 現代の幼稚な文化に毒されるとこういうのが出来上がるという典型例だ」

 鷲尾 「なんだよその言いかたは…」 巧 「藪下さん。 本当に痛いのは僕らじゃない。 彼のような人種ですよ」

 鷲尾 「僕が間違ったことを言ってるか!」

 巧 「恋愛なんてものはな、性欲を美化した表現に過ぎないと芥川龍之介も言ってるよ!」

 鷲尾 「恋愛をしなければ結婚だってできないだろ!」

 巧 「本来恋愛と結婚は別物だ。 昔は家と家が勝手に決めるのが普通だった。 結婚式当日に初めて顔を見たなんてケースも珍しくなかった」

 鷲尾 「そんなのは不幸な時代の話だろ! 相手を自分で選べないなんておかしい!」

 割って入る依子 「そうかしら? その頃は今よりはるかに離婚率は低かったはずよ」

 鷲尾 「そ、それは、いろんな原因が…」

 依子 「恋愛結婚が増えるに従い、未婚率と離婚率が増え、出生率が低下しているこの現実をどう説明するんですか?」

 鷲尾、言葉に詰まる(ガンバレ鷲尾…笑)。 船長が申し訳なさそうに割って入る(笑)。 「すいませんがもう次の出航が…」 巧が船長に訊きます(笑)。 「船長、あなた、ご結婚は?」

 船長 「う、うちは、大恋愛の末に結ばれたよ」

 それ見たことかと鷲尾(笑) 「素晴らしい」 しかし船長(笑) 「でも、2年前に離婚した…クッソオ~っ!…」 腹痛え(笑)。

 巧 「フランスの哲学者モンテーニュはこう言っている。 『美貌や愛欲によって結ばれた結婚ほど失敗をする。なんの役にも立たない』」

 依子 「共感します。 私、かねがね結婚とはお互いが有益な共同生活を送るための契約に過ぎないのではないかと考えていました」

 巧 「真理ですね。 フランスの哲学者サルトルとボーヴォワールが提唱したものもまさにそれです!」

 依子 「私、間違ってませんよね?」

 巧 「間違ってない。 恋愛なんてクソの役にも立たない。 結婚は契約です」

 依子 「契約という明確なルールを遂行することは誰よりも得意だという自負があります」

 巧 「素晴らしい。 むしろ下らない恋愛に左右されないあなたや僕は、本来最も結婚に向いていると言えますね」

 戸惑いまくりの鷲尾(笑) 「えっ? 何? ちょっ、ちょっと待った。 れっ、冷静になりましょう、依子さんっ。 お互いに、好きじゃないんですよね?」

 依子 「好きじゃないわ」 巧 「僕も好きじゃないな」 あの…(笑)。

 鷲尾 「ですよねっ」

 依子 「身長や体重は変動するから必ず素数になるとは限らない。 そう考えると何ひとつ、魅力のない人物にしか見えない」

 巧 「僕の理想のタイプはヘプバーンと原節子と峰不二子とメーテルを足して4で割った女性なんだけど、どこにもかすってない!」

 依子 「明らかに好きじゃない」

 巧 「好きじゃないね」

 鷲尾 「ですよねっ」

 依子 「でも結婚ならできそう」 巧 「できるね」 鷲尾、宮尾すすむみたいに(笑)「できるわけないだろっ愛情がなきゃ!」

 依子 「愛情などという数値化できない不確定要素を基盤に人生を設計するなんて非合理的よ。 その点私と谷口さんなら感情を排除し割り切った契約を結ぶことが出来る」

 巧 「ベストマッチかもしれませんね」

 鷲尾 「いやいやいやいやおかしいって」

 巧 「ためしに結んでみます?契約」

 依子 「やぶさかではありません」

 鷲尾 「待った待った待った! ジョーダンですよね?」

 依子意に介さず(笑) 「問題は、双方が納得できる契約内容が作成できるかということなんですが」

 巧 「なんとかなるんじゃないですかね」

 依子 「何事も努力ですから」

 巧 「ええ」

 鷲尾 「マジで結婚するの?」

 依子無視して(笑) 「では今後は結婚に向けての協議を積み重ねるということで」

 巧 「その方向で進めましょう」

 鷲尾絶叫(笑) 「絶対おかしいって!! お互いに好きじゃないんですよね?」

 巧 「うっとおしいヤツだなっ!」

 依子 「好きかどうかは関係ないと言ってるでしょう!」

 鷲尾ボー然(笑) 「ええ~…。 (船長に同意を求める)おかしいですよね?」

 船長、満を持して

 「お前ら、早く帰れよッッ! 頼むからッッ!」

 …。

 も~お腹がよじれました(笑)。

 ここのシーンのセリフを改めてじっくり読むと、ところどころ論理がおかしいとも思うのですが(笑)、これを矢継ぎ早にポンポンやられると、有無を言わさぬ妙な説得力が伴ってくる(笑)。 それは確かに 「リーガルハイ」 方式なのですが、これぞドラマの醍醐味。

 「昔は恋愛結婚なんか少なかったのに離婚率が低かった」 とか、そりゃ家と家とのしがらみがあったし我慢してたんだよ、恋愛という方式が自由だから、別れる自由度も上がるんだよ、という理屈ですよね、普通。

 これは、「そのように捉えたいから、別角度からの考察を意識的にシャットアウトしてしまう」 という現象そのものだ、と思うのですが、このふたりの理詰めの契約恋愛は今後どのようになっていくのか。 そこで展開する独自のマシンガン解釈というものがとても見たい。

 「意識的な思考遮断」 という点で興味深いのは、依子にまるで憑いているように時々現れる、依子の死んだ母親(和久井映見サン)です。
 父親が松重豊サンで、母親が和久井映見サン、というと、懐かしい朝ドラの傑作 「ちりとてちん」 なんですが(「ごちそうさん」 の杏サンと大阪朝ドラつながりでもある…笑)、それはそうとして、第1回のこの母親の行動パターンを見ていると、私どうも、この母親が本当のユーレイである気がしないんですね。

 つまり、本当のユーレイであるならば、母親は娘のデート相手の素性をリサーチするだろうし、さらにその男(巧)の本心を知っているはずである。 でもそれがない。

 で、考えたんですが、この母親って、依子が、自分が結婚しないことで親不孝した、という罪悪感を回避し遮断するために意識的に作り上げている彼女自身の妄想なのではないか、と(罪悪感の象徴、という点では 「ごめんね青春!」 の森下愛子サンに似ている気もする)。

 それにしても和久井映見サンが依子の母親なら、風吹ジュンサンが巧の母親。 この組み合わせは東日本大震災直前のドラマ 「四十九日のレシピ」 なんですよね。 「四十九日のレシピ」 では、立場が逆で風吹サンのほうが死んでるユーレイの役だった。
こういう 「ドラマ好きの琴線」 を局側は、意識してやってんのかな。

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コメント

リウ様

こんばんは。
私も、「デート」が現時点の今期No.1ですね。

恋愛至上主義の牙城のような月9の枠で、それを根底から引っくり返していく2人のスピーチ。その詭弁めいたところも含め、圧巻でした。

普通だと、こんな二人が「結婚」というものを頭に置いてお互いに向き合う内に、やがて愛情が芽生えていくというパターンになるんでしょうが、そこは「リーガル・ハイ」の古沢さんによるホンですから。「現代の幼稚な文化に毒された」価値観をどのぐらい揺さぶり、混ぜっ返してくれるか、楽しみです。

もう一つ、私が気になったのは、この二人が、共に、現代社会の中での「生きにくさ」を抱えている事。それでも、なお、自分にはこうしか生きられないということを自覚しているのをちゃんと描いていることですね。
長谷川サンの方は、その性格ゆえに、恐らく中学高校あたりで、かなり辛い目にあったのであろうということが、国仲涼子サンのお兄ちゃんが言っている事などから窺い知ることができます。

杏さんについてもそう。リウさんが書かれたように、お母さんの幽霊(幻影?)は、本人の罪悪感の表れであると同時に、現実社会に適応できない疎外感と折り合いをつけるため、彼女自身が生み出したもう一つの人格、ととる事もできるのではないかと、私は思っております。
大体ですよ、東大大学院卒のバリバリキャリアの理系官僚が、横浜の、あんなうらぶれた研究所みたいなところに居るのですから、役人の中でも相当浮いた存在になってしまった、ということでしょうし。

リーガル・ハイの古美門にしたって、実は、相当に生きづらかったとは思うのですが(子供時代のエピなどはそれを匂わせていましたね)、ただ、それは、圧倒的なギャグと弁舌によって、敢えて見えにくくしていたと、私は思うんですね。
今回の、この変人カップルによって、「変なヤツ」を貫くことが、現代の日本ではどれ程困難を伴う事であるのか(ま、昔も同じかもしれませんがね)、世間で流布している「ありのまま」という言葉がいかに欺瞞に満ちたものであるのか、そこまで抉り出されてくれたら、私としては嬉しいのですが。

果たして・・・やるかなあ・・・月9で(笑)

投稿: Zai-Chen | 2015年1月26日 (月) 19時10分

Zai-Chen様
コメント下さり、ありがとうございます。

このドラマ、Zai-Chen様の指摘された、昨今の映画マンガドラマにおける 「恋愛至上主義」 に対するアンチテーゼ、という部分に、私もいちばん惹かれているのだ、と感じます。 まったく、「幼稚なガキ向けの恋愛モノ」 とか多過ぎる(笑)。

ありのままに生きたアリは、アリのままだった、ですから、私の世代は(あのねのねの 「みかんの心ぼし」…分かるかなァ?分かんねェだろうなァ)。 なすがままならキュウリはパパですから(笑)。 冗談はともかく、ありのままに生きることが、どれだけ周囲にメーワクをかけるか…(笑)。

ありのままで凡庸に生きてくならいいのですが(辛辣)。

このドラマの第1回では、最初にデート当日の様子を描写しておいて、過去の出来事を徐々に小出しにしていき、主人公ふたりの性格・状況・これまでの生きざまを不自然になることなく活写することに成功していた。 話の組み立て・構成が抜群にうまい。 しかもギャグが冴えている。

木10のドラマはそこんとこもっと勉強してもらいたい気がします(あっと問題発言?)。

「リーガルハイ」 では死刑制度に対する世の中の欺瞞を暴きだしてくれた古沢脚本。 私がかねてから考えていた 「死刑にしたいヤツが首を絞めればいい」 という持論を、古美門の口を借りてものの見事に見せてくれた快感を、今回も感じてみたいものです(どうもZai-Chen様の返信で過激になる傾向がある最近の私…)。

投稿: リウ | 2015年1月27日 (火) 08時03分

リウさん、この「デート」ホントおもしろかった。
スペシャルも見たけど笑いあり泣きあり、
結婚って、人を好きになるって、考えさせられたナー。
非現実的だけど最後はお互いを
尊重し、いろんな愛のかたちを知り、結果幸せに
なってめでたしめでたし。

話はとびますが、
「結婚生活は愛がさめてからの方がはるかに
長い」とある本にあり、ナルホドネ、と。
離婚に偏見もあったけどその方が
よっぽどいい人もいる。
人から幸せに見られることより
いかに自分が幸せを感じ、子供にとってどうする
ことが将来いいことにつながるのか。
いずれにしても辛い経験もすべて
今の自分になるのに必要な試練ですよね・・・。

投稿: ドラマ大すきおやじ50才 | 2016年5月10日 (火) 19時52分

ドラマ大すきおやじ50才 様
コメント下さり、ありがとうございます。

しかしこの記事、引用がスゲー長いな…(爆)。 よくこんな時間があったもんだと思います(笑)。 しかもこれだけ頑張ったのに、コメントがZai-Chen様おひとりのみ(爆)。 つくづくやりがいのない作業だと思います(笑)。

この記事読み返して思ったんですが、「確かにくどい…」(爆)。

私は 「レット・イット・ビー」 の歌詞じゃありませんが、最近はもう、「すべてなすがままに」。 幸せも不幸せも真正面からがっぷり四つになると、しんどすぎます。 うれしいことがあるから、いやなことがますますいやになる。 つらいことがあると、ますますこない幸せを怨みたくなる。 なるようにしかならん、ケセラセラとも申しますが。

投稿: リウ | 2016年5月12日 (木) 07時43分

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