« 2017年春ドラマ②(「小さな巨人」「貴族探偵」「あなたのことはそれほど」) | トップページ | 「ザ・ビートルズ史 誕生(上)」 ビートルズ研究第一人者による、容赦のない徹底的な歴史本 »

2017年4月26日 (水)

NHKラジオ深夜便 ペギー葉山さん・船村徹さん出演回再放送を聞いて

 4月25日深夜~26日未明にかけて放送された村上里和アンカーのNHKラジオ深夜便で、最近亡くなられたおふたり、ペギー葉山サンと船村徹サンの深夜便出演のアーカイヴを放送していた。

 船村徹サンのほうはおととし2015年7月、五木寛之サンのレギュラーコーナー 「聴き語り昭和の名曲」 にゲスト出演されたときの模様。 奇しくも本日のアンカーである村上里和アナが聞き手だった。
 船村サンと五木サンは昭和7年の同い年生まれだったらしい。 それにしては五木サンのほうがはるかに元気で、船村サンはそれに比べるとすでに病を患っていたのか、ぼそぼそ声で笑い話ではなくもうじき死にそうな感じの弱々しさだった。 インタビューの最後で船村サンは、弱々しい声ながら村上里和アンカーに 「あなたも頑張ってね」 と声をかけ、その模様をこの日再び聞いた村上サンは 「泣きそうになってしまいました」、と声を震わせていた。

 ラジオ深夜便はたまに残酷なことをする。 深夜便リスナーの年齢層に合わせるのだろうが、高齢の死にそうな人を出演させるのだ(深夜便制作側にはそのような意図はないのだろうが…笑)。 痛々しかったのは声優の肝付兼太サンで、亡くなる半月くらい前に病院から抜け出して生前最後のインタビューに応じたのだが、もうほとんど声が出なくなっているにもかかわらずスネ夫の声とかやらせてだよ、本人の意向かもしれないけれど出すべきじゃなかったんじゃないだろうかとも感じた。 逆に考えれば、肝付サンは最後の最後まで壮絶に生き切った、遺言を遺した、ということになるのだが。

 船村サンの弱々しさが特に印象的だったのは、船村サンを以前からよくテレビでお見かけしていたからだ。
 美空ひばりにしばしば高音(ハイトーン)の混じった歌を提供し、ステージママだったひばりの母親から 「ひばりの声を潰す気か」 といくら罵倒され抗議されようともひばりの喉に挑戦し続けた船村サン。 テレビで見る船村サンはそれと同じアグレッシヴさがいつもあった。
 アーカイヴを聞く限りその片鱗はまだまだ健在していたが、弱々しさは隠し切れるものではない。

 それに対して、ペギー葉山サンはつい5ヶ月ほど前、去年(2016年)の11月にオンエアーされた徳田章サンのアンカーコーナー、「芸の道輝き続けて」 でのインタビュー再放送だったのだが、この4カ月後に死ぬ、などということはまったく感じられないくらいお元気な様子だった。
 ペギー葉山サンに関しては、報道によれば今年の2月あたりまでお仕事をされていたようで、共演者のかたがたも 「あんなにお元気だったのに信じられない」、ということだったようだ。
 ラジオ深夜便では 「深夜便の歌」、というものを2曲ずつ、毎日放送しているが(3ヶ月毎に替わる)、去年の10-12月に流れ続けた深夜便の歌がペギー葉山サンの歌だった。 仕事の関係上ほとんど毎日のように私も深夜便を聞いているため、私の意識の中ではペギー葉山サンはまったく現役感覚。 訃報を聞いてやはり信じられなかったが、死因だった肺炎、というのは恐ろしいものなんだな、と認識を新たにした。
 このアーカイヴは最初に放送されたときも私は聞いていたのだが、今回再び聞いてみて、若い時に肺を患った、と語っていたのがあらためて印象に残る。 まるで肺が原因で亡くなる予告をご本人がしているかのようだった。

 さて件の深夜便の歌であるが、弦哲也サンが作詞作曲した、「おもいでの岬」。 夫を亡くした老いた妻が、以前夫と一緒に来た海辺のホテルまでひとり旅をするという内容で、やはり数年前?に夫を亡くしていたペギー葉山サンが歌うにはぴったりな曲だと思っていた。 いたずらに感傷的ではなく、亡き夫との甘い思い出の中に遊ぶ様子が歌われていて、とてもいい曲だと思っていた。

 このおふたりのお声を聞いていて、人は患っていようが元気でいようが、死というものは誰にでも平等にやってくるものなのだな、と感じる。 死は向こうからやってくる。 死は自らの中で育っていく。 いずれにしても、人は死から逃れることはできない。 逃れられないのなら、自ら向かう必要もなかろう。 勝手に向こうから、やってくるのだから。 自分の中で育っているのだから。

 ペギー葉山サンも、船村徹サンも、若い人にとってはピンとこないであろう。 いくら超有名でも、世代が交代すると誰も知らなくなる。 私たちはそれぞれが、自分の生きた時代のヒーロー、ヒロインたちに勇気づけられながら、同世代の記憶を共有し懐かしく共感するのみなのである。

|

« 2017年春ドラマ②(「小さな巨人」「貴族探偵」「あなたのことはそれほど」) | トップページ | 「ザ・ビートルズ史 誕生(上)」 ビートルズ研究第一人者による、容赦のない徹底的な歴史本 »

ラジオ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521783/65198640

この記事へのトラックバック一覧です: NHKラジオ深夜便 ペギー葉山さん・船村徹さん出演回再放送を聞いて:

« 2017年春ドラマ②(「小さな巨人」「貴族探偵」「あなたのことはそれほど」) | トップページ | 「ザ・ビートルズ史 誕生(上)」 ビートルズ研究第一人者による、容赦のない徹底的な歴史本 »