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2017年10月15日 (日)

「コウノドリ 第2シーズン」 NHK朝ドラ出身者と、これから生きてゆく赤ん坊たち

 綾野剛がピアニストでもある産婦人科医を演じるドラマの第2シーズン。 2年ぶりの登場だ。
 第1シーズン(2015年)から共同脚本であったが、原作漫画が優れていたのが幸いしたのか内容の破綻がなく、命の尊さ、赤ん坊と向き合う親の姿勢などを丁寧に描いて、その数年前に同じ産婦人科を扱っていたドラマ 「ギネ」(2009年、藤原紀香主演、大石静脚本)よりも数段まさっていた記憶がある。 ただ 「ギネ」 の場合、主役の性格及び家庭とかにも多少の問題があって、院長にも愛人とか、救急車のたらいまわし問題とか、なにしろ手広くやり過ぎてどれもこれも中途半端に終わってしまった感じだった。 それに比べれば 「コウノドリ」 は、「主役の産婦人科医がジャズバーでピアノも弾いてるのかよ、そんなにヒマなの」 みたいなツッコミどころくらいで、きちんと医師と患者の関係性に焦点が絞られていたのがよかった。

 今回は冒頭からいきなり鴻鳥(こうのとり)サクラ(綾野)が離島でピアノを弾くところから始まり、離島であるがゆえの限られた条件下の出産に立ち会うことになる。 「あれ、ペルソナ辞めてコトー先生になっちゃったの?」 とこちらに軽くショックを与えるようなスタートの仕方だ。

 ここに絡んでくるのがドクターヘリなのであるが、当然かもしれないが前クールのドラマ 「コード・ブルー」 に出てきたのと同型機が登場する。 ドラマ好きをニヤリとさせる仕掛けだ。 さらにその離島でひとり頑張っている医師が、佐々木蔵之介。 オイ蔵之介、こないだまで洋食作ってたろと突っ込みたくなる(あ、念のために書くけど 「ひよっこ」 での話ね…笑)。

 コウノトリ先生がコトー先生になってしまったのか、という杞憂は 「1週間程度の休暇」 というオチだったが、ペルソナ総合医療センターに帰ってきた彼を待ち受けているのは、研修医を卒業した松岡茉優。 今回のシリーズではかなり主役に近い立ち位置に陣取っている印象だ。
 それに比べて第1シーズンでは比較的出番が多かった吉田羊の印象が、今回第1回目を見た限りでは薄かった。 院長の浅野和之なんか最後にチラ、ですよ、チラ(笑)。
 冷たい氷のような四宮先生を演じる星野源は、氷のうえに辛辣さが増している印象。 妊婦の夫を平気で脅しにかかる(笑)。

 ともあれ。

 ともに聴覚障害の夫婦(志田未来、泉澤祐希)の、「生まれてきた子供が健常者だったら、どうやって接していったらいいのか分からない」、という不安。 出産休暇を取ったことで仕事上の軋轢に心を乱される妊婦(高橋メアリージュン)。 どんな特殊なケースにおいても、その出産の場面というのは、限りなく感動的だ。 私たちは皆、母親の必死の激痛をくぐり抜けて、この世に飛び出してきたのだ。

 しかしそこに、コウノトリ先生の 「出産は奇跡だ。 だがそのあと、家族は現実と向き合い続けなければならない」 という言葉が、呪文のように繰り返される。 赤ちゃんを産んだはいいけど、どうやって経済的なことを乗り越えるのか、自分の仕事はどうなるのか、保育所には無事入れるのか、自分の時間は、自由はどうなってしまうのか。 いろんなことが肥大化しすぎて、育児に適した環境というのは必然的に狭い場所に押し込められ続けている。 それが少子化問題の最大の原因だが、このドラマは政治家の責任部分には一切言及しようとしない。 政治にはハナから期待してない、という態度の表れなのかもしれないが、期待されていない政治ってなんなのだ。

 それにしても。

 このドラマは第1シーズンの頃から、「やたらと朝ドラで知名度が上がった俳優が出てくるな」、という印象があった。 ざっと振り返ってみても、さきほどの松岡茉優(「あまちゃん」)、医療スタッフでも 「マッサン」 にキツイ事務員の役で出ていた江口のり子、個人的には星野源なども、「ゲゲゲの女房」 で知ったクチだった。
 さらに今回、聴覚障害の夫だった泉澤祐希も、「ひよっこ」 では三男を演じていた。 コウノドリ先生が手紙を見て物思いにふける 「芽見」 という差出人の姿もラストでちらっと見て、「はてどっかで見た顔だよなあ」、と調べてみたら、「ひよっこ」 のナバタメ(青天目)チャンを演じた松本穂香だった。 アラレちゃんメガネかけてないから分かりにくいが、なんか覚えていたオレって異常だ(ハハ…)。

 そのなかには以前から俳優をされていた人も多いのだ、と思うのだが、正直なところNHKの朝ドラで知名度が上がる、というのは、俳優としてのステップアップのパスポートをもらったようなものだ、と私には思える。
 そこから飛び立っていく、いわばひな鳥のようなものだ。
 それはこのドラマの中で、「生まれたあと現実と向き合っていく」 赤ん坊たちと、奇妙に符合する気がする。
 そのチャンスの前髪をいちばん上手にたぐり寄せていったのが、松岡茉優ということになろうか。 三男もナバタメチャンも、頑張るのだ。 応援してるぞ。 ヨネ子は出てこないかな~(笑)。

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コメント

リウさんこんばんは。ついに金曜まで見れました。
「コウノドリ」はヒューマンドラマをまじめに
作っているのがいいですね。現実には、
ここまで説教じみた医者はいなくても、
これを見て若い夫婦が自分に何かしら
必要な事を胸にしまって、
いい親になってくれたら、と思います。
朝ドラのメガネの子は気づかなかったな~。
予告で、次週は土村芳!「べっぴんさん」でより
リウさんの観てなかった「恋がへたでも生きてます」
の好演で好きな女優さん、絶対見よーっと。
ただ、「この声をきみに」とだぶるのが困る~。

投稿: ドラマ大すきおやじ51才 | 2017年10月17日 (火) 22時38分

ドラマ大すきおやじ様
コメント下さり、ありがとうございます。 おやじ様のコメント、本文が終わったあと長~いブランク(空白)がありましたよ(笑)。 最後になんか書いてあるのかと思ってスクロールしてしまいました(笑)。 消しときましたよhappy01

土村サンというと、「とと姉ちゃん」 の妹かな~(違ったらゴメン)。

「この声をきみに」 は、1週間後くらいに再放送してますよ。 詳しくは番組ホームページで確認してください。 私は早く見たいから、W録画かなァ。

投稿: リウ | 2017年10月18日 (水) 06時52分

リウさま
おはようございます。

土村芳ちゃんは「べっぴんさん」の方です。
ヒロイン(芳根京子)の親友で一緒に会社を立ち上げるという。その時も、病弱という設定でしたが、今回も、がん告知をされる妊婦さんの役でした。でも、彼女の場合、こういう幸薄い役がハマるんですよね。第1回目は観てなかったのですが、今回、ちょっと泣けてしまいました。

あと、NHK北九州局制作のBS地域発ドラマでは主役やってまして、こちらは映画のロケなどをサポートする「フィルムコミッション」に配属された地方公務員。こちらはうって変わって元気で明るい役どころで、頑張ってはいましたけど、やはり今回の方がしっくりきてしまうのは、やはり朝ドラの残像の影響なのでしょうか。

私も「べっぴんさん」、最後まで観てないのですが(笑)。

投稿: Zai-chen | 2017年10月21日 (土) 09時38分

Zai-Chen様
コメント下さり、ありがとうございます。

あ~、あの、病弱にもかかわらずその後その設定がビミョーに無くなってた、彼女だったか~(笑)。 「とと姉ちゃん」 の次女だと思った(「べっぴんさん」 も 「とと姉ちゃん」 も途中リタイアだからビミョーに記憶が曖昧です…笑)(私としては同様にリタイアだった 「ごちそうさん」 も含めてみんな同じようなタイトルなのでどうでもいい感じですが…、と負け惜しみ…笑)。

BS地域発ドラマというのは、たまーに 「火の魚」 みたいな超傑作が生まれるのですが、なんかビミョーに(この表現、しつこい)ハズレっぽいのが多くて、近頃ではチェックしなくなったな~。 「火の魚」 も確か、賞かなんかとった後の再放送で見た記憶があります。

投稿: リウ | 2017年10月21日 (土) 12時17分

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