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2017年11月 5日 (日)

「赤ひげ」(2017年のドラマ)どうしても黒澤作品と比較してしまうが

 NHKBS時代劇の新作。 全8回。

 NHKの番組HPでは完全に無視を決めかかっているが、この物語は山本周五郎の原作、というより、私にとっては黒澤明監督の映画、という位置付けで今日まで来た。 確かテレビドラマとしても、何回かリメイクされたはずである、が、ネット検索してもどうもその情報が出てこない。 私の記憶違いかもしれぬ。

 しかしよしんばリメイクされていたとしても、おそらくそのどれもが黒澤作品には敵わなかっただろう。 それほどの名作であるし、なにしろ主人公 「赤ひげ」 の三船敏郎の存在感を凌駕する者など、未来永劫現れないだろうからだ。 最近じゃ胡麻麦茶のCMにまで出ている(笑)。

 ただしこの作品を私が見たのは、もう40年近く前、私が中学生の頃だったろうか。 かなり記憶が茫漠としていたが、今回ドラマを見たことで、だいぶん記憶がよみがえった。
 まず黒澤映画において三船は確かに存在感の権化みたいな感じだったが、物語的には加山雄三が中心で動いていたような気がするのだ。 それをまず思い出した。
 そして診療所内の隔離所に幽閉されていたある狂女(あえてそう書かせていただく)の、ゾッとするような恐怖。 京マチ子かなと思っていたけれど、あれは 「羅生門」 だったか。 ネットで調べたら香川京子だった。

 話の筋が後回しとなった。 この物語は、江戸時代に小石川にあった無料の医療施設が舞台。 幕府の肝いりで設置された。 無料だから民間の貧乏人ばかりが患者だ。
 そこに長崎で蘭学医療を学んだ新人の医師、保本が赴任してくるのだが、これがまったく本意ではない。 本意ではないから、かなり不貞腐れる。 映画ではそれが加山雄三だ。 52年前、私が生まれた年(1965年)の映画だったから、加山雄三もまだまだひよっこの頃だ。

 今回のドラマではそれを中村蒼が演じている。 遠い昔の記憶と比較するという無理をさせてもらえば、中村は加山よりもかなり自我が発達していそうな感じに見えた(笑)。 要するに、加山はホントにボンボンみたいな感じだったのだ(ホントに二世タレントでボンボンだったのだが)。 映画は加山のひよっこぶりをたぶん強調していたものと思われる(遠い記憶なのによく言うよ)。

 その診療所の主が、赤ひげこと新出去定(にいできょじょう)だ。 三船が演ったその恐れ多い役を、たぶん本人としては悲壮な覚悟で、船越栄一郎が演じることとなった。

 なにかをしゃべれば雷みたいな三船の重厚さには追い付くべくもない。 船越の演技も無理してダミ声をあげたりして、三船をじゅうぶん意識しまくったものに見えた。
 しかしだ。
 船越は赤ひげを演じるだけの人生の積み重ねを、すでに備えているように私には思えた。 まあ離婚騒動中の奥さんの影響が大きい(ハハ)。
 だいたい赤ひげという人物は、ダミ声をあげないと影響力を行使できないのだと思う(笑)。 幕府の予算削減に対抗するための強面であらねばならないし、そもそも保本の蘭学ノートをひったくって読み漁るくらいの知識量だから(笑)。

 じゃあそれだけの人間か、というとそうではない。
 赤ひげの存在意義は、医療に対する問題意識の高さに依拠している。 だから蘭学の最新知識が必要なのであって、下らない自我に拘泥されているひよっこの医師など、問題意識に目覚めなければどうでもいい、と思っているのだ。

 だから赤ひげは、保本がどんなに不貞腐れようがほっぽっている。 ただこのような、悲惨な診療所の実態をあるがままに見せている。 それでなにも感じなければ、それまでのことだ。

 第1回においてその本質は、見事に描写されていた。 脚本は 「アットホーム・ダッド」 や 「梅ちゃん先生」 の尾崎将也。 HPによれば、彼はこの原作を若い頃からかなり読みこんでいたらしい。 その思い入れによって書かれた今回のドラマは、通り一遍の安っぽさなどとは無縁だ。 それがうれしい。

 ただひとつ不満があったとすれば、狂女の凄味が黒澤映画に比べれば見劣りしたことくらいか。 遠い記憶で美化がされている可能性もあるが、黒澤映画において香川京子のそれは、ホラー映画も真っ青な怖さだった。

 ともあれこのドラマが、BSだけで放送されるのはもったいない。 総合テレビで 「アシガール」 のあとにでもやったらいいのに。

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コメント

あおい輝彦が保本で赤ひげが小林桂樹さんだったドラマをむか〜〜しNHKでやってまして見ていました。(笑)
小林桂樹さんの赤ひげ先生はとってもいい人でした(笑)
今作はちらっと見ました。船越さん、頑張っていると思います。2時間ドラマが少なくなって、2時間ドラマの帝王も厳しい時代らしいですが、年齢的にもじっくりお芝居をするのはいいのじゃないでしょうか。恐妻?の恐怖に耐え続けた胆力を演技に発揮できれば。
いいとこの坊ちゃん、二世俳優というぬるい所から子連れの奥様との恋愛結婚、ドロ沼離婚と芸の肥やしだらけ。(笑)
ではまた。地上波でも放映されるといいですね。

ささ様
お久しぶりです(なん~か、イヤミっぽいぞ…笑)。 ささ様からコメントが来ないと、気の抜けたジンジャーエールのようです、このブログは(笑)。

およそ 「黒澤映画のリメイク」 的なものに対しては、一切食指が動かないワタシ(今回は初めてのリメイク体験です)。 だから 「赤ひげ」 のテレビドラマ化も、やってた、というおぼろげな記憶だけで、見たことはありません。 「小林桂樹サンが赤ひげをやっていた」、というささ様の情報は、私が検索した限りではネット上になかった情報であります。 ゆえに全世界でここだけ! すごい!(持ち上げてますがな)。

それにしてもウィキペディアも、けっして完璧ではないんですね。

wikiにものってるよ。(笑)
山本周五郎先生の赤ひげ診療たん、たんは難しい漢字(笑)で引くと映像化作品に出て来ます。そこから赤ひげの小林桂樹さんの所に行けます。(笑)
私も10歳の頃1972年の作品だから小林桂樹さんしか覚えてなくて。あおい輝彦さんはそういう人もいたなあ〜〜って思い出しました。ひどい。(笑)
当時、三船さんの映画の方は、見てません。(笑)大人になってから見たかしら(笑)
黒澤監督の晩年になってからですね。
最近も2002年か、江口洋介さんで、こっちは黒澤監督版リメークをドラマでやったらしい。全く見てません(笑)
2002年の頃はお子様番組しか見てないです。(笑)
今、テレビをじっくり見てくれるし、人口が多いのはシニア世代でしょう。若い人はyoutubeなんかのネット動画をスマホで見るんだし。
だから、地上波に降りてくる可能性はありますよ。船越さんの離婚騒動も裁判所行きでだいぶ鎮静化してきましたし。(笑)

ささ様
コメント下さり、ありがとうございます。

あれー、そうでしたか~、残念。 しっかし私も、どこを検索しておったのでしょうか(笑)。

しかしささ様はオヤジフェチですな~(笑)。 当時ジャニーズの時代から程遠くないあおい輝彦サンのことは眼中になく(笑)小林桂樹サンしか覚えてらっしゃらないとは。 平幹サンだって、樅の木の頃すでにもうオジサンでしたでしょう。

そうか~、2000年初頭は、ささ様のお子さんもまだ子供番組の時期ですもんね。

若い人のテレビの見かたで感心しないのは、SNSを使いながら同時にみんなで楽しむ、という方法です。 テレビドラマって結構、一瞬目を離すと内容をちゃんと把握できなくなることって多い。 スマホの画面に気を取られていると、ドラマをきちんと理解できなくなることが、意外と多いのです。 ヤフーの感想欄でも、「この人このドラマのどこを見ていたんだろう」 と思う感想が、ここ数年とみに多くなってきた気がします。

テレビドラマをいちばんきちんと見てるのは、やっぱシニア世代だ!ということになるんでしょうね。

若い人たちに興味を持たせるために、ファンクラブなどに呼びかけて主演ドラマの同時視聴会とかやってるみたいです。そこに御本尊が降臨じゃない、常駐、徘徊してるとか(笑)
テレビドラマを作ってる人たちはかつて自分達が映画に脅威を与えたのと同じ脅威にさらされているわけです。
映画は大画面でそのひと時に魅入る、特別感で生き残ってきたけど、テレビは自分達より小さいけどお手軽サイズなスマホ相手にどう対抗して行くのか。
テレビにしかないお得感を出すしかない。(笑)
シニア世代はそして、とってもテレビが大好き。老眼でスマホの小さい画面やキーの操作なんかが面倒臭いし。(笑)
でも、こたつに寝転んで、愛犬と戯れつつぼーっとテレビを見るって至福のひと時ですよね。(笑)

ささ様
コメント下さり、ありがとうございます。

まあ、「感心しない」 とは書いたものの、若い人のテレビドラマの見かたに文句をつけるつもりはありません。

ただ、脚本家や演出家、出演者という3通りの 「表現者」 としての 「表現の意向」 を考えた場合、受け手の 「ながら見」 みたいなことはあまり本意ではないと思う。 私も表現者のはしくれとして、そう考えるだけです。 やっぱり作り手と受け手ががっぷり四つに組んでこそ、ドラマに限らずさまざまな芸術というのは成立するのだろうと。

それと、どうも最近テレビドラマを見ていて思うのですが、「なんか大画面で見ないときちんと分からない」。 私の部屋のテレビは32型ですが、3~4メートルくらい離れて見ると細かい役者の表情とかが分からない場合があります。 1メートルくらいだと分かったりする。 昔みたいに、どアップの演出で表情を見せ、感情を表現する、というスタイルがなくなってきたように思うのです。

それをiPadならまだしも、スマホあたりの画面で見て、ちゃんと分かるもんでしょうか? 筋だけ追ってりゃいい、という、なんともコンパクトすぎるお手軽さが気になります。

まあ、これもオールドタイマーのタワゴトなんでしょうけど。

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BOOKS

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

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    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

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    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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