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2019年5月15日 (水)

「わたし、定時で帰ります。」 「働き方改革」 政策のアホな部分には触れないが

 ウェブ制作会社で 「残業しない」 ことをモットーとしている社員を、吉高由里子が演じる。
 吉高は私の勝手なイメージとして、「あまりやる気のない」 キャラである。 「花子とアン」 の時だけは頑張ったが、それ以外は総じて、女優という仕事に対してフニャフニャしている印象だ(笑)。 要するにマイペースだ、ということだが、そんな彼女が 「定時出勤・定時終了」 を謳うドラマの主役をやるというのだから、最初は 「合ってんじゃない?w」 くらいの軽い気持ちで見始めた。

 だがこのドラマにおける彼女の立ち位置というのは、実はかなりの実力によって成立している、とすぐに認識を改めた。
 なぜなら、定時で帰る、というのは、定時で仕事を 「終えられる」 から帰れる、ということ。 残業などしなくても、彼女は自分の仕事を定時間内に全部片付けているのである。
 さらに自分の仕事をこなしながら、第1回でシシド・カフカをフォローし、第2回で内田有紀を立ち直らせ、第3回で泉澤祐希のやる気を復活させ。 これってかなりのスーパー社員である。

 見始めてから数回は、そんな吉高自身の本来のイメージと、その彼女が嫌々ながら社内の問題を片付けていく様とのギャップが面白くて、視聴していた。 主人公が仕事に対して現実的なスタンスなのは、以前の主演作である 「東京タラレバ娘」 とさして変わらないが、「タラレバ」 では仕事に対して仲良しグループで愚痴り合い、ネガティヴな捉え方をしていた。 「わた定」 では 「やるだけのことはやる。 文句ある?」 という、かなり鮮やかな割り切り方をしている。 流されない、カッコイイ生きかたを目指しているかのようだ。
 それでいて、ほかの社員に対して必要以上に厳しいこともない。 これは自分が常に定時で帰ることへの後ろめたさと潜在意識下で繋がっていると思われる。 だが彼女の表層的な意識では、「人それぞれに働きかたは違ってしかるべき」、と考えようとしているようだ。

 そんな彼女のスーパーぶりを支える仕事の方法が披露されたのは第4回だ。 「デスクの上は常にきれいに、書類の整理整頓、やるべきことの優先順位を分かりやすく分類化、視覚化」「タイムトライアルでひとつひとつの仕事を自分の設定時間内に片付ける」。 これらは仕事をやる上ではとても基本的なことで目新しいことは何もないが、そのほかにも彼女のキャリアを支えているのは、特にポストイットをPCに貼らなくとも、突発的な出来事に対して上司やクライアントに真っ先にどうすべきかをわきまえている、ビジネスのバランス感覚に優れていることではないか、と思われる。 ホウレンソウ、「報告・連絡・相談」 においてミスが少ないのである。

 このドラマは毎回毎回、あまりにも都合よく吉高の周りの人間たちが体質改善されていくので、「やっぱりドラマにありがちなあり得なさぶり」、と思われがちなのだが、「ドラマの都合よさ」 を差し引いても彼女の仕事ぶりは参考になる。

 問題なのは。

 そんな彼女の 「定時で帰ってしまう」 というやり方が問題視されてしまう、という 「社内の空気」 にある。 さすがに会社内では目に見えてほかの社員たちが反発するような流れはないが、これをいちばん問題視しているのは部長のユースケ・サンタマリアだ。
 彼は以前、別のウェブ会社を経営していたがそれを売却し、吉高の会社に転職してきた。
 吉高が頼りにしている引きこもりのブレーンとも呼べる若い男がいるのだが、その彼によれば、ユースケはちょっとヤバいらしい。
 何がヤバいのか。 このドラマを縦線で引っ張っているのは、そのことへの興味だ。

 私の見立てで言えば、ユースケ部長はパワハラ得意の旧体質の人間だからヤバい、ということなのだと思う。 旧体質な仕事との付き合い方で、若い世代が多いと思われるウェブ制作の世界には馴染まなかったために前の会社をダメにした、と思うのだが。
 ということは、どうしてまた同系統の会社に転職できたのか。 ここらへんも謎だ。
 ドラマでは吉高の元恋人役で、ユースケと一緒に吉高の会社に引き抜かれた向井理がいるが、ユースケの転職には向井との関連もあるのだろうか。

 その向井であるが、私個人としては久々に彼をドラマで見た気がする。 どうも彼の出演するドラマとの私の好みとの相性が悪いみたいなのだが、今回の彼の役柄はとてもプレーンで、見ていて妙に、存在の安心感がある。 向井理はこういう、ちょっとフロントから引いたくらいの役のほうがよく似合う、と感じる。
 彼は吉高とは違って、残業もバリバリの 「従来のイメージによるスーパー仕事人間」 だ。 かなり出来る。 向井と別れた吉高はライバル会社の中丸雄一と婚約にまで至っているのだが、どう見ても向井のほうがお似合いだ(笑)。 仕事に対するスタンスが違う、という点で吉高と向井は結ばれない運命にあるが、ジャニーズ感丸出しの中丸のほうがはるかに頼りなさげだ(笑)。

 別に吉高と中丸の婚約がこの先破談になろうとどーでもいいが(なりそーな予感がする)、それよりも問題にしたいのは、「残業しなければならない社員」 側の理屈である。
 吉高は今の会社に対して、「モチベーションはお給料」、と言えるだけのマッチングがされているからいいが、「残業しないととても生活できない」、というミスマッチのなかで仕事をしている人間は、どうなるのか。

 つまりこれは、基本給の話になっていくが、今の 「働きかた改革」 で軽視されているのが、この 「基本給の安さ」 にあるとは言えないだろうか。
 定時で帰れて、その給料も充分満足できるのであれば何の支障もない。 もちろん家計の支出傾向が自分に見合ったものであるかどうかの考察は必要であるが、残業ゼロ時でも給料がいい大企業ならともかく、残業しなければ生活費が工面できない働き手は、プレミアムフライデーだの10連休だのすればまた残業代が減り、国の 「上しか見ていない」「庶民のことなど見ていない」 政策に振り回されっぱなしになってしまうのではないか。

 ドラマにおいて吉高は、「自分は仕事とプライベートのバランスがとてもよくとれている」、と話していたが、実際本当にその通りなのかどうかも、ちょっと気にかかる点だ。
 彼女は本当に、定時で帰って中華料理屋で半額のビールを飲み、小籠包を食べているだけで満足しているのか。 その先にストーリーの展開は待っていないのか。 これが気になる。

 最後まで興味の尽きないドラマになってくれそうだ。

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コメント

リウさんこんばんは。暇なので律儀に3連続コメントです。
リウさんの目の付け所はなるほどと思いますが
吉高は前の会社で言われるがまま働いてこりごりした経験から
定時に帰れる仕事に取り組み実行している。これからユウスケがかき回す。
定時にはいつも帰るが残業やるときは驚かれながらいつかやるんでしょう。
そして最後は向井と元鞘、ですよね~。

ドラマ大すきおやじ様
コメント三連投いただき、少々面食らっておりますが(笑)ありがとうございます。

このドラマでいい味出してるのが、中華料理屋のおかみ、江口のり子さんでしょうね。 脇のオッサン二人も(笑)。 しかしあの中華風なしゃべり方、どこで会得したんでしょう(笑)。 すご~くいそうな感じだ(笑)。 江口さんはいつも、およそどうでもいいと思われるようなドラマに出演しても(出来不出来を選んでない)なにか爪痕を残す、とつけむにゃあ女優ですね。

向井くんとの復縁、…どうでしょうね。 このふたりはくっついても結局うまくいかんと思う(爆)。

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    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

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